マウスコンピューターのハイスペックPCには、クリエイター向けのDAIVとゲーマー向けG TUNEの2種類があります。
他にもNEXTGEARというゲーミングPCブランドがあり、NEXTGEARはエントリークラスが豊富なシリーズということで違いがわかりやすいですが、DAIVとG TUNEはどちらも中堅クラスクラスからハイエンドクラスまで幅が広く、わかりにくいです。
本記事では、そんなマウスコンピューターのDAIVとG TUNEのデスクトップモデルの違いについて紹介していきます。
なお、G TUNEに関しては新筐体である新フルタワーを基準に比較していくので、新フルタワーが気になる方もぜひご参考ください。
今回比較に使用したG TUNEとDAIVのモデルは下記となります。
それぞれレビュー記事も上げていますので、あわせてごらんください。
- マウスコンピューター DAIVレビュー!RTX5070Ti・Core Ultra7 265Kを搭載したハイスペックPC
- G TUNE FG-A7G80 実機レビュー|RTX5080+9800X3D 新筐体ゲーミングPC
G TUNEはマウスコンピューターさんからお借りして比較しています。記載内容は2025年5月1日の情報となり、構成や価格など今後変動の可能性もございますので、ご了承ください。
DAIVとG TUNEのコンセプトの違い

G TUNEは、マウスコンピューターのゲーミングPCブランドです。ゲーマー向けに特化しています。
高い処理能力が必要なゲーム、グラフィック処理能力が必要なゲームを快適にプレイできるのが特徴です。FPS、MMORPG、その他一人プレイのゲームなど幅広いゲームジャンルに対応しています。
一方、DAIVはクリエイター向けPCブランドです。
グラフィックデザイン、生成AI、動画編集、イラスト制作、ゲーム制作などをする方には特に向いています。ハイエンドクラスは非常にスペックが高く、ゲーム制作でもカクつきなどがないのがよいところです。
ツクールやウディタ、Unityなどで同人ゲームやインディゲームを制作したい方にもおすすめのブランドだと言えます。
DAIVとG TUNEのデザインの違い

G TUNEは、デザインがゲーミングPCらしいです。
ガラスサイドパネルが標準で採用されており、内部構造が見えるようになっています。そのうえ、新フルタワーはどのモデルもLEDライティングを標準搭載しており、ブランドカラーである赤色のライティングが楽しめるのも大きな特徴です。

ライティングは、輝度を3段階で調整できます。もちろん、オフにすることも可能です。
ほかにも、フロントパネルがソリッドなオープンタイプになっているなどの特徴があります。

フロントパネルがオープンなグリル形状になっていることにより、空気を取り込みやすいなどの実用面のメリットもあるのが魅力的です。
ほかにもヘッドセットをかけられるギミックが用意されているのもGTUNE新筐体の面白いところ。

全体的なカッコよさ・ギミックの楽しさなどゲーマーの心に刺さるデザインに仕上がっています。
一方、DAIVのデザインは比較的シンプルになっています。

サイドガラスパネルもなく、フロントパネルも一部以外は密閉されています。縦にライン状に空気を取り込むためのグリルがある以外は、密閉型。静音性の高さが期待できます。

さらに、G TUNEにはないキャスタとハンドルが搭載されているのが大きな特徴です。ハンドルで少し持ち上げるだけで、キャスターを使った移動ができます。

そのうえ、ハンドル部分はラバーグリップで持ちやすいのがよいところです。
下の写真は内部構造。

特記すべきポイントはGPUの固定をサポートするVGAサポートバー。
いずれも標準装備されていますが、DAIV(左)は、ケースに固定された縦型の頑丈なVGAサポートバーで2枚のGPUであっても物理的にしっかり支えられる設計。
一方 G-TUNE(右)は、1枚のGPUをピンポイントで支える横向きのバーを採用。GPUの“たわみ防止”を狙った設計です。
ちなみにGPU2枚挿しは、下記のようなシーンで活用されてます。
- 生成AIやStable Diffusionなどで大量の画像生成を行う
- BlenderやDaVinci Resolveなどで高速な映像レンダリングを行う
- Deep Learningや科学技術計算でマルチGPUを活用する
総括してG TUNEは演出面で優秀であり、DAIVは実用面で優秀であるとともに、より高負荷な作業や拡張にも耐えうるプロユースを想定した設計のデザインとなっています。
DAIVとG TUNEのラインナップの違い【デスクトップ】
今度は、マウスコンピューターのDAIVとG TUNEのラインナップの違いについて紹介します。G TUNEは新フルタワーをメインにしますが、ほかのモデルについても軽く触れるのでぜひご参考ください。
G TUNEのラインナップ

