ASUS ROG Ally X(2024)レビュー! 操作性が良く利便性が高いポータブルゲーミングPC

ASUSのポータブルゲーミングPC、ROG Ally X。

初代ROG Allyを元にして、ユーザーの意見を取り入れて再設計されたアップグレードモデルです。高性能なCPUを搭載しているのはそのままに、バッテリーやメモリなどさまざまな部分が進化しています。

本記事では、そんなASUS ROG Ally Xの良いところと気になる点についてレビューしていくので、本機が気になっている方はぜひご参照ください。

目次

ASUS ROG Ally Xの基本的な仕様

まずは、ASUS ROG Ally Xの基本的な仕様について紹介していきます。ROG Ally Xのスペックと付属品、外観について気になる方は、ぜひご参考ください。

スペック

  • CPU:Ryzen Z1 Extreme
  • GPU:内蔵GPU
  • メモリ:24GB LPDDR5X-7500
  • ストレージ:1TB PCIe NVMe
  • 液晶サイズ:7インチ
  • アスペクト比:16:9
  • 解像度:フルHD
  • 最大リフレッシュレート:120Hz
  • 無線:Wi-Fi 6E
  • 重量::678g
  • バッテリー:アイドル時 最大22.4時間(80Wh)

初代モデルはメインメモリが16GBでしたが、ROG Ally Xでは24GBになっています。ストレージも512GBから1TBになり、バッテリー容量も40Whから80Whにアップグレードしており、全体的に高性能です。

メモリに関しては、処理速度が高いパーツを使っていることもあり、処理が非常にサクサク。ゲームやチャット、普段使いなど幅広い操作が快適に行えます。

さらに、冷却性能が高いマザーボードを採用しており、ポータブルゲーミングPCでは気になる熱対策も万全です。

付属品

  • 本体
  • ACアダプター
  • スタンド
  • 製品マニュアル
  • 製品保証書

以上が、ROG Ally Xの付属品です。

非常にシンプルな構成になっており、ドッキングステーションなどのアクセサリ類は付属しません。

ただ、簡易的なスタンドが付属します。

長さの短いスタンド2つで支える形で、角度調整などはできません。

外観

ROG Ally Xのボディ素材は、ハードプラスチック。

耐久性が高いのが特徴の素材です。シンプルなデザインや優れた表面処理などのおかげで、チープな印象は全くありません。

コントローラーは、Xboxタイプのボタン配置になっています。PCゲームの多くで標準になっている配置なので、ポータブルゲーミングPCとしても標準的。

背面には、小さなマクロボタンが2つ搭載されています。

小型化されているのは、誤入力防止のためです。初代モデルはもう少し大きく押しやすかったものの、誤入力も多かったので、小さくなったことで入力の正確性がアップしているのが魅力的。

上が初代モデルの背面ボタン。下がROG Ally X 2024モデル

そして、グリップ部分には滑り止め加工があります。

グリップのすべり止めをよく見るとROGの印字で凹凸を付けている

デザインは、全体的にシンプルです。ROGロゴもあるものの、背面の給気穴でロゴを形成しているため、目立ちません。

ASUS ROG Ally X(2024)ベンチマーク

ROG Ally X(2024)を実際にベンチマークしてみました。使用したベンチアプリはCinebench 2024と3DMARK(Steel Nomad Light)です。

Cinebench 2024

まずCinebench 2024の結果です。

Cinebenchは、ドイツのMaxon社が提供するCPU性能測定の定番ベンチマークソフトで、映画制作などでも使われる3Dレンダリングエンジン「Cinema 4D」をベースに、CPU単体でどれだけ複雑な3Dシーンを描けるかをスコア化しています。

  • Single Core(シングル):1つのコア性能。アプリやOSの軽快さ、Web表示速度などに影響。
  • Multi Core(マルチ):全コアを使った総合性能。動画編集、画像エンコード、3Dレンダリングの処理速度に直結。

今回の測定結果では、マルチコアは739 pts、シングルコアは101 ptsというスコアを記録。

参考までに、モバイルCPUとしては非常に優秀で、Ryzen 7 7840UやCore Ultra 7 155Hと同クラスに並び、ノートPC用ハイエンドCPUの領域に入っています。

3DMARK(Steel Nomad Light)

つづいて3DMARK(Steel Nomad Light)でのベンチマーク結果です。3DMarkは、ゲーミングPCのグラフィック性能(GPU性能)を測定する定番ベンチマークソフトになります。

