EPOMAKER QK108は、長時間の作業に使いやすいコトコト系のメカニカルキーボードです。
5層のフォームとガスケットマウントを組み合わせた構造になっており、底付きの柔らかな打鍵感とコトコトとした打鍵音が特徴的。スイッチはWisteriaリニアとSea Salt Silentの2種類から選択でき、どちらも優れた打鍵感です。
本記事では、そんなEPOMAKER QK108について詳しくレビューしていきますので、ぜひご参照ください。
なお、今回はWisteriaリニアスイッチ搭載モデルを基準に紹介していきます。
EPOMAKER QK108の基本的な仕様を紹介

まずは、EPOMAKER QK108の基本的な仕様について紹介していきます。本機のスペックとデザイン、スイッチの種類について詳しく知りたい方は、ぜひご参照ください。
EPOMAKER QK108のスペック
- 配列:英語配列
- サイズ:フルサイズ(104キー)
- 接続方式:2.4GHz/Bluetooth/有線
- バッテリー容量:8000mAh(4000mAh×2)
- 最大バッテリー駆動時間:229時間(RGB&画面オフ)
- 対応OS:Mac/Win/Android
- ケース素材:ABSプラスチック
- プレート素材:PC
- スタビライザー:プレートマウント
- マウント構造:ガスケットマウント
- 5層の吸音フォーム搭載
- キーキャップ素材:PBT
- キーキャップ製造技術:昇華印刷
- キーキャッププロファイル:Cherryプロファイル
- キックスタンド搭載
- ポーリングレート:1000Hz(USB/2.4GHz)、125Hz(Bluetooth)
- 重量:1.18kg
以上が、EPOMAKER QK108のスペックです。
英語配列のフルサイズキーボードで、テンキーが付いています。ゲームにおいてはマウスの距離が遠くなるなどのデメリットがありますが、事務作業や執筆作業、コーディング作業などには使いやすいです。
もちろん、動画編集などのファンクションキーを多用するクリエイティブな作業にも使いやすくなっています。
さらに、バッテリー駆動時間が最大229時間と長かったり本体の内部構造が優れていたり、特徴的なキーボードです。
そして、キーキャップの印字が昇華印刷なのが魅力的。RGB機能のあるメカニカルキーボードで一般的なダブルショットより耐久性が高く、長期間使っても印字が剥げにくいです。
EPOMAKER QK108のデザイン

EPOMAKER QK108のデザインは、レトロかつ現代的な印象。
英数字キーは白色、機能キーは薄めのグレーになっています。往年のOACDキーボードを思わせるような配色に、スペースバーやエンターキーなど随所に淡い水色を入れているのが可愛らしいです。

さらに、右上のノブとスクリーンが現代的な印象を与えています。

レトロで可愛いデザインに、現代的な機能の格好良さも併せ持っており、個性的なデザインです。
EPOMAKER QK108のバリエーション

EPOMAKER QK108には、2種類のスイッチバリエーションがあります。
それぞれのスペックは、以下の通りです。
【Wisteriaリニア】
- 種別:リニアスイッチ
- 作動圧力:45±3gf
- 底打ち圧力:62±5gf
- プリトラベル:2.0±0.3mm
- 総トラベル:3.6±0.3mm
- 光拡散板:あり
【Sea Salt Silent】
- 種別:静音リニアスイッチ
- 作動圧力:45±5gf
- 底打ち圧力:51±5gf
- プリトラベル:1.8±0.4mm
- トータルトラベル:3.5±0.4mm
- 上ケース:透明PC
- 下ケース:ライトブルーPA66
- ステム:イエローPOM
- 防塵設計
本記事で紹介するWisteriaリニアスイッチは、一般的なリニアスイッチといった印象があります。特徴的なのは、底打ち圧力の大きさです。
押し始めは軽めですが、底に近づくにつれて重くなっていきます。この特性のおかげか反発力がしっかりとあり、高速タイピングしやすいです。
そのうえ、重くなる点がハッキリとあるため、底打ちせずに指が自然と離れやすくなっています。黒軸などを除いてリニアスイッチではやりにくいとされている撫で打ちが比較的やりやすいのが、良いところです。
EPOMAKER QK108の良いところをレビュー
EPOMAKER QK108のスペックなどについて、紹介してきました。スペック上でも本機の特徴はある程度読み取れますが、打鍵感などはスペックだけではわかりません。そこで今度は、EPOMAKER QK108の良いところについてレビューしていくので、打鍵感や打鍵音、使い心地などについて気になる方は、ぜひご参照ください。
フルサイズで作業に使いやすい