G TUNEのデスクトップPCのラインナップは、ミニタワーからフルタワーを中心に多く取り揃えられています。
もちろん、新フルタワーもラインナップ数が豊富です。
ミニタワーはエントリークラスからミドルハイクラスまで、新フルタワーはハイエンドモデルがメインという違いがあります。新フルタワーは2025年4月時点で最も安いモデルで、約35万円という価格設定です。
もちろん性能も高いので、コスパは高い部類だと言えます。
また、公式サイトにミニタワーとフルタワーで別個表があり、表からCPUとGPUの組み合わせで選ぶことが可能です。


モデル数が多いですが、選びやすくなっています。
DAIVのラインナップ

DAIVのデスクトップPCは、クリエイターPCとワークステーションの2種類です。
クリエイターPCは名前の通り、クリエイター向けに構成されているPCのこと。ワークステーションは、業務用です。
業務用という幅が広い設定なので、ワークステーションにはゲームにあまり向かないグラフィック性能が低めのモデルから、ゲームにも使いやすいグラフィック性能が高いモデルまで幅広く揃えられています。
ただ、G TUNEと違いPCケースは1種類しかありません。
当然、性能が高いモデルに合わせてあります。サイズが大きいので、注意が必要です。G TUNEのように、ミドルクラスだからミニタワーでサイズ感が程よいということはなく、どの性能でも大きくなります。

置き場所が狭いという方には、不向きです。
とはいえ、キャスターと取っ手があるため重く大きいことを除けば移動に便利だと言えます。

イベント使用には最適です。



DAIVとG TUNEのCPU・GPUの違い
DAIVとG TUNEには、ラインナップされているCPUとGPUにも違いがあります。CPUとGPUのラインナップを比較することで、それぞれのブランドの特色がハッキリと見えてくるので、ぜひご参考ください。
G TUNEのラインナップ

G TUNEは、新フルタワーの場合、CPUはCore Ultraシリーズ、Ryzenシリーズの両方を網羅しています。
Ryzenシリーズは、価格に対してゲーム性能が高いのが特徴となっています。ゲームをメインで考えるならば、コスパの高いCPUが多いです。
一方、動画編集などのクリエイティブな作業に対する処理性能は、IntelのCPUに劣る傾向があります。処理速度は速いのですが、コア数とスレッド数が多くありません。
そのため、処理効率は程々です。
とはいえ、ゲーミングPCには向いています。
さらに、特徴的なのは新フルタワーに搭載されているIntelCPUがCore Ultra 7 265KおよびCore Ultra 9 285Kであることです。
Core Ultraは、Core iシリーズよりも性能が高いモデルになっています。最大の特徴はAI処理に特化した専用エンジンを搭載していることですが、電力効率や処理効率などの基本性能もCore iシリーズより高めです。
近年はゲーミングPCでも搭載されることが増えていますが、Core Ultraシリーズのみの採用は珍しいと言えます。
また、GPUはGeForceもRadeonもバランスよく採用されているのが特徴です。Radeonは新フルタワーの場合、最も安価なモデルでRX 7700XTが採用されています。
GeForceはRTX 5070 Tiが新フルタワーでの最安価です。
最も高性能なモデルには、RTX 5090が採用されています。
DAIVのラインナップ

