Razerから2021年に新たに発売された65%サイズのゲーミングキーボード、BlackWidow V3 Mini HyperSpeed です。
BlackWidow V3 Mini HyperSpeedは、65%サイズのキーボードであるとともに、Razerの誇るHyperSpeed低遅延ワイヤレス接続&BLUETOOTH接続にも対応。軸はグリーンスイッチとイエロースイッチの2種類、日本語配列モデルと英語配列モデルがラインアップされています。
私は日本語配列をチョイス。軸はリニアタイプで静かなイエロー軸にしました。
この記事では Razer BlackWidow V3 Mini HyperSpeedについてレビューします。
65%サイズのキーボードが生みだすもの
キーボードのサイズには、フルサイズキーボード、フルサイズからテンキー部分を削ったテンキーレスサイズのキーボード、そして方向キー部分までをも削った60%サイズのキーボードなどがあります。
キーボードのみの操作性で考えればフルサイズキーボードが一番使いやすいですが、狭いスペースでフルサイズキーボードの設置が難しかったり、また、ゲーミング時においてはキーボードが大きいとマウスの操作性を損ねるため、コンパクトなTKLサイズや60%サイズのキーボードを使用する方が増えてきています。
私もそうでしたが、コンパクトな60%キーボードを使い始めると、マウスの操作スペースを広く確保できる観点からゲーミング時の操作性は抜群です。
気づけばTKLサイズすら大きく感じてしまい60%サイズから離れられなくなるほど重宝しています。
しかし60%キーボードにもデメリットがあり、ゲーミング以外の普段の使用時の操作性は確実に落ちます。
もちろんFNキーとの組み合わせによりフルサイズやテンキーレス同様の操作は可能ですし、60%キーボードだけを使っていれば慣れますが、独立したキーが配列されているキーボードに敵うものではありません。
そういった中で登場し、人気を集め始めているのが65%サイズのキーボードです。
65%キーボードとは、60%サイズのキーボードの右側に1列追加し、方向キーとDelate、Page Up、Page Downキーなど頻繁に操作するキーだけを配置したものです。
サイズ感としては60% → 65%と、5%分横に広がっただけですが、方向キーが独立して配置され、Delateキーがあるだけで、操作性が確実に上がります。
どれくらい変わるかというと、TKLサイズの操作感とほぼ変わらないレベルで操作性が高まると言っても過言ではありません。少なくとも自分はそう感じました。
それくらい方向キーやDelateキーは日常の使用頻度が高いです。
さて、省スペースで使いやすい事で話題になり始めている65%キーボードですが、これまで日本語配置の65%キーボードがほぼ発売されていませんでした。
今回、Razerから発売されたBlackWidowは、英語配列と合わせ日本語配列もラインナップされたため、65%キーボードを使用してみたいけど、英語配列は厳しいと感じていたユーザーにとって最高のサプライズだったはずです。
スペック紹介&レビュー
- 65% 小型のフォームファクタ
- Razer HyperSpeed Wireless 技術
- Razer Hyperspeed のマルチデバイスサポート
- Razer メカニカルスイッチ
- ダブルショット ABS キーキャップ
- 最大 200 時間のバッテリー持続時間
- Razer Chroma RGB 対応
それぞれの特徴を写真と合わせ紹介していきます。
操作感
BlackWidow V3 Mini HyperSpeedの操作感ですが、60%と比較すると一気に操作感が高まります。TKLサイズから65%への移行も、さほどストレスはなく移行できるはずです。
また、日本語配列モデルが発売されているので、日本語配列しか使用したことが無い方であっても大丈夫です。
ただしBackSpaceやEnterキーとその右側についたDelateキーの列の間にスペースが無いため、BackSpaceとDelateの打ち間違いなどタイプミスが頻繁に起こります。
一般的なサイズのキーボードではBackSpaceがその島の一番右上に配置されています。その配置に馴染んでいるわけですから、慣れるまでは苦労する事覚悟しておいた方が良いです。
Razerイエロースイッチの打鍵感
BlackWidow V3 Mini HyperSpeedは、押下圧50G、アクチュエーションポイント1.9mmの「Razer グリーンメカニカルスイッチ」と、押下圧45G、アクチュエーションポイント1.2mmの「Razer イエローメカニカルスイッチ」の2種類から選択が可能です。
