近年、有機ELモニターの人気が高くなってきています。有機ELパネルを搭載した製品にも、ゲーム性能が高い製品や解像度が高い製品も増えており、価格も一昔前と比べれば手頃です。
ROG Swift OLED PG27UCDMは、4Kの高解像度かつゲーム性能も高い有機ELモニターです。
本記事では、そんなROG Swift OLED PG27UCDMについてレビューしていきます。
ROG Swift OLED PG27UCDMの基本的な仕様
まずは、ROG Swift OLED PG27UCDMの基本的な仕様について紹介していきます。スペックや外観、付属品などについて簡単に解説するので、ぜひご参考ください。
スペック
・パネルサイズ:26.5インチ
・アスペクト比:16:9
・色空間(sRGB):145%
・パネル種類:QD-OLED
・最大解像度:4K(3840×2160)
・表面仕様:アンチリフレクション
・輝度(最大):450cd/㎡
・コントラスト比(標準):1,500,000:1
・表示色:1073.7M(10bit)
・視野角:H:178°/V1178°
・応答速度:0.03ms(GTG)
・最大リフレッシュレート:240Hz
・フリッカーフリー対応
・HDR10対応
・ブルーライト軽減機能対応
・シャドウブースト対応
・PIP/PBP対応
・KVM対応
・DisplayPort2.1×1
・HDMI(v2.1)×2
・USB-C×1(DP Alt Mode)
・イヤホンジャック搭載
・USB Hub:3x USB 3.2 Gen1 Type-A
・スピーカー:なし
・VESAマウント:100×100
以上が、ROG Swift OLED PG27UCDMの簡単なスペックです。
パネルサイズは、26.5インチ。フルHDモニターでは一般的なサイズですが、4Kモニターとしては小さいサイズです。文字やアイコンが小さく見えてしまうというデメリットがありますが、大きいモニターよりも画質がよく感じられるというメリットがあります。
ブルーライト軽減機能、フリッカーフリー機能などゲーミングモニターに欲しい機能は一通り揃っているのもよいところです。
さらに、シャドウブーストなどASUSのモニターによく搭載される機能もしっかりと備えられています。
全体的に不足感のないハイスペックなモニターです。
外観

ROG Swift OLED PG27UCDMは、ゲーミング製品らしいデザインです。
前面は、上部および左右のベゼルが狭いのが特徴的。

ベゼルが狭いことによって、映像の臨場感が高くなります。複数モニター環境を作る場合も、マウスの移動の違和感などが減るのがよいところです。
さらに、操作部分にROGシリーズのロゴがあります。これにより下部ベゼルも比較的狭くなっているのが、よいところです。


ただ、操作部分が出っ張ってしまうのは賛否が分かれるところだと言えます。
背面はもゲーミングモニターならではのデザインです。

ROGシリーズのロゴが大きくライトアップされます。

そのうえスタンド部にもギミックが隠されており、ゲーミングデバイス好きにはモチベーションの上がるデザインです。
付属品

- 本体
- スタンド
- DPケーブル
- DP2.1ケーブル
- HDMI Ultra high Speed Cable
- 電源ケーブル
- クイックスタートガイド
- ROGポーチ
- ROGステッカー
- USB 3.2ケーブル
- USB-Cケーブル
- VESAマウントキット
- 保証書
以上が、ROG Swift OLED PG27UCDMの付属品です。
本機に備えられているポートに対応したケーブルが、一通り付属しています。DPケーブル関連は付属しないモニターが多いので、嬉しいところです。別途ケーブルを購入しなくとも、HDMIやDPで接続できます。
ケーブル類は届いたときはポーチに納められており、使わないケーブルはそのままポーチに入れておけばかさばりません。
さらに、スタンドの機能も豊富です。

- 高さ調整:0~110mm
- スイベル:+30°~-30°
- チルト:+20°~-5°
ピポット:+90°~-90°
左右の角度、前後の角度、高さ調整などをしっかりと行えます。
またピボットという縦への回転にも対応していますが、縦にした際にでも高さ調整やスイベル・チルト調整が可能なのがうれしいところです。