DAIVは、クリエイター向けPCということもあり、CPUの選択幅が広いのが特徴です。
IntelならCore i~Core Ultraシリーズ、AMDならRyzen 5~Ryzen 9シリーズまでの選択肢がG TUNEと比べて多いのが特徴です。
処理性能重視のラインナップでありながら、Ryzenが欲しいというユーザーの需要にも寄り添っているのがよいところです。
また、GPUはIntelモデルもRyzenモデルも、どちらもGeForceシリーズのほうが数が多くなっています。GeForceのほうが基本的な性能と動作の安定性に優れているため、作業用PCとして好まれがちです。

一方、Radeonは鮮やかな色彩表現が得意なのでゲームやデザイン作業などに適しています。
どちらにも作業・ゲーム両方でメリットがあるので、好みと用途で選ぶのがおすすめです。
あわせてDAIVシリーズには、用途に応じて大きく2系統のGPUラインが用意されています。
- GeForce RTX/AMD Radeon RXシリーズ(コンシューマ向け):動画編集・ゲーム・AI画像生成に強い。性能コスパ重視
- RTX Aシリーズ(プロフェッショナル向け):CAD・3DCGレンダリング・AI研究など、安定動作や認証が重視される環境向け
プロフェッショナル向けのRTX Aシリーズが選択できるなど、総じて、DAIVはクリエイター向けPCというブランドコンセプトにある通り、処理性能を重視してラインナップされていると言えます。
DAIVとG TUNEのメモリ・ストレージの違い
CPUとGPUについて違いを解説してきましたが、今度はDAIVとG TUNEのメモリとストレージの違いをオプションも含めて、解説していきます。
どちらにも長所があれば短所もあるので、それぞれを比較しながらぜひご参考ください。
G TUNEのメモリとストレージ

G TUNEは、新フルタワーは最安価のモデルでもメモリを標準で32GB搭載しています。ストレージも2TBと、大きいです。
最も高価な100万円超えのモデルは、メモリ容量が64GBと大きくなっています。
一方、ストレージは2TBで据え置きです。
さらに、64GBのメモリを標準搭載しているモデルはフラッグシップを含めて3つあります。
また、カスタム時に選べるストレージはG TUNEは「SSD」2つと「SSDまたはHDD」」が1つです。
メモリは、128GBまで選べますが、ダウングレードはできません。
DAIVのメモリとストレージ

DAIVは、ミドルクラスの性能を持つモデルにも32GB標準搭載モデルが多く存在しています。G TUNEはゲーム性能が同程度であれば16GBというモデルが多いので、この点はDAIVはのよいところです。
ストレージも、標準で4TBを搭載するモデルもあります。
クリエイター向けPCという位置づけらしく、メモリとストレージは全体的に大容量です。
フラッグシップモデルは、標準で128GBのメモリを搭載しているのも大きな特徴となっています。
なお、Intel CPU搭載クリエイターPCには64GB標準搭載のラインナップがありません。Ryzen搭載クリエイターPC、ワークステーションモデルに64GBのラインナップがあります。
その点には注意が必要です。
とはいえ、カスタムできるのでそれほど気にするべきところではありません。
また、ストレージのカスタムは「SSD」2つ、「SSDまたはHDD」」が1つ、「内蔵HDD」」が選択できます。

G TUNEよりもストレージのカスタムの幅が広いです。
メモリに関しては、DAIVもG TUNEも同程度のカスタマイズができます。
そのほかのDAIVとG TUNEの違い

- 水冷クーラー:360mm(G TUNE)/240mm(DAIV)
- G TUNEにはDVDスーパーマルチドライブが標準採用(DAIVはオプション)
- G TUNEはSteamクライアントがインストール済み(DAIVは購入後自分で)
- 無線LAN:G TUNEはWi-Fi 6E、DAIVはWi-Fi 7にも変更可能
- 電源はいずれもRTX 5070 Tiまでは850W・RTX 5080以上は1200W(カスタムで選択可能)
以上が、そのほかのDAIVとG TUNEの違いです。
水冷クーラーが、G TUNEは360㎜の大型を搭載しており、DAIVのほうが240mmと小型になっています。240㎜でも一般的には十分ですが、冷却に関してはG TUNEに軍配があがります。。
続いてG TUNE新筐体とDAIVのサイズ比較です。
サイズ的にはさほど変わりませんが、重量はG TUNE新筐体のほうが4.6kgほど重たくなっており、実際持ち運ぶ際もずっしりときます。
- G TUNE:[本体]約240×500×479 [突起物含む]約240×500×510、約17.6kg
- DAIV:[本体]約220×510×510 [突起物含む]約220×530×525、約13.0kg


