近年、4Kでゲーム性能が高いモニターが増えています。
ASUS ROG Swift OLED PG27UCDMと、JAPANNEXT JN-IPS27G165U-HSPは、どちらもゲーム性能が高い4Kモニターです。
共通点がありますが、異なる部分も多くあります。
今回ご縁があって、ASUSさんからROG Swift OLED PG27UCDMと、JAPANNEXTさんからJN-IPS27G165U-HSPをお借りすることができましたので、比較しながら違いを紹介していきます。
ハイスペック4Kモニターを検討されている方はぜひご参考ください。
ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPのスペック
まずは、ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPのスペックをそれぞれ簡単に紹介します。スペックを見比べるだけでも、違いがある程度わかるので、4Kモニターに興味がある方はぜひご参考ください。
ROG Swift OLED PG27UCDM | JN-IPS27G165U-HSP | |
---|---|---|
パネルサイズ | 26.5インチ | 27インチ |
パネル種類 | QD-OLED | IPS(ADS) |
表面仕様 | アンチリフレクション | 非光沢 |
最大解像度 | 4K(3840×2160) | 4K(3840×2160) |
色空間 | sRGB145% | sRGB100%/DCI-P3 98% |
コントラスト比(標準) | 1,500,000:1 | 1,000:1 |
最大リフレッシュレート | 240Hz | 165Hz |
応答速度 | 0.03ms(GTG) | OD:1ms(GtoG)/MPRT 1ms |
価格 | 186,000円程度 | 62,980円 (Amazon限定モデル50,980円) |
以上が、ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPの簡単なスペック比較です。
モニターサイズは26.5インチと27インチでほぼ同じ4Kモニターですが、パネルはROG Swift OLED PG27UCDMがQD-OLED(有機EL)を採用、JN-IPS27G165U-HSPはIPSパネルを採用しています。
それに伴いコントラスト比にも大きな差が生じています。
また、ROG Swift OLED PG27UCDMは240Hzの高いリフレッシュレートに対応していますが、JN-IPS27G165U-HSPは165Hzと数値だけ見ると控えめに感じます。
価格はROG Swift OLED PG27UCDMの186,000円に対してJN-IPS27G165U-HSPは62,980円と3倍近い差があります。
なお、それぞれのモニターの詳細レビュー記事は下記にアップしてますので、あわせてご確認ください。
- ROG Swift OLED PG27UCDMをレビュー! 4Kでゲーム性能も高い有機ELモニター
- JN-IPS27G165U-HSPレビュー! 165Hz対応27インチ4K IPSゲーミングモニター
ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPの性能と機能の違いを比較
今度は、ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPの性能および機能の違いについて、比較していきます。
液晶パネル、リフレッシュレート、色性能、機能面や操作性などについて解説していくので、ぜひご参考ください。
液晶パネルの違い

- ROG Swift OLED PG27UCDM:有機ELパネル
- JN-IPS27G165U-HSP:IPSパネル
ROG Swift OLED PG27UCDMは、有機ELパネルを搭載しています。
有機ELパネルのよいところは、色の表現が得意な点。
コントラスト比が非常に高く、映像の明るい部分と暗い部分の差がハッキリすることにより、映像にメリハリが生まれます。
映像が綺麗に見えたり、視野角が広かったりするのも特徴です。
一方、焼き付きが起こりやすいのがデメリット。同じ画面を表示させ続けることで、その画面がモニターに焼き付いてしまうことがあります。
JN-IPS27G165U-HSPは、IPSパネルを採用。
ゲーミングモニターでは最も一般的なパネルで、比較的映像が綺麗なのが特徴です。癖がないパネルとも言えるので、扱いやすいのが魅力。
有機ELパネルと比べると映像美は劣るものの、気を遣わずに使えるのがよいところです。
また、視野角に関してはどちらも上下左右178°で、違いがありません。
両者の液晶パネルの違いによる差は、「映像の美しさ」「色性能の高さ」「扱いやすさ」にあります。
以下の写真はROG Swift OLED PG27UCDM(左)とJN-IPS27G165U-HSP(右)、それぞれが映し出された絵をカメラで撮影したもの。
有機ELとIPSでどのような差が生じるか参考にしてください。