モニターアームがあったほうが快適なのは確かですが、アームが無くとも十分快適に使用可能です。
付属品およびスタンドの機能が充実しているので、モニター導入時に別途購入するものを抑えられます。
ROG Swift OLED PG27UCDMの良いところをレビュー
ここまで、ROG Swift OLED PG27UCDMの基本的な仕様について紹介してきました。今度は、ROG Swift OLED PG27UCDMの良いところについて、レビューしていきます。
画面の綺麗さや使い勝手などについて詳しく知りたい方は、ぜひご参考ください。
4Kの高解像度で画面が綺麗かつ作業しやすい

ROG Swift OLED PG27UCDMは、4K解像度のモニターです。
解像度というのは、画面に表示されるドットの数のこと。ドット数が多くなればなるほど、より高精細に画面を表現できるので、画像や映像の画質が向上しているように感じられます。
そのうえ、26.5インチという4Kにしては小さいディスプレイサイズに多くのドットを詰め込むため、画面の粒感が無くなり映像がより美しく見えるのがよいところです。
さらに、解像度が高くなると画面の表示領域が広くなります。同じ26.5インチでも、フルHDより画面を広く使えるのが特徴です。
そのため、作業がしやすくなります。複数のウインドウを横に並べて作業することが多い方には特に、使いやすいです。
QD-OLEDパネルで映像が綺麗

ROG Swift OLED PG27UCDMは、QD-OLED(有機EL)パネルを採用しています。
有機ELのメリットは、色鮮やかな表現が得意なことです。色の表現が美しくなることによって、映像がより綺麗に見えるようになります。
他にも、応答速度が速かったり視野角が広かったりメリットが大きいです。視野角の広さは、斜めから見たときに映像が劣化しないということ。モニターに対して斜めに座ることがある方や、複数人で同じ画面を見ることがある方には快適です。
一方、焼き付きが起こりやすいというデメリットがあります。
同じ画面を表示させ続けると、その画面がモニターに焼き付いてしまい、違う画面を見ていても焼き付いた画面が薄っすらと見え続けてしまうことがあるので注意が必要です。
とはいえ、注意して使っていれば問題はありません。
防止策としては、同じ画像を長時間表示しないようにすることや定期的に電源を切ることなどが挙げられます。
しっかりと防止していれば、映像の綺麗さなどのメリットのほうが大きいです。
補正技術などを多数搭載している

ROG Swift OLED PG27UCDMには、補正技術が多数搭載されています。
まず、ROG OLEDアンチフリッカー2.0。前世代のパネルより、画面のちらつきを最大20%抑えています。画面のちらつきが非常に少ないので、目が疲れにくく、敵の動きを追いやすいのがよいところです。
ゲームをより快適に楽しめます。
さらに、輝度補正アルゴリズムも搭載。
リフレッシュレートが変動する際、入力遅延を増やさずリフレッシュレートも落とさないように明るさを保つという補正機能です。画面の明るさ、リフレッシュレート、入力遅延全てが一定に保たれます。
そして、リフレッシュレートキャップも搭載。
これは、画面のちらつきを軽減するためリフレッシュレートを制限する機能です。High/Mid/Offの3つのモードがあり、それぞれ選択できます。
これはROGシリーズには前からあった機能ですが、本機に搭載されているものはそれぞれのリフレッシュレート範囲がより広くなっているのが特徴です。より個人の好みに合わせやすくなっています。
リフレッシュレートや応答速度などゲーム性能が高い

ROG Swift OLED PG27UCDMは、リフレッシュレートや応答速度などのゲーム性能が高いです。
4Kモニターというと、ゲーム性能は控えめな製品が多い傾向があります。4Kはゲームよりも作業向けの需要が高いのが理由です。
とはいえ、近年は4Kに対応しているゲームも多くなってきています。
本機は、最大リフレッシュレートが240Hz、応答速度が0.03msとゲーム性能が非常に高いです。