無線に関してはDAIVに軍配が上がります。Wi-Fi 6Eに標準対応しているだけでなく、Wi-FI 7にも変更可能です。Wi-Fi 7が使えるのは比較的珍しいと言えます。
作業時の通信安定性などを考慮したオプション設定です。
その他の注意点
ほかにも構成検討するうえで注意しておくべき点がありますので、解説します。
Intel or AMDでインターフェイス仕様が異なる・ネットワークやUSBに注意

G-TUNE・DAIVともに共通して、CPUにIntel製を選ぶかAMD製を選ぶかで、マザーボードの仕様(インターフェイス)が異なります。
特に注意すべきは【ネットワークとUSBポート】です。
- Intel CPUモデルは、10GBASE-T(10ギガビット)対応の有線LANポートが搭載
- AMD CPUモデルは、2.5GBASE-T(2.5ギガビット)対応の有線LANポートが搭載
2.5Gbpsでも通常のオンラインゲームやクラウド作業には十分な速度ですが、自宅に10GBASE-T対応のNASやルーターを用意しているなら、Intelモデルを選ぶことでネットワーク性能をフルに引き出すことができます。
またUSBポートの配置・種類にも違いがあります。たとえば、
- IntelモデルはThunderboltやUSB4端子を備えていることが多く、高速な外付けSSDや映像機器との接続に有利
- AMDモデルはUSBの数が多くUSB3.2 Gen2やType-Cはあるものの、拡張性の面でやや控えめな構成
そのため、動画編集やAI生成のようなデータ転送が多い用途では、Intel+10GbEモデルを選ぶことで快適性が大きく変わります。
ファン音の違い

G TUNE新筐体とDAIVのファン音を比較すると、圧倒的に静かなのがDAIVです。
G TUNEはアイドリング時からファン音が目立ちますが、DAIVのアイドリング状態では非常に静か。負荷のかかった時だけファンの音が大きくなる仕様です。
これはDAIVがクリエイター向けPCというジャンルであるため、作業に集中させることをコンセプトにファン音を抑えた設計になっているのだと感じます。
一方G TUNEはとにかく冷やす事をコンセプトに設計されていますので、ファン音はどうしても大きくなってしまいます。
静かなPCを選択したいのであればDAIVがおすすめです。
【結論】DAIVとG TUNEはそれぞれどんな人におすすめか

- DAIVはクリエイティブな作業をする方におすすめ
- G TUNEはゲームと簡単な普段使い/オフィス作業などにおすすめ
マウスコンピューターのDAIVとG TUNEをそれぞれどんな方におすすめするかということを考えると、結局コンセプト通りに落ち着きます。
G TUNEはゲーム向けに特化しているため、ゲームと普段使いで考えるのであればコスパが非常に高いです。
一方、クリエイティブな作業にも使うことを考えるとメモリやストレージなどの都合上、DAIVのほうがコスパが高くなるケースが多々あります。
グラフィック性能はミドルクラス程度でもよいという場合は、DAIVのほうが特に作業向けではコスパが高いです。
クリエイティブな作業に使うかどうか、ゲームをどれだけメインで捉えているかなどを考慮して決めましょう。
まとめ

本記事では、マウスコンピューターのDAIVとG TUNEの違いについて比較してきました。
G TUNEは新フルタワーをメインとして解説しましたが、もちろんミニタワーも使いやすいモデルが多いです。新フルタワーはハイエンドなゲーム性能が欲しい方向け、DAIVは幅広い性能のモデルのなかから自分の行う作業に最適なPCを見つけたい方向けだと言えます。
G TUNEとDAIVをどちらも比較しながら、自分に合うPCを探しましょう。
比較に使用したモデル
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