ゲーミングモニターには、リフレッシュレートというものがあります。これは、1秒間に何枚の画像をモニターに表示させるかを示す値のことです。
ゲーミングモニターのリフレッシュレートは、製品によって60Hz・75Hz・144Hz…とさまざま。
高リフレッシュレートが持てはやされていますが、ゲーミングモニターは75Hzで十分という意見もあります。確かにゲーム機によっては60Hzまでしか出ないこともあるので、十分と言えるかもしれません。
ただ、人によって最適なリフレッシュレートは変わります。
そこで今回は、ゲーミングモニターは75Hzで十分なのかどうか、144Hzとの違いはどれだけあるのかについて解説しましょう。
ゲーミングモニターのリフレッシュレート・75Hzと144Hzの違いは?
ゲーミングモニターは144Hzが最も人気です。最近では200Hz以上のモニターも登場しています。ただ、75Hzのモニターを使う方も大勢います。この二つにどれだけの違いがあるのかによって、75Hzで十分かどうかもわかるはず。そこでまずは、ゲーミングモニターの75Hzと144Hzの違いとそれぞれの利点について紹介します。
75Hzモニターの方が安い
75Hzモニターと144Hzモニターとの違いを比べたときに、75Hzモニターの優位性は価格にあります。
75Hzのゲーミングモニターは、価格が安い製品が多いです。フルHDの144Hzゲーミングモニターは、3万円以上する製品がたくさんあります。もちろん中には安い製品もあるものの、リフレッシュレート以外の性能が抑えられておりコストカットされている製品が多いです。
一方75Hzのゲーミングモニターは、WQHDでも3万円以下に抑えられている製品が多い傾向があります。フルHDなら1万円台から候補が出てくるので、安いです。
144Hzモニターの方が映像が滑らか
144Hzモニターと75Hzモニターとを比べた際の144Hzモニターの利点は、映像が滑らかだという点です。
144Hzは、1秒間に144枚の画像を表示させます。パラパラ漫画やアニメーションのように、枚数が多くなるほどに映像は滑らかになるものです。75Hzモニターと比べて、倍近くリフレッシュレートが高いので、当然映像は圧倒的に滑らかになります。
さらに、映像が滑らかになることにより、敵の動きがよりわかりやすくなるなどの利点が生まれるのも魅力的です。ゲームによっては、144Hzのゲーミングモニターを使うだけで勝率が伸びることもあります。
ゲーミングモニターは75Hzで十分って本当?
ゲーミングモニターの75Hzと144Hzとの違いについて、簡単に解説しました。
75Hzモニターはリフレッシュレートが低い代わりに、高解像度でも比較的安価な点がメリットです。リフレッシュレート以外の性能が高くても、144Hzモニターよりは安価になります。
一方144Hzモニターは、映像が滑らかになりFPSゲームなどでの勝率が上がるのが利点です。
では、ゲーミングモニターは75Hzで十分かどうか。
それを考えるには、ゲーミングPCの性能およびゲームジャンルとリフレッシュレートとの関係について知る必要があります。
まず、ゲーミングPCの性能。モニターのリフレッシュレートは、出力側であるPCの性能によって大きく影響されます。
PC側で1秒間に何枚の画像を表示させるかを示す指標は、フレームレートというものです。fpsで表されます。PC側で144fpsを出せなければ、144Hzモニターを購入してもモニターの映像は144Hzになりません。
常に144Hzで安定させられる性能のPCとなると、30万円前後かかります。現状、RTX 3060 Ti以上の性能が必要です。張り付きとなると、RTX 3070は欲しいところ。