軸色 | グリーン | イエロー | オレンジ |
作動点 | 1.9mm | 1.2mm | 1.9mm |
押下圧 | 50g | 45g | 45g |
キーストローク | 4.0mm | 3.5mm | 4.0mm |
特徴 | クリッキー | リニア | タクタイル |
Razerでは前提としてメカニカルスイッチとオプティカルスイッチの2種類のスイッチがラインナップされていますが、BlackWidow V3 Mini HyperSpeedではメカニカルスイッチを採用しています。
オプティカルスイッチは光でキャッチすることから、ワイヤレス型のキーボードではバッテリーの配慮が必要なため不向きです。そういった観点からメカニカルスイッチが採用されたのでしょう。
ちなみにオレンジ軸は発売されていません。Razerのオレンジ軸は普段のタイピングにも非常に適した打鍵感で人気なので、オレンジ軸の発売を心待ちにされている方も多いのではと感じます。
さて、イエロー軸は、Cherry MXでいうところの赤軸を通り越してシルバー軸に近いポジションです。
45gの軽さと合わせて1.2㎜という短い作動点で、瞬時の操作を求められるゲーミングには申し分ないスペックです。
打鍵時のスコスコとした柔らかい感触も心地よく、打鍵音も静かであるため音を気にせずにゲームやタイピングが行えます。底打ち音もほぼありません。
ただ、作動点の短さと軽さの影響で、タイプミスは起こりやすく感じます。
ゲーミングには申し分ありませんが、タイピングをメインに考えたいのであれば、イエロー軸は考えた方が良いかもしれませんね。
グリーンはスイッチとしてはタイピングに適していますが、音がうるさいので環境配慮が必要です。
そういった事を考えると、オレンジ軸の登場が気にならざるえません。
遅延の無いRazer HyperSpeed Wireless
本キーボードの特徴は、Razerの誇るHyperSpeedワイヤレスに対応している事。HyperSpeedワイヤレスは低遅延性の安定性を兼ね備えたワイヤレス技術であるとともに、一つのレシーバーで複数のデバイスを接続することが出来ます。
このUSBレシーバー1つで、キーボードとマウスの両方を接続可能。USBポートの枯渇を防ぐことが出来るのはありがたいですね。
なお、Razer BlackWidow V3 Mini HyperSpeed とペアリングできるマウスは以下の3種類です。
- Razer DeathAdder V2 Pro
- Razer Naga Pro
- Razer Orochi V2
実際にHyperSpeedでワイヤレス接続してみた感想ですが、一切の設定の必要なくレシーバーをUSBポートに差し込んだ瞬間に接続されます。
合わせて入力遅延を一切感じさせないため、有線接続と何ら変わらない感覚でキーボード操作が可能です。
キーボードは一度配置してしまうと、動かす事は少ないので、普段はバッテリーを気にする必要のない有線接続がベースになりますが、持ち運びを頻繁に行う方、少しでも机の上をシンプルにしたい方は重宝するのではないでしょうか。
また、Bluetoothでは最大3台のデバイスとの接続が可能なので、セカンドPCやタブレットなどの接続はBluetoothで行う使い方も可能です。
まとめ
Razer BlackWidow V3 Mini HyperSpeedをレビューしてきました。
改めてこのキーボードの特徴を纏めると、
- 65%サイズのコンパクトキーボードであり、方向キーやDelateなどが配置されたことで操作性が高いこと
- BackSpaceとDelateキーの間にスペースがあまりないため、慣れるまでは押し間違えが生じる
- 日本語配列が選択可能で、これまで日本語配列を使用していた方でも移行しやすい
- イエロー軸はゲーミング時の操作には申し分ないが、通常のタイピングではミスを誘発しやすい
- Razerのワイヤレス技術がずば抜けており、ワイヤレス接続でもストレスなく使用できる
- Bluetoothも活用することで、複数のデバイスを1台のキーボードで操作することが可能
メリットデメリットそれぞれありますが、日本語配列でゲーミングに特化した65%ワイヤレスキーボードを考えるのであれば他の選択肢は少ないです。
使いこなすまでにある程度の慣れと時間は必要ですが、使いこなせれば最大の武器になる事間違いありません。