ROG Xbox Ally X 購入レビュー! AAAタイトルもプレイ可能・手に持てる超本格ゲーミングPC

ASUSのポータブルゲーミングPCの新作、ROG Xbox Ally Xが発売されました。

これまでも2作出してきたROG Allyシリーズの最新作で、Xboxと名前のつく通り、Xboxとの連携機能などが充実しているのが特徴です。廉価版のROG Xbox Allyと、強化版のROG Xbox Ally Xの2機種がラインナップされています。

私は強化版のROG Xbox Ally Xを購入しました。

本記事では、そんなROG Xbox Ally Xについてレビューしていくので、ぜひご参照ください。

目次

ROG Xbox Ally Xの基本的な仕様

まずは、ROG Xbox Ally Xの基本的な仕様について紹介していきます。ROG Xbox Ally Xのスペックとデザインが気になる方は、ぜひご参照ください。デザインはボタン配置なども込みで、簡単に解説していきます。

ROG Xbox Ally Xのスペック

  • CPU:AMD Ryzen AI Z2 Extreme
  • GPU:AMD Radeonグラフィックス(CPU内蔵)
  • メモリ:24GB LPDDR5Xオンボードメモリのみ
  • ストレージ:1TB SSD(PCIE 4.0×4接続 NVMe/M.2)
  • 液晶サイズ:7.0型ワイドTFTカラー液晶
  • 液晶表面処理:グレア
  • 解像度:フルHD(1920×1080)
  • タッチパネル:搭載
  • 最大リフレッシュレート:120Hz
  • 電源:Type-C 65W ACアダプター(20V/3.25A)
  • 重量:約715g
  • サイズ(突起部除く):幅290.0mm×奥行き121.0mm×高さ27.5~50.9mm

以上が、ROG Xbox Ally Xのスペックです。

CPUには、高性能プロセッサーのAMD Ryzen AI Z2 Extremeが使われています。8コア16スレッドのRyzenシリーズによくある構成で、シングルコア性能が特に高いのが特徴です。ゲーム向きのCPUだと言えます。

ただ、マルチコア性能も高く、作業適性もあるのが良いところです。

そのうえ、AI処理に使うNPUも搭載されています。

さらに、ストレージの増設が可能です。初期から1TBのSSDが搭載されており、必要十分な容量があると言えます。重めのゲームを複数インストールしても、耐えられる程度です。

軽めのゲームであれば、当面は困ることがありません。

ROG Xbox Ally Xのデザイン

ROG Xbox Ally Xは、ハンドヘルドゲーム機らしいデザインです。スティック部分にはRGBライティング機能があり、華やかな印象があります。

全体的なデザインは良い意味で無骨で、どの場所でも馴染みやすいです。RGBライトをオフにしておけば、外出先で使っていてもそれほど目立ちません。

背面にはROGシリーズのロゴがありますが、給気口で作られているので、ロゴが目立たないのもデザイン面の魅力のひとつです。そのうえ、給気口と排気口が多く空けられているので、冷却機能に不安がありません。

さらに、ABXYボタンの左側にはライブラリボタンとメニューボタンを配置。

左スティック右側には、表示ボタン、コマンドセンターボタン、Xboxボタンを配置しています。

それぞれ押し間違いにくい位置ですが、押したいときにはスムーズに押せるのが良いところです。

背面には、マクロボタンが2つ搭載されています。

サイズが小さく、誤入力しにくいのが良いところです。

グリップはXBOXコントローラーを意識したデザインスタイル。

非常にグリップがしやすく、疲れづらくなっているのも良いところです。

ROG Xbox Ally X ベンチマーク

ROG Xbox Ally Xの性能をベンチマークしてみました。使用したベンチアプリはCinebench 2024と3DMARK(Steel Nomad Light)、モンハンワイルズベンチです。

Cinebench 2024

まずCinebench 2024の結果です。

Cinebenchは、ドイツのMaxon社が提供するCPU性能測定の定番ベンチマークソフトで、映画制作などでも使われる3Dレンダリングエンジン「Cinema 4D」をベースに、CPU単体でどれだけ複雑な3Dシーンを描けるかをスコア化しています。

  • Single Core(シングル):1つのコア性能。アプリやOSの軽快さ、Web表示速度などに影響。
  • Multi Core(マルチ):全コアを使った総合性能。動画編集、画像エンコード、3Dレンダリングの処理速度に直結。