リフレッシュレートは、1秒間に画面に表示される画像の枚数のこと。多くなればなるほど、映像が滑らかになります。ゲームにおいては、敵の動きをより読みやすくなったりキャラクターや背景の動きがよりリアルになったりと恩恵が大きいです。
応答速度は、画面の色が切り替わるのにかかる時間のこと。
数値が小さいほど、速いということになります。応答速度が速くなると、映像の残像感が軽減されるのが特徴です。残像感が減ることで、より映像がくっきりと、かつ滑らかに見えます。
このように高いゲーム性能を誇っているため、高性能ゲーミングPCと組み合わせれば4Kでも快適なゲーム体験が可能です。
ストレスフリーの操作性

ROG Swift OLED PG27UCDMは、操作性が良好です。
まず、Neo Proximityセンサーを搭載しています。これは、モニターに近づくと電源が自動でオンになるシステムです。センサーで人を検知して、自動で電源がつきます。
離席した際にモニターの電源を消しても、すぐにオンになるため作業にスムーズに戻れるのがよいところです。
さらに、メニュー操作などはジョイスティックで行えます。ボタンを連続で押すタイプよりも直感的に操作しやすいです。
全体的に、操作性にストレスがありません。

色性能が高くカラーモードも多彩

ROG Swift OLED PG27UCDMは、色性能が高いです。
まず、コントラスト比が非常に高くなっています。これは有機ELパネルの特性のひとつです。
コントラスト比は、画面の最も明るい部分と最も暗い部分の差のこと。コントラスト比が高くなればなるほど、映像にメリハリが生まれます。そのうえ、色の表現もより深くなるのがよいところです。
白いところをより白く、黒いところをより黒く表現できます。
さらに、本機は色域が広いです。sRGB規格で定められている色の範囲を145%再現できます。100%を超えているということは、sRGB規格で定められている範囲よりも広く表現できるということです。
表示色も多く、コントラスト比も高く、非常に優秀な色性能を有しています。
ゲーム映像をより楽しめるだけでなく、イラスト制作などの作業にも使いやすいです。
さらに、カラーモードも多彩。Adobe RGB、sRGBなどの複数のカラーモードから選択できます。基本的にはsRGBで使うのが最もよいですが、用途や環境に合わせてほかのモードも選べるのは魅力的です。
そして、HDR10やDolby Visionなどの拡張技術にも対応しています。
HDR10は、映像の明暗や色彩をよりリアルに表現する技術のことです。
Dolby Visionは、映像の輝度、色、コントラストなどを拡張する技術のこと。元から高い色性能とコントラストをより拡張できるうえに、HDR10でよりリアルな映像表現までできます。
全体的に映像美に関しては、トップクラスの性能を誇るモニターです。
ポート類が豊富で使いやすい

ROG Swift OLED PG27UCDMは、ポート類が豊富です。
一般的なHDMI 2.1だけでなく、DP2.1、USB-C(DP Alt Mode)に対応しています。
DP2.1は、高解像度かつ高リフレッシュレートの映像をより安定して伝送できるのが良いところです。本機の性能をフルに活かしたい場合は、この接続方法がおすすめ。
USB-C(DP Alt Mode)は、Type-Cを使ってDP信号を送信する機能のことです。

USB-Cを擬似的なDPとして使えるので、Type-C接続でも解像度やリフレッシュレートが損なわれないのがよいところ。
このように、多種多様な接続方法に対応しているため、どのような環境・機器でも対応できます。
Windows PCはもちろん、Mac、ゲーム機、スマホなどさまざまなデバイスで使用可能です。
さらに、Type-C給電は90Wまで対応しています。90Wもの出力があれば、性能が比較的高めのノートパソコンへの給電や充電も可能です。
また、KVM機能のためのUSBハブも搭載しています。
近年はカットされがちなイヤホン端子もあり、キーボード・マウス・イヤホンなどを近くで接続できるというのも本機の大きな魅力です。
配信環境をモニタで構築可能なねじ穴がスタンドについている

ROG Swift OLED PG27UCDMのスタンドには1/4ねじ穴が開いており、こちらにカメラや照明などを設置することが可能です。
取り付けるのにはアタッチメント用のネジが別途必要になりますが、好みのカメラを設置することが可能なのでよりこだわった配信を構築することが可能。
下の写真ではジンバルを介してスマホを設置したものですが、正面から自分を撮影したり照明を当てたりできるのもありがたいですね。

