JN-IPS27G1632UF-HSPは、JAPANNEXTが販売しているデュアルフレームレートモニターです。
フルHDと4Kで二つのフレームレートがあり、それを切り替えて便利に使えるのが最も大きな特徴。作業用とゲーム用で分けたり、同じゲームでもフレームレート重視とグラフィック重視で分けたりできるのが魅力です。
ただ、ほかにもさまざまな特徴があります。
そこで本記事では、JN-IPS27G1632UF-HSPについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
JN-IPS27G1632UF-HSPの基本的な仕様
JN-IPS27G1632UF-HSPの基本的な仕様について、まずは紹介していきます。JN-IPS27G1632UF-HSPのスペックとデザインについて解説するので、それらについて知りたい方はぜひご参考ください。
スペック
- 最大解像度:4K
- パネル種類:IPS
- パネルサイズ:27.0インチ
- 輝度:300cd/㎡
- コントラスト比:1000:1
- リフレッシュレート:フルHD@320Hz/4K@160Hz
- 応答速度:5ms/OD:3ms(GtoG)/MPRT0.5ms
- 視野角:H:178°/V:178°
- 表面処理:非光沢
- 表示色:10.7億色/sRGB:100%/DCI-P3:92%
- AdaptiveSync(FreeSync):対応
- フリッカーフリー:対応
- ブルーライト軽減モード:対応
- HDR10:対応
- MPRT:対応
- PIP/PBP:対応
以上が、JN-IPS27G1632UF-HSPの簡単なスペックです。
特徴的なのは、リフレッシュレートの高さ。フルHDで320Hzと、非常に高いリフレッシュレートを誇っています。
フォートナイトなどは、ミドルクラス以上のスペックがあればフルHDのパフォーマンスモードで200fpsを超えますので最適です。

さらに、4Kでも160Hzのリフレッシュレートがあります。4Kモードでは映像美を楽しめるゲームに重宝します。
個人的にはRTX5070クラスのPCであれば、モンハンワイルズのグラフィックプリセット高で90~100fps程度出せますのでちょうどよいバランスですい。

そして、FreeSyncなどゲーミングモニターに搭載されることの多い機能は軒並み搭載されているのも、良いところです。
さまざまな場面で扱いやすいゲーミングモニターだと言えます。
デザイン

JN-IPS27G1632UF-HSPのデザインは、非常にシンプルです。
ベゼルレスデザインで、上部・左右のベゼルが非常に狭くなっています。

見栄えが良いだけでなく、視界に余計なものが入りにくいためベゼルが太いモニターよりも没入感が高いのが良いところです。
さらに、複数枚のモニターを繋げて使う場合に、違和感を覚えにくくなります。ベゼルレスモニター同士で構成すれば、モニター間の移動がシームレスに行えるのが違和感がない理由です。
また、カラーリングはモニター本体が黒でスタンドがシルバーの構成。黒一色ではないのでスタンドが多少目立つものの、色の組み合わせとしてはシンプルで違和感はありません。

全体的にシンプルで、よくまとまったデザインです。
背面にはLEDライトが搭載されており、カラーグラデーションを演出できます。

落ち着いたグラデーションで違和感なく、また不要であれば消すことも可能です。
インターフェイスはHDMIx2とDPx2。

HDMIは2.1でDPが1.4の規格となっており、どれでつないでも4K160Hz/FHD320Hzのスペックを引き出せます。
JN-IPS27G1632UF-HSPの良いところをレビュー
JN-IPS27G1632UF-HSPのスペックとデザインについて、紹介してきました。スペックを見るだけでも本機の特徴がある程度わかりますが、スペック表だけでは見て取れない特徴もあります。
そこで今度は、JN-IPS27G1632UF-HSPの良いところについてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
デュアルフレームレートが便利

JN-IPS27G1632UF-HSPの最大の特徴でありメリットが、デュアルフレームレート機能です。
これは、二つの解像度と最大リフレッシュレートの組み合わせを切り替えられる機能のこと。
先述のように、FPSなどのフレームレートを重視したいゲームではフルHD@320Hzでプレイして、グラフィックを重視したいオープンワールドやアクションRPGなどでは4K@160Hzでプレイするといった使い分けができます。
さらに、作業時には4K、ゲーム時にはフルHDという使い分けももちろん可能です。ゲームを4Kで遊ぶにはスペックが足りないものの、普段使いでは4Kも使えるという性能のPCを使っている場合も、便利に使いこなせます。
そして、この二つの解像度とフレームレートをワンボタンで切り替えられるのが良いところです。
注意点があるとすれば、ゲームを起動する前に切り替えないといけない点。プレイ中に切り替えても反映されないので、注意しましょう。
とはいえ、ワンボタンですぐに切り替えられるので、プレイごとに切り替えるとしても苦になりません。
ちなみに下の動画は4K 160Hzと FHD 320Hzの切り替えのレスポンスをチェックする動画。
切り替えのボタンを押して、約4~5秒で切り替えられることが確認できます。
4Kに対応していて綺麗な映像と高い作業効率が得られる