今回の測定結果では、マルチコア 754 pts、シングルコア 112 pts というスコアを記録。

この数値は、前世代のRyzen Z1 Extreme(=Ryzen 7 7840U相当)から約10〜15%の性能向上が見られ、AMDの新世代AIアクセラレーションを内蔵するRyzen AI Z2 Extremeの実力を感じさせます。

シングル性能ではApple M1 Max(113 pts)とほぼ同等で、マルチ性能でも現行のCore Ultra 9 288VやRyzen 9 8945HSに迫る水準。

モバイルCPUとしては非常にバランスが良く、携帯型ゲーミングPCでありながら、クリエイティブ用途でも十分に通用する処理能力を備えています。

3DMARK(Steel Nomad Light)

つづいて、3DMark「Steel Nomad Light」でのベンチマーク結果です。3DMarkは、ゲーミングPCやハンドヘルド機のGPU性能を定量的に測定できる定番ベンチマークソフト。

今回のテストでは、スコア3426・平均25.38FPSを記録しました。

この結果から、AMD Radeon 890M Graphics(RDNA3.5世代)を採用したROG Xbox Ally Xは、軽量級ゲームはもちろん、描画負荷の高い3Dタイトルでも設定次第で動作する実力を持ち合わせています。

また、FSR(FidelityFX Super Resolution)や最新のAV1ハードウェアエンコード対応により、配信・録画用途でも優れたパフォーマンスを発揮します。

性能帯で言えば、モバイル版RTX 3050に近く、RTX 1650より明確に上位。携帯機サイズながら、デスクトップエントリーGPU並みの性能を実現している点は印象的です。

モンハンワイルズ

モンスターハンターワイルズの公式ベンチマークを、ROG Xbox Ally Xで実施。設定はフルHD・最低画質。CPUはRyzen AI Z2 Extreme、GPUはRadeon 890Mです。

フレーム生成をオフにした状態では、平均38.8fps前後。動作は安定しているものの、若干のカクつきを感じます。

一方で、FSRによるフレーム生成をオンにすると平均は約71fpsに上昇。ベンチマークではなく実際のモンハンワイルズをプレイした際も70fps程度で安定していました。

70fps出せると滑らかさについてはストレスなくプレイ可能。

プリセットは最低のため、美しいモンハンワイルズを楽しめるわけではありませんが、モンハンワイルズ級のゲームを遊べるのには驚かされます。

Radeon 890M(RDNA3.5)はZ1 Extreme世代よりも描画効率が向上しており、発熱も適切に抑えられている印象。携帯機サイズのまま、ここまでの3D性能を発揮できるのは純粋にうれしいです。

ROG Xbox Ally Xの良いところをレビュー

ここまで、ASUS ROG Xbox Ally Xの基本的な仕様について紹介してきました。今度は、ROG Xbox Ally Xの良いところをレビューしていきます。CPUの性能や使い勝手、機能の利便性などについて気になる方は、ぜひご参照ください。

Ryzen Z2 Extreme搭載で重い作業も快適

ROG Xbox Ally Xには、Ryzen Z2 Extremeが搭載されています。ハンドヘルド型デバイス向けの新型CPUです。

合計8コア16スレッド構成で、シングルコア性能が高いのが特徴。

ただ、マルチコア性能もミドルクラスゲーミングPC以上の性能があります。ノート向けの高性能CPUであるRyzen AI 9 HX 370と比べても、シングルコア性能はRyzen Z2 Extremeのほうが上、マルチコア性能もほんの少し下回る程度です。