グラフィックテストではスコア2958、平均21.9FPSをマークし、「極めて良好」と判定。

性能的にはRTX1650と同等クラスの性能で、ライトなゲームであれば何のストレスもなくプレイできますし、最新のタイトルでも画質を落とせば十分にプレイできるスペックを持ち合わせています。

実際エルデンリングではフルHD、低画質で60fps程度で快適にプレイできます。

ASUS ROG Ally Xの良いところをレビュー

ここまで、ROG Ally Xのスペックや外観などについて紹介してきました。今度は、ASUS ROG Ally Xの良いところをレビューしていきます。本機の性能や使い勝手の良さなどが知りたい方は、ぜひご参照ください。

UIと操作性が良好で扱いやすい

ROG Ally Xは、基本的にコントローラーとタッチ操作で完結できるように作られています。

動作モード、コントロールモードの変更は液晶左横のボタンから可能です。

このボタンでは画面の明るさ変更、システムシャットダウンなども行えます。ゲーム中でもシームレスに呼び出せて、変更できるのが良いところです。

UIもわかりやすく、使い方で迷うことは基本的にありません。

さらに、コントローラーの操作性も非常に良好です。

ボタンレイアウトが特に良いところ。左スティックと十字キー、右スティックとABXYボタンの指の移動がスムーズです。ABXYボタンの大きさ、ジョイスティックからの距離なども絶妙。

スムーズですが誤操作をすることがなく、便利。そのうえ、同時押し操作もしやすくなっています。

VRAM容量の割当調整ができる

ROG Ally Xは、VRAM容量の割当調整ができます。

VRAMというのは、ビデオメモリのことです。GPUが画面の描画を行う際、臥像やテクスチャなどのデータを一時的に保管する場所のこと。大きければ大きいほど、処理がスムーズになり、高解像度で滑らかな映像の表示ができるようになります。

ROG Ally Xでは、24GBあるメインメモリのうち、システムメモリに16GB、ビデオメモリに8GBが初期に割り当てられているのが特徴です。

この割当を、ARMOURY CRATE SEの設定で、1GBから最大8GBの間で調整できます。用途や遊ぶゲームによって、調整できるのが良いところです。

USB-Cポートが2つある

ROG Ally Xには、USB-Cポートが2つ搭載されています。

電源に接続しながら、キーボードとマウスを接続可能です。外部ディスプレイへの出力も、もちろんやりやすくなりました。Type-Cに対応した外部ディスプレイがあれば、より快適に本機を使えるのが魅力的です。

初代モデルよりも、周辺機器を使いやすくなっています。

ゲームごとにプロファイル設定ができる

ROG Ally Xでは、ARMOURY CRATE SEからキーマッピングの変更などさまざまな設定ができます。

対応している設定の例は、以下の通りです。

  • キーマッピング変更
  • スティック感度調整
  • トリガー感度調整
  • 振動の強度調整
  • ジャイロの設定
  • AMD RSRのオンオフ

コントローラーだけでなく、内部機能まで細かく設定できます。

こうした調整をゲームごとにプロファイルとして設定できるので、非常に便利です。

たとえばアクションゲームでは感度を高くして、RPGでは感度を低くするなどの調整が可能。ゲームごとに設定しておけるので、切り替えの手間もありません。

バッテリー容量が先代より大きくなった

ROG Ally Xの先代モデルでは、バッテリー容量が40Whしかありませんでした。

一方、ROG Ally Xでは、バッテリー容量が80Whと初代の2倍にまで増大されています。FF14など、比較的軽めのゲームであれば、バッテリー駆動で3時間程度はプレイ可能です。

8コア16スレッドで、RyzenのゲーミングPC向けCPUと同等の構成。ターボ時のクロック周波数は、5.1GHzと非常に高いです。

クロック周波数というのは、CPUが1秒間にどれだけの信号を処理できるかを示しています。処理速度の指標で、数字が大きいほど処理速度が高速ということになります。

Ryzen Z1 Extremeは処理速度が早く、快適です。

グリップを握ってもスピーカーと干渉しない

ポータブルゲーミングPCには、グリップを握ったときにスピーカーを塞いでしまうという製品が少なくありません。

スピーカーの音がくぐもってしまいプレイ体験を損ねる可能性があります。

一方、本機はグリップを握ってもスピーカーと手が干渉しにくいです。スピーカーでプレイしたとしても、クリアな音でゲームが楽しめます。

PCとしても普通に使える

ASUS ROG Ally XはPCとしても普通に使う事ができます。

本機に搭載されている Ryzen Z1 Extreme + 24 GB LPDDR5X-7500 は、一般的なPC用途で考えると性能の高い部類のCPUとメモリ性能。