そうなると、PCの価格は安くて20万円台後半です。
FPSをメインでプレイする方で、勝率を上げたいという目的がある場合は、144fpsを出せるPCを購入したうえで144Hzモニターを購入するのがおすすめです。75Hzと144Hzとでは、明かな違いがあります。
ただ、RPGなどフレームレートをあまり重視しないゲームをメインにプレイする方は、75Hzのゲーミングモニターで十分です。
RPGは75Hzも出せれば、十分すぎるほど映像が綺麗かつ滑らかに見えます。
つまり、「144fpsで安定させられない環境の方」や「フレームレート重視ではない方」は75Hzゲーミングモニターで十分だということです。
75Hzのゲーミングモニターの選び方
75Hzのゲーミングモニターがおすすめなのはどんな方なのかについて解説しましたが、モニターはリフレッシュレート以外にも見るべきところがあります。リフレッシュレートが抑え気味なので、他の性能は高い製品を選ぶのが快適なゲーム環境を構築するうえでは重要です。
そこで今度は、75Hzゲーミングモニターの選び方について簡単に紹介していきます。
解像度はフルHD・WQHDがおすすめ
解像度は、フルHDとWQHDがおすすめです。
フルHDは、ゲーミングモニターでは最も基本となる解像度。過不足がなく、動画鑑賞や映画鑑賞でも十分に綺麗な映像が楽しめます。製品の数が多く、性能の幅も広いのがポイントです。
WQHDは、フルHDより1段階上の解像度。フルHDと比べてドット数が多く、作業領域が広いのが特徴です。画面の表示領域が広くなるので、ゲームをより大きな画面で楽しめます。作業スペースも大きくなるため、作業用としても使いやすい解像度です。
また、2022年9月にPS5がWQHD出力に対応したこともあり、ゲーミングモニターとしてWQHDを選ぶユーザーも増えています。
画面サイズは解像度に合わせて選ぼう
画面サイズは、解像度に合わせて選びましょう。解像度というのは、画面に表示されるドットの数を表しています。解像度が高くなるほど、同じイラストでも表示サイズが大きくなりますが、同じことがモニターの画面でも起きるのがポイントです。
解像度と比べて画面サイズが小さすぎると、縮小されたような画面表示になります。文字やアイコンなどが小さくなるので、注意が必要です。
フルHDとWQHDならどれくらいがいいの?という質問を受けることがありますが、フルHDは21インチ以上、WQHDは27インチ以上をお勧めします。
応答速度は1msを基準にして選ぼう
応答速度は、1msを基準にして選びましょう。
応答速度というのは、モニターが映像信号を受け取ってから実際に映像を表示させるまでの時間のことです。これが遅いと、前の画面が少し残っているかのような残像感が発生します。
残像感が視認できなくなるくらいの速度が、1ms以下です。
75Hzモニターでも、これだけの応答速度があればゲームが非常に快適になります。
リフレッシュレート同期機能をチェック
リフレッシュレート同期機能をチェックするのも、非常に大事です。
FreeSyncやG-Syncといった名前が付けられています。
これらは、PC側で出力したフレームレートに合わせて、モニターのリフレッシュレートを自動調整する機能です。PC側の出力フレームレートと、モニターのリフレッシュレートが合っていないと、画面にひびが入ったような映像になることがあります。
リフレッシュレート同期機能があれば、ひび割れのような映像が改善されるので重要です。
75Hzゲーミングモニターのおすすめ2選!