JN-IPS27G1632UF-HSPの最大解像度は、4Kです。
解像度というのは、画面に表示されるドットの数のこと。ドットの数が増えれば増えるほど、画面が綺麗に見えるようになります。これは、高精細な描画が可能なためです。
同じゲームでも、フルHDより4Kのほうが風景のグラフィックがより綺麗に見えます。
ほかにも、作業領域が広がるというメリットがあり、作業でも4K解像度は便利です。作業領域が広がることによって、二つのウインドウを並べて作業する際に窮屈に感じません。
さらに、画面に表示できる情報の量が増えるため、動画編集ソフトなど情報量の多いソフトが使いやすくなります。タイムラインがフルHDよりも広く表示されるので、把握しやすいです。
綺麗な映像が見られるようになるだけでなく、高い作業効率も得られます。
そのため、ゲーム用としてだけでなく作業用として考えている方にもおすすめです。
IPSモニターとして比較的色性能が高め

JN-IPS27G1632UF-HSPは、IPSモニターとしては比較的色性能が高めです。
sRGB:100%、DCI-P3:92%と色域が広いのが特徴的。
色域というのは、ディスプレイが表現できる色の範囲のことです。これにはさまざまな規格があり、その規格の定める色域のうちどれだけの色を表現できるかを示すのに、パーセンテージを用いています。
つまり、JN-IPS27G1632UF-HSPはsRGB規格で定める色の範囲を全て表現でき、DCI-P3という規格で定める色の範囲の9割以上を表現できるということです。
この色域は、IPSモニターとしては比較的広め。IPSモニターはsRGBが90%台、DCI-P3が80%台後半というのが多いです。
PS5との120Hz接続に対応している

JN-IPS27G1632UF-HSPは、PS5との120Hz接続に対応しています。
PS5は最大120fpsのフレームレートを出せますが、それには対応したモニターが必要です。ただ120Hzを出せるだけでなく、PS5との120Hz接続に対応している必要があります。
具体的には、HDMI接続で120Hz以上が出せないといけません。
本機はHDMI接続でも120Hz以上が出せるので、PS5との120Hz接続ができます。
本体設定で120Hz接続を選択し、モニターと接続するだけでPS5のさまざまなゲームを120Hzでプレイ可能です。
マルチウインドウ機能が便利

JN-IPS27G1632UF-HSPには、PIPとPBPという二つのマルチウインドウ機能があります。
PIPは、ピクチャー・イン・ピクチャーの略です。二つの映像ソースのうち、メインのソースの画面の中にもう一つの映像ソースの画面を表示できる機能のこと。
イメージとしては、テレビ番組のワイプ表示に近いです。メイン画面でゲームを映しながら、サブ画面でDiscordなどを表示すれば友達との通話もゲームも快適に行えます。
一方PBPは、ピクチャー・バイ・ピクチャーの略です。

異なる二つの映像ソースの画面を左右に分けて、表示する機能のこと。左側にデスクトップPCの画面、右側にノートパソコンの画面を表示するという使い方ができます。
PIPと比べて、両方の画面を十分なサイズで表示できるので、作業などに最適です。
これらのマルチウインドウ機能が、作業時には非常に便利。二台のPCを使って作業をしているという方には特に、使いやすい機能です。
特に本機はもともと4Kの解像度があるため、PBPやPIP機能を活かせると感じました。
実用十分な機能を持った付属スタンド

JN-IPS27G1632UF-HSPの付属スタンドは、十分実用的な機能を持っています。付属スタンドはおまけ程度という製品も少なくありませんが、調整機能全てを備えているうえ、調整幅も十分広いです。
- チルト:-5°~+15°
- 高さ調整:125mm
- スイベル:R30°/L30°
- ピポット:R90°
チルトは、ディスプレイの角度を上下に調整する機能のこと。前後に傾けたり上下に角度を付けたりすることで、見やすい角度にできます。
スイベルは、左右首振り機能のこと。左右に角度を調整できるので、モニターを斜めに配置したいときに便利です。デュアルモニターを付属スタンドだけで実現するのに、よく使われます。
ピポットは、モニターの回転機能のこと。
縦モニターにできるので、ドキュメントファイルの閲覧などで便利です。