パネルサイズの違い

- ROG Swift OLED PG27UCDM:26.5インチ
- JN-IPS27G165U-HSP:27インチ
ROG Swift OLED PG27UCDMのパネルサイズは、26.5インチです。
これは、プロのゲーム大会でよく使われるサイズ感になっています。一般的なサイズとも言えますが、4Kモニターとしては非常に小さいサイズです。
高い解像度を小さいモニターで表示させると、文字やアイコンが小さく表示されてしまいます。小さい画面により多くのドットを表示させなければならず、1ドットのサイズが小さくなるのが原因です。
視認性に関しては、JN-IPS27G165U-HSPの27インチのほうが比較的良好だと言えます。
ただ、26.5インチと27インチは実用上大きな差が出にくいです。
どちらも4Kモニターとしてはコンパクトであり、狭い場所でも問題なく設置できます。視認性も大きく変わるわけではなく、比べるとJN-IPS27G165U-HSPのほうが若干高い程度です。
リフレッシュレートの違い

- ROG Swift OLED PG27UCDM:240Hz
- JN-IPS27G165U-HSP:165Hz
リフレッシュレートというのは、1秒間に画面に表示される画像の枚数のことです。多くなればなるほど、映像が滑らかに見えます。
そのため、FPSなどの競技性の高いゲームでは、リフレッシュレートが高いほうが有利です。
さらに、リフレッシュレートはPC側のフレームレートと同じであり、PC側で出せるフレームレートよりもモニターの最大リフレッシュレートが大きいのが望ましいとされています。
それを踏まえれば、ROG Swift OLED PG27UCDMのほうが優秀です。
ただし、4Kで240fps(Hz)を出せるPCも作品も限られます。
活かす機会はそれほど多くなく、JN-IPS27G165U-HSPの165Hzでも十分というケースのほうが多いので、一概には言えません。自分のPCスペックと照らし合わせて、選びましょう。
なお、モンハンワイルズなど高い負荷のかかるゲームでは、RTX5070TiやRTX5080クラスのGPUを搭載したPCでゲームプレイしたとしても、4kではグラフィックプリセット高や最高で70~100fps程度が限界です。
フォートナイトの最高画質でも120~130fps程度しか出せません。(最近のフォートナイトは重たい)
応答速度の違い

- ROG Swift OLED PG27UCDM:0.03ms
- JN-IPS27G165U-HSP:1ms
応答速度というのは、画面の色が切り替わる速さのことです。単位は、ミリ秒(ms)。数値が小さいほど、切り替えが早いということになります。
応答速度が速いと、映像の残像感が軽減されるのがよいところです。
ゲーミングモニターでは、JN-IPS27G165U-HSPの1ms程度が一般的。一昔前は1msは高性能の証でしたが、近年は安価なゲーミングモニターでも1ms程度の応答速度が出せるモニターが増えてきています。
一方、ROG Swift OLED PG27UCDMは0.03msと非常に高速です。
スペック上は、ROG Swift OLED PG27UCDMのほうが優秀だと言えます。
ただ、1ms未満の応答速度は肉眼で違いがわかりにくいです。0.03msと非常に高速だからといって、ほかのモニターより明らかに残像感が減ったと感じられるわけではありません。
色性能の違い