WordやExcelなどのオフィスソフトや、Webブラウジングであれば余裕ですし、画像編集やFHD程度の軽い動画編集であればこなすことが可能です。

もちろん4K動画や3D制作など重めのクリエイティブ用途には向きませんが、外部モニターやキーボード・マウスを組み合わせれば、持ち運べるデスクトップ代わりとして実用可能です。

ASUS ROG Ally Xの気になる点をレビュー

ASUS ROG Ally Xの良いところについて、レビューしてきました。もちろん、良いところもあれば気になる点もあります。

そこで今度は、ASUS ROG Ally Xの気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。

外で遊ぶのにはやや不便

ROG Ally Xは、ボタンは操作しやすいですが、ボタンの操作音は大きめです。静かなカフェなどや電車内などでは、少し気になります。

さらに、改良されたとはいえ、軽めのゲームで3時間程度というバッテリー持ちも気になるところ。持ち運んでガッツリと何時間も遊びたい場合や、重めのゲームを外でも遊びたいという場合には少し不便です。

ポータブルである一番の利点は、家の中の好きな場所で遊べることと、出張先のホテルなどで遊べること。

そのような用途であれば、全く気になりません。

基本的には画質を落として遊ぶ必要がある

ROG Ally Xは、中量級以上のゲームをプレイする場合には、画質設定を落とす必要があります。内蔵CPUの性能が高いとはいえ、外部GPUを搭載しているゲーミングPCと比べると劣ってしまいます。

たとえばエルデンリングで遊びたい場合、画質は高設定でレイトレはオフ、自動描画調整とAFMFをオンにすると60fps程度でプレイ可能です。

一方、モンスターハンターワイルズやサイバーパンク2077などの重量級のゲームの場合、画質を低設定にしなければ快適とは言えません。

あわせて画質を最低画質に落としたとしても稼げるフレームレートは30fps程度です。

ただ、ディスプレイが小さいということもあり、高グラフィックのゲームを設定を落として遊んだとしても、十分綺麗に見えます。

裏を返せば、設定を低くすれば中量級・重量級のゲームもプレイ可能だということです。

ゲーム専用機ではない

ROG Ally Xはゲームで遊ぶために最適化された端末ですが、あくまでWindows11をベースにしたPCであること。

任天堂Switchと同じような感覚でサクサクとゲームと接続できるかといえば、そこまでの快適さはありません。

あくまでもPCゲームをどこでも遊べる端末、あわせてPCの機能も使える端末として考えておくことをおすすめします。

格納式スタンドが非搭載

ROG Ally Xには簡易的なスタンドが付属しますが、格納式のスタンドは搭載されていません。

持ち運ぶことを考えると、Switchのような格納式スタンドのほうが便利です。

本機はキーボードとマウスを接続することで、デスクトップモードで利用できます。ブラウジングや作業などは、デスクトップモードのほうが快適です。

ゲーム以外でも使いたいという場合には、格納式スタンドがあったほうが便利です。

ASUS ROG Ally Xはこんな方におすすめ!

  • 寝る前にベッドで軽くゲームがしたい方
  • PCゲームを寝転びながら楽しみたい方
  • 出張が多いゲーマーの方
  • オフィス作業などにも使いたい方

ASUS ROG Ally X(2024)は、以上のような方々におすすめです。

本機は持ち運びを前提としているポータブルゲーミングPCですが、外出先で長時間遊ぶにはバッテリー持ちがまだ足りない部分があります。ボタンの操作音も大きめで、静かな場所では使いにくいのも難点です。

ただ、ベッドに寝転がってPCゲームを遊びたいという方や、出張が多くホテルでゲームを楽しみたいという方には最適だと言えます

寝る前に遊ぶ分には十分なバッテリー持ちで、長時間遊ぶ場合はアダプタ駆動でも寝転がりながら遊べるので快適です

さらに、オフィス作業などにも使いやすい性能があります。処理性能が高いCPUを搭載しているので、多少重めのスプレッドシートなどでも問題ありません。

まとめ

本記事では、ASUS ROG Ally X(2024)についてレビューしてきました。

ROG Ally Xは初代モデルと比べると、性能が大幅に向上しています。バッテリー容量が2倍になったり、メモリ容量が8GBプラスされたり、より便利になりました。ストレージ容量も、ポータブルゲーミングPCとしては十分あると言えます。

遊べるゲームの幅も、案外広いです。

設定を下げる必要があるものの、重めのゲームでも快適に遊べるポテンシャルがあります。

ポータブルゲーミングPCが気になっている方にとって、非常に良い選択肢です。

AD

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次