EPOMAKER QK108はフルサイズキーボードなので、作業に使いやすいのが良いところです。
ファンクションキーやテンキーなど、作業に重宝するキーが全部揃っています。事務作業はもちろん、執筆作業やコーディング作業にもテンキーがあると便利な場面が多いです。
動画編集ソフトや3Dモデリングソフトを使う方にとっても、テンキーとファンクションキーがあるのは嬉しいポイント。
そのうえ、キーマッピングの変更も可能です。テンキーを使わない場合は、テンキーに異なる機能を割り当てれば、作業効率を上げられます。
使えるキー数が多いので、レイヤーを分ける必要がなく、自分好みの機能を持たせやすいのが作業用キーボードとしての大きなメリットです。
5層フォーム設計とガスケットマウントの優れた打鍵音
EPOMAKER QK108には、5層の吸音フォームが搭載されています。
PCプレートの下にシリコンダンピングパッド、ラテックスフォーム、IXPEパッド、吸音フォームがしっかりと組み込まれているのが良いところです。
PCB基盤を挟み込むようにしてフォームが積み重なっており、その大部分は上側にあります。

この構造によって、打鍵時の衝撃と底打ち音、バネ音を効果的に吸収しているのが良いところです。
これらのフォームとガスケットマウントによって、コトコトとした心地良い打鍵音を実現しています。
Wisteriaスイッチは決して静音性の高いスイッチではありませんが、ほかの搭載機種と比べても比較的落ち着いた音という印象です。夜中に使っても、それほど気になりません。

また、スタビライザーの音などもしないので、スペースバーとエンターキーの音も比較的静かです。
安定感と沈み込みのバランスがいい疲れにくい打鍵感

EPOMAKER QK108はガスケットマウントを採用しており、打鍵時にわずかに沈み込むようになっています。
この沈み込みが、ガスケットマウント最大の特徴であり利点です。打鍵時にプレートが沈み込むことによって、打鍵時に指に伝わる衝撃を分散してくれます。
メカニカルキーボードは長時間使っていると指が痛くなることがありますが、これのおかげで長時間作業していても指先が痛くなりにくいです。
さらに、打鍵時の安定感もしっかりと感じられます。
ガスケットマウントキーボードは安定感に欠ける製品も多いですが、本機は重量がしっかりとあるうえに5層のフォームで内部がしっかりと詰まっているため、安定性が非常に高いです。
打ちやすいうえに長時間タイピングしても疲れにくいので、作業に最適なキーボードだと言えます。
ノブとスクリーンが便利で楽しい

EPOMAKER QK108には、ノブとスクリーンが搭載されています。
ノブを使えば、音量調整やスクロールなどが可能です。ノブの機能もカスタマイズできるので、自分にとって使いやすいように調整できます。
さらに、スクリーンは日付の確認やバッテリー状況の確認などの機能が使えるので、非常に便利です。バッテリー状況の確認は特に、無線で使っている場合には充電が必要なタイミングがわかるので便利。