75Hzのゲーミングモニターの選び方について、解説してきました。75Hzモニターは60Hzや144Hzと比べると、製品数自体はやや少ないです。そこから気に入る製品を見つけなければなりません。
今度は、そんな75Hzモニターのなかから、特におすすめな製品を2つに厳選して紹介していきます。
JAPAN NEXT JN-IPS238FHDR-C65W
- 解像度:フルHD
- 画面サイズ:23.8インチ
- リフレッシュレート:75Hz
- 応答速度:1ms
- 液晶パネル:IPS
- 表面処理:非光沢
- Type-C給電対応
- ハブ機能対応
- コントラスト:1000:1
- 表示色:1677万色 sRGB86%
- FreeSync対応
- フリッカーフリー対応
- ブルーライト軽減モード対応
- HDR10対応
- VESA100×100対応
- スピーカー搭載
本機は、23.8インチの75HzフルHDゲーミングモニターです。
液晶パネルには、視野角が178度の広視野角IPS系パネルを採用しています。どの角度から見ても、色やコントラストに変化が起きません。コントラスト比も高く、表示色も多いです。正確性もsRGB86%なので、ゲームや映画を鮮やかな映像で楽しむのには十分な性能があります。
そのうえ、HDR10にも対応。従来のSDRよりも、画面の明暗がよりハッキリとします。より綺麗かつ臨場感のある映像が楽しめるので、ムービーが多いRPGなどにもぴったり。
さらに、Type-C給電ができるのが特徴です。
そして、FreeSyncなど各種ゲーム向け機能に対応しています。リフレッシュレートを調整したり、画面のちらつきを抑えたりできるので非常に快適です。
全体的に性能が高く、75Hzでも快適に使えるフルHDモニターとして非常におすすめですよ。
JAPAN NEXT JN-T27WQHD-C65W
- 解像度:WQHD
- 画面サイズ:27インチ
- リフレッシュレート:75Hz
- 応答速度:2ms
- 液晶パネル:TN
- 表面処理:非光沢
- コントラスト比:1000:1
- 表示色:1677万色
- FreeSync対応
- フリッカーフリー対応
- ブルーライト軽減モード対応
- Type-C 65W給電対応
- VESA100×100対応
本機は、27型WQHDデスクワーク液晶モニターです。利便性に性能を振り分けているので、ゲームと仕事・作業を同じモニターで快適に行いたいという方におすすめ。
解像度は画面の表示領域が広いWQHDです。画面サイズも27インチと大きいので、より作業スペースを広く取ることができます。ゲーム映像も大画面で見られるので、迫力満点です。
さらに、Type-C給電にも対応しています。ノートPCと一本のケーブルで繋げて、簡単に外付けモニターとして使えるのも本機の魅力のひとつです。
応答速度が2msになっているなど、ゲーム向けの性能はやや控えめではありますが、ゲーム向けの各種機能はしっかり搭載されています。
ゲームの場合、RPGや一人用アクションゲーム向きです。これらのゲームジャンルをメインで楽しむ方で、仕事や作業にも使える実用性を重視したい方には最適な75Hzゲーミングモニターですよ。
75Hzのゲーミングモニターに関するよくある質問
ここまで、75Hzゲーミングモニターのおすすめ製品や選び方などについて紹介してきました。最後に、75Hzゲーミングモニターに関するよくある質問の答えを解説していきます。わからないことがある方は、ぜひご参考ください。
60Hzと75Hzの違いは体感できる?
60Hzと75Hzの違いは、十分に体感できます。
流石に75Hzと144Hzほどの劇的な違いはありませんが、60Hzより75Hzのほうが若干滑らかに動いていると感じられることが多いです。マウスカーソルの動きを見ると、よりわかりやすく体感できます。
75HzのゲーミングモニターでFPSはプレイ可能?
75Hzのゲーミングモニターでも、FPSは十分プレイ可能です。
FPSを快適にプレイするための最低基準は、60fps(60Hz)だとされています。これより低くなると快適性を損ないますが、75Hzは60Hzより若干滑らかなのがわかる程度には高いので、十分快適です。
ただし、144Hzのように敵の動きが非常に滑らかに見えてゲームに有利になるというほどではありません。
あくまでも、エイムなど快適なゲームプレイの妨げにはならないといった程度です。
それでも、実力があれば高リフレッシュレートで戦っている人よりも勝率を高くすることは十分可能ですよ。
まとめ
ゲーミングモニターは75Hzで十分だという意見がありますが、実際に人によっては十分なリフレッシュレートだと言えます。
ゲームはRPGや一人用のゲームがメインだという方や、マルチプレイはしても競技系のゲームではないという方には75Hzでも十分です。ゲーミングPCの性能が144fpsを常に維持するのに足りない場合でも、75Hzがおすすめ。
ただ、製品によってリフレッシュレート以外の性能や特徴はさまざまです。
さまざまな75Hz対応ゲーミングモニターのなかから、自分に合うものをしっかりと選び、快適なゲーム・作業環境を構築しましょう。