- ROG Swift OLED PG27UCDM:表示色 10億7370万色(sRGB 145%)
- JN-IPS27G165U-HSP:表示色 10.7億色(sRGB 100%/DCI-P3 98%)
sRGBとDCI-P3というのは、色域の規格のこと。色域は、デジタル機器が表現できる色の範囲のことです。
sRGB 100%というのは、sRGB規格で定められている色の範囲を全て表現できるということになります。100%を超えているのは、sRGBで定められている色の範囲外の色も表現できるということです。
表示色だけで見れば両者似たり寄ったりですが、色域はROG Swift OLED PG27UCDMのほうが広いと言えます。
これは、有機ELパネルの特性のひとつです。
ただ、JN-IPS27G165U-HSPも一般的なIPSパネルのモニターと比べれば、色域が広い部類に入ります。
色域が広いことで得られるメリットは、色の表現幅が増えることです。
それにより、ゲーム映像や映画などをより美しい状態で楽しめるだけでなく、イラスト制作や画像編集でより正確な色の表現ができるようになります。
操作性の違い

- ROG Swift OLED PG27UCDM:センサー搭載/スティック操作
- JN-IPS27G165U-HSP:センサー非搭載/ボタン操作
ROG Swift OLED PG27UCDMには、センサーが搭載されています。
センサーにより人を検知して、モニターの前に座るだけで電源がオンになる機能が搭載されているのが特徴です。離席時のスリープからの復帰が、よりスムーズになります。
さらに、スティックによる操作二対応。より直感的にメニュー操作ができ、全体的に操作でストレスがかかりません。
一方、JN-IPS27G165U-HSPはセンサー非搭載。操作系統もボタンと、一般的な操作性です。
操作性に関しては、ROG Swift OLED PG27UCDMのほうが優秀だと言えます。
機能面の違い

- ROG Swift OLED PG27UCDM:KVM対応/シャドウブースト対応/HDR10対応
- JN-IPS27G165U-HSP:KVM非対応/シャドウブースト非対応/HDR400相当対応
ROG Swift OLED PG27UCDMには、KVM機能が搭載されています。
これは、モニターにキーボードとマウスを接続することで、複数機器でこれらの周辺機器を使い回せる機能のことです。複数PCを使う際、モニターの接続を切り替えるだけで、キーボードとマウスを繋ぎなおさずに使えます。
無線キーボードなどに搭載されるマルチポイント機能と似た感覚で、有線でも作業ができるのがよいところです。
さらに、シャドウブーストやHDR10に対応しています。どちらも、映像関係の機能です。
シャドウブーストは、画面の暗い部分の視認性を高める機能のこと。HDR10は、映像の明暗差をより広くするための技術です。
一方、JN-IPS27G165U-HSPはHDR400相当に対応しています。
HDR400のほうが、輝度が高いのが特徴です。ゲームやウェブの閲覧、カジュアルな動画視聴などの用途に向いています。
HDR10は、色深度がHDR400より深く、より豊かなグラデーションを表現できるのがポイントです。映画視聴、クリエイティブな作業などに向いています。
機能面は、共通点も多いですが、どちらかと言えばROG Swift OLED PG27UCDMのほうが豪華です。
価格の違い
- ROG Swift OLED PG27UCDM:約18万円
- JN-IPS27G165U-HSP:6万2,980円(Amazon限定モデルは50.980円)
ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPの価格を比べると、3倍近い差があります。
これまで性能面・機能面で比較してきましたが、多くの項目がROG Swift OLED PG27UCDMのほうが優秀でした。
ROG Swift OLED PG27UCDMは非常に高性能かつ多機能な4Kモニターですが、その分価格も高いです。
一方、JN-IPS27G165U-HSPはROG Swift OLED PG27UCDMと比べれば性能も機能も劣るものの、価格と比べれば十分な性能を持っています。
さらに、Amazon限定モデルであるJN-i27G165Uは約5万円とさらに安いです。
コスパに関しては、JN-IPS27G165U-HSPおよびJN-i27G165Uのほうが高いと言えます。
ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPの共通点を解説