そして、画像やGIFを表示させることもできます。
便利に使ったり楽しく使ったり、活用幅が広い機能です。
VIA対応でキーマッピングの自由度が高い

EPOMAKER QK108は、QMK/VIAに対応しています。
これは、Webブラウザ上で簡単にキーマッピングを変更できるサービスです。
VIAを使えば、キーの機能をマウス操作で簡単に変更できます。フルサイズキーボードの全てのキーを使うという方は珍しく、人によっては使わないキーも多いですが、それらを全てマクロなどに変更することで、便利に使えるのが良いところです。
特に優れているのが、Mod-Tap機能に対応している点。
これは、キーを短押しと長押しで機能を分けることができる機能です。
たとえば、英語配列の左右altの短押しにIME ON/OFFを設定しておき、長押しにAltを設定しておけば、英語配列でも変換無変換キーと同じように入力言語の切り替えができます。
それでいて、Altキーのショートカットも使えるのが魅力的。
こうした自由度の高いキーマッピングができるので、作業効率を最大化させられます。
バッテリー駆動時間が長い
EPOMAKER QK108は、バッテリー駆動時間が長いです。
- RGB&画面オン:28時間
- RGBオン/画面オフ:35時間
- RGBオフ/画面オン:89時間
- RGBオフ/画面オフ:229時間
RGBライティングと画面を両方オンにしても、28時間と比較的長めになっています。
画面オンでRGBをオフにした場合は、89時間にまで伸びるので、本機の良さを最大限楽しみたいもののバッテリー駆動時間も確保したいという場合には、画面のみオンにするのがおすすめです。
両方オフにすれば、229時間も持ちます。
高機能な無線メカニカルキーボードのなかでは、比較的長時間使えるので、無線派でも安心です。
EPOMAKER QK108の気になる点をレビュー
EPOMAKER QK108の良いところについて、レビューしてきました。打鍵感と打鍵音が良いだけでなく、QMK/VIAに対応している自由なキーマッピングなど、魅力が豊富です。ただ、一部には気になる点があります。そこで今度は、EPOMAKER QK108の気になる点についてもレビューしていくので、ぜひご参照ください。
フルサイズだからゲームには不便

EPOMAKER QK108はフルサイズキーボードなので、ゲームには少々不便です。
キーボードとマウスが遠くなるため、両方に手を置いた状態では肩を大きく開く必要があります。長時間のゲームプレイにおいては、疲れやすくなるのが難点です。
さらに、デスクによってはマウスの可動範囲を広く取りにくいのも大きな難点。狭いデスクだとマウスの可動域が狭まってしまい、気がつけばマウスとキーボードが激突してしまいかねません。
作業用としては非常に便利ですが、ゲーム用としては不便な点が目立ちます。
ただ、MMOなど使うキー数が多いゲームでは使いやすいです。
あくまでも、FPSとTPSには不便という程度なので、遊ぶゲームジャンルによってはゲーム用でも十分使えます。
マウス作業が多い場合は肩が凝りやすい

EPOMAKER QK108は、マウス作業が多いと肩が凝りやすいです。
マウスとキーボードとの距離が遠いので、手の移動距離が長くなります。これによる肩と腕の負担は意外と大きく、長時間かつ長期的に積み重なると肩こりに繋がってしまいかねません。
さらに、キーボードとマウスを同時に使うような場面では、肩を大きく開く必要があり、これも肩こりに繋がる可能性があります。
EPOMAKER QK108はこんな方におすすめ!

- 作業用キーボードを探している方
- 長時間タイピングしても疲れにくいキーボードが欲しい方
- 自由度の高いキーマッピングを楽しみたい方
- 作業効率を高めたい方
EPOMAKER QK108は、以上のような方々におすすめです。
本機は、作業用キーボードとして非常に優れています。不足感がまったくないフルサイズキーボードで、なおかつQMK/VIAに対応しているため、作業効率の最大化に役立てることが可能です。
そのうえ、長時間タイピングしていても疲れにくい構造と打鍵感なので、在宅で長時間作業を行う方には最適だと言えます。
もちろん、単純に打鍵感と打鍵音が良いキーボードが欲しい方にも、おすすめです。
まとめ

本記事では、EPOMAKER QK108の良いところと気になる点について、レビューしてきました。
本機はゲーム用として考えると不便な点が目立ちますが、作業用として考えれば非常にクオリティが高く、メリットが多いキーボードです。ゲームに使うとしても、ゲームと作業を同じキーボードで完結させたいという方にはおすすめできます。
長時間の作業を快適に行えるキーボードが欲しい方や、打鍵感と打鍵音に優れているキーボードが欲しい方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