さらに、Ryzen AI 9 HX 370は12コアで、Ryzen Z2 Extremeは8コア。

この差がありながら、性能が肉薄しているのが魅力的です。電力効率が非常に高いので、バッテリー持ちの良さにも貢献しています。

ゲームはもちろん、重い作業でも使いやすいです。

また、Ryzen Z2 ExtremeにはAI作業のためのNPUが搭載されています。

AIを使った作業など幅広く使えるので、外出先での作業用PCとしてもおすすめです。

RTX3050並の性能の内蔵GPUを搭載

ROG Xbox Ally Xに搭載されているCPU内蔵グラフィックは、RTX3050並の性能があります。

RTX3050は2世代前のエントリークラス向けのGPUですが、多くのゲームの最低要件を満たしているのが魅力的です。

画質設定を低めにすれば、AAAタイトルでもプレイできます。画面が小さいこともあって、画質設定を落としてもあまり気にならず、十分綺麗に見えるので、安心です。

さらに、CPU性能も高いため、CPU負荷率が高くなりがちな2Dゲームやサンドボックスゲームなどでも、何の心配も要りません。2Dも3Dも快適に遊べます。

軽めのインディーゲーム専門機にするもよし、AAAタイトルを寝転びながら遊ぶ用にするもよし、幅広い需要に対応できるポータブルゲーミングPCです。

外付けGPUにも対応している

ROG Ally X(2024)では非対応になりましたが、初代Allyには外付けGPUのための端子がありました。

ROG Xbox Ally Xでは、外付けGPUに再び対応しています。

ROG XG Mobileという別売りの機器に接続すると、最大でGeForce RTX 5090 Laptop相当の性能が追加されるのが良いところです。これは、ノートPC向けGPUとしては、2025年時点では最高峰の性能だと言えます。

重量級のAAAタイトルを画面設定を下げずに快適に遊べるうえに、動画編集やAI作業などでも困ることがありません。

さらに、ポート類も増えるので、一石二鳥です。

別売りではありますが、純正周辺機器で活用の幅がさらに広がるのは本機の大きな魅力のひとつだと言えます。

クラウドからでもコンソールからでも遊べる

ROG Xbox Ally Xは、Xboxとの連携機能が充実しています。

まず、Xbox Cloud Gaming(ベータ版)を使えること。クラウドから直接ゲームを遊べるので、インストール不要なのが良いところです。ストレージを圧迫しにくいうえに、遊びたいゲームをすぐに遊べます。

さらに、Xboxコンソールにインストールされている対応ゲームもプレイ可能です。

これまでPCやXbox本体でインストールしてきたゲームを、同じように遊べます。

そして、Xbox Game Passにも対応。

そのうえ、Steamなどのゲームも一元で管理可能です。

ほかにも、Windows PCに標準搭載されているXbox Game Barも利用可能。

Xbox本体やWindows PCで普段からXboxストアなどを利用している方にとっては、非常に使い勝手の良いポータブルゲーミングPCだと言えます。

バッテリー持ちが良い

モードに寄ってCPUの負荷を細かく設定できるのが特徴

ROG Xbox Ally Xには、80Whの大容量バッテリーが搭載されています。

そこはROG Ally X(2024)と同じですが、重要なのはCPUの電力効率の高さです。

前世代のパフォーマンスモードと同等の性能を、省電力なサイレントモードでも発揮できます。

これによって、より長く遊べるようになっているのが良いところです。

動画再生時は約13.9時間、アイドリング時は約22時間の連続稼働時間になっています。ゲームプレイ時はゲームの重さによって短くなることがありますが、軽いゲームであればROG Ally X(2024)よりも長時間のプレイが可能です。

もちろん、普段使いであれば、全く困ることがありません。

持ち運んでスマホより大きな画面で手軽に動画が見たい場合や、ブラウジングがしたい場合にも使いやすいです。

デュアルSmart Ampで内蔵スピーカーでも高音質

デュアルSmart Ampは、音量の向上と歪みの抑制を両立しているのが特徴のアンプです。

スピーカーへの長期的なダメージを防ぎつつ、2基のスピーカーを最大音量で駆動させられる仕組みになっています。このおかげで、歪みを抑制しながら大音量を確保できるのが魅力的です。

動画・映画・音楽鑑賞、ゲームプレイはもちろん、オーディオの作成などにも使いやすくなっています。

さらに、スピーカー音量を最大350%アップできるのも魅力的。

音域全体の音量を上げられるので、クリアな高音とパワフルな低音を両立できるのもデュアルSmart Ampの良いところです。

内蔵スピーカーや、イヤホン直挿しなどでも十分な音量と音質でコンテンツを楽しめます。

AMD FreeSync Premium搭載の高品質ディスプレイ

ROG Xbox Ally Xには、AMD FreeSync Premium搭載の高品質ディスプレイが採用されています。

AMD FreeSync Premiumは、画面のズレや画面のカクつきをなくし、120Hzのリフレッシュレートを保証する同期技術です。

リフレッシュレートは、1秒間に画面に表示される画像の枚数のこと。PC側ではフレームレートと呼びます。

モニターのリフレッシュレートと、PCが出そうとしているフレームレートは、かけ離れすぎていると不都合が発生するのが特徴です。画面がずれて見えたり、カクついて見えたり、ひび割れて見えたりすることがあります。