- 解像度
- 視野角(H:178°/V:178°)
- フリッカーフリー対応
- リフレッシュレート同期機能対応
- ブルーライト軽減機能対応
- PIP/PBP対応
- 多機能スタンド付属
ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPには、以上のような共通点があります。
まず、どちらも4Kという高解像度のモニターであることと、視野角が同じであることが特徴です。視野角が広いのは有機ELパネルの特徴のひとつだと先述しましたが、IPSパネル搭載のJN-IPS27G165U-HSPも同等の視野角を持ちます。
さらに、フリッカーフリーやリフレッシュレート同期機能、ブルーライト軽減機能、PIP/PBPなど機能面に共通点が多いです。
PIP/PBPは、どちらもマルチウインドウ機能のこと。
PIPは、メインで表示させている機器の映像の中に、別機器の映像をワイプ表示できる機能のことです。
PBPは、二つの機器の映像を横並びで表示できる機能のこと。
この手の機能は、モニターが大きいほど使いやすいです。大きな差はないものの、JN-IPS27G165U-HSPのほうが、より使いこなしやすいと言えます。
【結論】それぞれどんな方におすすめ?
ここまで、ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPの違いについて、比較して紹介してきました。価格帯が大きく異なるので、比較するとROG Swift OLED PG27UCDMのほうが優秀に見えますが、価格を考えればJN-IPS27G165U-HSPも十分過ぎるほど優秀です。
最後に、それぞれどんな方におすすめなのかについて簡単に解説していきます。
ROG Swift OLED PG27UCDMをおすすめする方

- ハイエンドのゲーミングPCを所持している方
- ゲーム性能に妥協したくない方
- クリエイティブな作業に使いたい方
- 予算に余裕のある方
ROG Swift OLED PG27UCDMは、以上のような方々におすすめです。
本気を使いこなすには、性能が非常に高いPCが必要になります。グラフィック性能は、50番台のハイエンドモデルなどを搭載しているPCを所持している方には、特におすすめです。
さらに、本機は作業性能も高いモニターになっています。色性能が特に高く、クリエイティブな作業の適性が高いです。
ゲームがしたい方だけでなく、クリエイターにもおすすめのモニターだと言えます。
JN-IPS27G165U-HSPをおすすめする方

- 使いやすい4Kモニターが欲しい方
- ゲームと作業を両立したい方
- なるべく予算を抑えながら高性能な4Kモニターが欲しい方
JN-IPS27G165U-HSPは、以上のような方々におすすめです。
ROG Swift OLED PG27UCDMと比べたときのJN-IPS27G165U-HSPの利点は、扱いやすさにあります。27インチとROG Swift OLED PG27UCDMより大きいサイズであり、扱いやすいIPSパネルを搭載しており、難しいことを考えずに使えるのがよいところです。
さらに、ゲーム性能も作業性能も価格と比べれば十分高いと言えます。ゲームと作業を両立したい方にも、おすすめです。
ただ、予算があるならROG Swift OLED PG27UCDMのほうが良い場合があります。クリエイターの方には、特にそうです。
JN-IPS27G165U-HSPは、なるべく予算を抑えながら高性能な4Kモニターを購入したいという方に最適なモニターだと言えます。
まとめ

本記事では、ROG Swift OLED PG27UCDMとJN-IPS27G165U-HSPについて比較しながら紹介してきました。
両者は価格が3倍近く異なるので、単に性能だけを比べて優劣を語ることができません。予算に余裕があり、ROG Swift OLED PG27UCDMの性能を活かせるPCを所持しているのなら、ROG Swift OLED PG27UCDMを購入したほうが幸せになれる可能性が高いです。
ただ、そうでないのならJN-IPS27G165U-HSPのほうがおすすめ。
扱いやすいのもそうですが、性能にも機能にも過不足が一切ありません。価格と比べると、むしろ性能が高く機能も豊富です。
コスパ重視ならJN-IPS27G165U-HSP、活かせる環境があり性能重視ならROG Swift OLED PG27UCDMという選び方がおすすめだと言えます。