ちなみにアタッチメント用のネジですが、下の写真のようなものが必要になります。

1/4オス – 1/4 オスのネジでアマゾンで600円程度で販売されていますので、必要に応じて購入ください。
ROG Swift OLED PG27UCDMの気になる点をレビュー
ここまで、ROG Swift OLED PG27UCDMの良いところについてレビューしてきました。
映像が綺麗でゲーム性能が高く、色性能も非常に優秀。機能面や技術面も充実しており、魅力に溢れています。
ただ、一部に気になる点があるのも事実です。そこで今度は、ROG Swift OLED PG27UCDMの気になる点について、レビューしていきます。
4K240Hzの性能を引き出すにはスペックの高いPCが必要

しかしRTX5080環境であってもフレームレートは100fps程度しか出すことができない
4K・240Hzは2025年現在発売されているモニターの中で最高クラスのスペックを誇るモニターです。このスペックを引き出すには強いGPUを搭載したPCが必要になります。
もちろん映像クオリティを落とせば240Hzの恩恵を得られるゲームもありますが、それでは4Kモニターを使う意味がなくなります。
RTX5080クラスのGPUにて、APEXなど軽めのゲームやサイバーパンク2077などであれば4K240Hzの恩恵は受けられます。
しかしモンハンワイルズやフォートナイト(最近は映像クオリティ高くなってFPS稼げない)などのゲームだと、高めのグラフィック設定ではせいぜい100FPS程度しか稼げません。
ROG Swift OLED PG27UCDMの性能を引き出すには、RTX5080以上のGPUを搭載したPCがないと厳しいため、コスト的な負荷も高くなります。
ロゴマーク投影機能は賛否が分かれる

ROG Swift OLED PG27UCDMには、ロゴマーク投影機能があります。
スタンドの真下にROGシリーズのロゴを赤い光で投影する面白い機能ですが、人によっては鬱陶しく感じることもあるのがネックです。メーカーやブランドのロゴが目立つのを嫌う方、光るゲーミングデバイスがあまり好きではない方は注意しまっしょう。
スタンド使用時の奥行きはそれなりに取られる
スピーカーは非搭載
ROG Swift OLED PG27UDMは、スピーカーを搭載していません。
イヤホン端子があるのでイヤホンやヘッドホンを接続できますが、逆に言えばそれらがないと音が出せないということです。
とはいえ、モニターの内蔵スピーカーの多くはおまけ程度のもの。出力も低く音質もあまり良くはないので、内蔵スピーカーの有無に関わらずイヤホンなどを使うのがおすすめです。
ROG Swift OLED PG27UCDMはこんな方におすすめ!

・ゲーム性能が高い4Kモニターが欲しい方
・色性能が高いモニターが欲しい方
・さまざまな機器で使いまわしたい方
・ゲームと作業兼用のモニターを探している方
ROG Swift OLED PG27UCDMは、以上のような方々におすすめです。
本機は、全体的に性能が高いのが魅力。4Kという高解像度で、240Hzのリフレッシュレート、0.08msの低遅延とゲーム性能が高いです。
そのうえ、有機ELパネルを搭載しており色性能も優秀。各種補正機能や色彩モードなども備わっており、有機ELパネル自体のデメリットを除けば隙がありません。
ゲーム用だけでなく、作業用としても十分に使いやすいモニターです。
まとめ
本記事では、ROG Swift OLED PG27UCDMについてレビューしてきました。
本機はゲーミングモニターですが、全体的に性能が高くKVMやPIP/PBPなどの機能面も充実しているため、ゲームだけでなく作業など幅広い用途で快適に使えます。ゲームと作業の両方を行う方や、高性能なゲーミングPC・クリエイターPCを持っている方であれば、本機を買って損することはありません。
ただ、それほど高い性能のPCを持っていない場合は、使いこなせない可能性が高いです。
本記事でレビューした内容などを参考にしながら、自分の環境や用途に合うかどうかをじっくり考えて、購入を検討しましょう。