縦にしても高さ調整やスイベル、チルト調整が可能です。
これだけの機能を備えていれば、モニターアームがなくても十分快適に使えます。
JN-IPS27G1632UF-HSPの気になる点をレビュー
ここまで、JN-IPS27G1632UF-HSPの良いところについてレビューしてきました。本機はゲーム性能も高く作業向きの機能も搭載されており、あらゆる用途で使いやすいです。
ただ、一部には気になる点もあります。
そこで今度は、JN-IPS27G1632UF-HSPの気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参考ください。
Type-Cポートがない

最近のモニターは給電可能なType-Cポートが用意されていることが多いです。
給電可能なType-Cポートがあると、ノートPCを接続するだけで画面を映し出すだけでなく、給電もしてくれるので非常に便利です。
JN-IPS27G1632UF-HSPにはType-Cポートが容易されていないため、ノートPCと接続する際もHDMIなどで接続する必要があり、少し不便です。
PS5/switchなどのゲームコンソールやデスクトップ型PCのみを接続するユーザーは気にする必要はありませんが、MacBookなどノートPCも繋ぎたいという方は気にしておくポイントになります。
スピーカーはおまけ程度の音

JN-IPS27G1632UF-HSPの内蔵スピーカーは、2W×2という構成です。
性能は、おまけ程度に捉えておきましょう。出力が低いため音量が十分に取りにくく、常に音量を大きくする必要があります。
音楽を聴くにも配信を見るにもゲームをするにも、不十分です。
音が聞ける程度の役割で、それ以上の役割は求められません。
基本的には外付けのスピーカーやヘッドセットなどから音を出す事をお勧めします。
GTGで3mmの応答速度は若干遅め

JN-IPS27G1632UF-HSPの応答速度は、オーバードライブをした状態で、GtGで3ms。通常で5msです。
GtGというのは、ある中間色から別の中間色に変わる速度を示す数値のこと。一方のMPRTというのは、黒と白の移り変わりにかかる速度を示す数値のことです。
この特性上、GtGのほうが速いということになります。このGtGでオーバードライブをしても3ms、通常で5msというのは最近のゲーミングモニターのなかでは遅めです。
近年は、安価なIPSモニターでも1ms以下という応答速度を備えているモニターが増えてきています。一般的には、FPSなどで有利になる応答速度は1ms以下が基準とされているため、やや不利です。
ただしMPRTは0.5msと非常に高速のため、残像感は少なく動きが滑らかに見えます。
また、数値的には他のゲーミングモニターと比較してやや劣りますが、実際にプレイしてこの応答速度を気にするということはありません。
あくまで数値的にJN-IPS27G1632UF-HSPよりも応答速度が速いモニターもある程度に捉えてください。
JN-IPS27G1632UF-HSPはこんな方におすすめ!

- ゲームにも作業にも使いたい方
- 競技性の高いゲーム以外もよく遊ぶ方
- ゲームはフルHDが限界だけど4Kで作業がしたいという方
JN-IPS27G1632UF-HSPは、以上のような方々におすすめです。
基本的には、デュアルフレームレート機能に魅力を感じるかどうかが本機を買うべきかどうかの分水嶺になります。
ゲームをフルHDで遊んで作業を4Kで行うという方や、競技性の高いゲームとグラフィック重視のゲームを両方遊ぶという方は、デュアルフレームレートを使いこなしやすく、大きな価値があるモニターです。
ただ、競技性の高いゲームしかプレイしない方、ゲームにしか使わないという方にはあまりおすすめしません。
そのような方は、リフレッシュレートと応答速度の両方が高性能なモニターを購入するほうが、満足できる可能性が高いです。
まとめ

本記事では、JN-IPS27G1632UF-HSPについてレビューしてきました。
本機は非常に高性能なモニターですが、ただ高性能なだけでなくデュアルフレームレート機能を備えているのが大きな魅力です。応答速度には不満があるものの、それを補ってあまりあるほどの高フレームレートが得られるうえに、4Kで作業もしやすくなります。
ゲームと普段使いだけという場合でも、自分なりの使い分け方さえ見つかれば、本機は非常に快適です。
そのうえ、このような特徴的な機能を持った高性能モニターとしては比較的安価なのも良いところ。
二つの解像度とフレームレートの使い分けに興味がある方には、おすすめのゲーミングモニターです。