AMD FreeSync Premiumに対応していれば、GPUのフレームレートとモニターのリフレッシュレートを自動で同期させて、これらの不具合を防げるのが魅力的です。

さらに、フレームレートがモニターのリフレッシュレートの最低値を下回ったとしても、先述の不都合を防ぐことができる低フレームレート補正にも対応しています。

これは、同じフレームを複数回表示させることで画面のズレやカクつきを防ぐ機能です。

こうした補正機能のおかげで、幅広いゲームを快適に遊べます。

ROG Xbox Ally Xの気になる点をレビュー

ROG Xbox Ally Xの良いところについて、レビューしてきました。高性能かつ高品質で、Xboxとの連携機能も魅力的。とはいえ、一部には気になる点もあります。

そこで今度は、ROG Xbox Ally Xの気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。

重いゲームは画質設定を下げる必要がある

ROG Xbox Ally Xは、重いゲームでは画質設定を下げる必要があります。

CPU性能はハイエンド並ですが、内蔵GPUの性能はエントリークラス並です。最新の重量級AAAタイトルを遊ぶ場合は、画質設定が高いままではフレームレートが落ちすぎてしまいます。

最低でも60fps付近は確保しなければ、動きが明らかにカクカクとしてしまいかねません。ゲーム酔いの原因にもなるので、フレームレートの確保は重要です。

そのために、ある程度は画質設定を下げる必要があります。

なお、参考までにモンハンワイルズにてグラフィックプリセット最低にて、フレーム生成をOnにした場合70fps程度でプレイ可能です。

フレーム生成をOffにすると35~40弱程度。

重めのゲームを遊ぶ際はフレーム生成技術を活用していくことをおすすめします。

画面が光沢仕様

ROG Xbox Ally Xのディスプレイは、光沢仕様です。

光沢ディスプレイは画面が美しく見えるというメリットがありますが、外光が映り込んで気が散るというデメリットもあります。暗くなると自分の顔や背景が映り込み、光源からの光を画面が反射しやすくなるので注意が必要です。

700g越えは重たい

ROG Xbox Ally Xは実測で712gあります。

実際にゲームプレイしていると、ずっしりとくる重さがあり、どこかに立てかけたりして重さを逃がさないと長時間のプレイは難しいはずです。

コントローラー部分が握りやすくなったことで、重さを感じづらくなった感はありますが、重たいことに変わりはありません。

ROG Xbox Ally Xはこんな方におすすめ!

  • XboxストアやGame Passをよく使う方
  • 幅広いプラットフォームでゲームを買う方
  • 重めの作業にも使いたい方
  • ゲーム用と外出時の作業用を両立させたい方
  • 小さくて軽いサブPCが欲しい方

ROG Xbox Ally Xは、以上のような方々におすすめです。

本機はハンドヘルド型ゲーム機としてのクオリティが高いうえに、作業用のポータブルPCとしても高品質。

まず、ゲーム面ではXboxとの連携機能が非常に便利です。Xboxストアで購入したゲームやXboxにインストールしているゲームはもちろん、Game Passやクラウドのゲームも遊べます。

そのうえ、Xbox関連以外のプラットフォームのゲームも管理できるのが良いところです。

設定をある程度下げれば、最新のAAAタイトルにも対応可能というのも魅力的。幅広いゲームを寝転びながら遊べます。

さらに、高性能CPUを搭載しており、作業面も快適です。

まとめ

本記事では、ROG Xbox Ally Xについてレビューしてきました。

ポータブルゲーミングPCとしては非常に高性能なCPUを搭載しているうえに、Xboxとの連携機能が充実しているのが良いところです。

重たいゲームでも設定を落とせば60前後のfpsを稼げるため、大抵のゲームは、ストレスなく遊べます。

そのうえ、外付けGPUを使えばさらに幅広いゲームを快適に遊べたり、内蔵アンプの性能が高かったりとさまざまな魅力があります。

外出時や寝ながらなど場所を選ばずゲームがしたいという方にはもちろん、作業用のサブPCとして興味がある方にも非常におすすめです。

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