Razer BlackShark V3 Proは、eスポーツのプロプレイヤーと共同開発された、Razerのフラッグシップワイヤレスゲーミングヘッドセットです。
第2世代の超低遅延ワイヤレス技術と大型マイク、ハイブリッドANCを搭載し、競技シーンから日常使いまでカバーするオールインワンモデルに仕上がっています。
今回レビューするのは、鮮やかな蛍光グリーンの「Esports Green Edition」。本記事では、そんなRazer BlackShark V3 Proの良いところと気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
本レビューはRazer様より製品を提供いただきレビューしています。
Razer BlackShark V3 Proの基本的な仕様
スペック

- ドライバー:第2世代 Razer TriForce バイオセルロース 50mm
- マイク:Razer HyperClear フルバンド 12mm(着脱式・単一指向性)
- 接続方式:2.4GHz(HyperSpeed Wireless Gen-2) / Bluetooth / USB有線 / 3.5mm有線
- 無線遅延:最大約10ms
- バッテリー:最大70時間(急速充電:15分→約6時間)
- 重量:367g(実測:本体370.5g/マイク込み385g)
- ANC:ハイブリッド型(ANC / 外音取り込み / OFF)
- 空間サウンド:THX Spatial Audio 7.1.4ch(Windows 11 + Razer Synapse 環境が必要)
- 対応プラットフォーム:PC / Mac / PlayStation / Nintendo Switch / Steam Deck / スマートフォン
- 価格:41,780円(税込)
ドライバーというのは、電気信号を音に変換する振動板のこと。50mmというサイズは大型の部類で、低音から高音までのレンジをカバーできます。本モデルではバイオセルロース素材を採用することで、自然でパワフルな音質を実現しています。
HyperSpeed Wireless Gen-2は、Razer独自の2.4GHz帯ワイヤレス技術のことです。Bluetooth接続と比べて大幅に低遅延で、通信遅延を最大約10msに抑えています。
ANCというのは、アクティブノイズキャンセリングの略で、マイクで外部の音を収音し、逆位相の音波をぶつけて騒音を打ち消す技術のこと。本モデルはヘッドセット内外に配置されたマイクで集音するハイブリッド型を採用しています。
THX Spatial Audioは、THX社が開発した立体音響技術です。最大7.1.4chのサラウンドサウンドを再現し、足音や銃声がどの方向から来るかの把握を助けてくれます。使用にはWindows 11とRazer Synapseが必要です。
デザイン

BlackShark V3 Proは、下記のカラーバリエーションが展開されています。
- ブラック
- ホワイト
- 2XKO Edition
- Esports Green Edition
- Counter-Strike 2 Edition
- NiKo Edition
今回紹介するのはEsports Green Edition。イヤーカップ・ヘッドバンド・フェースプレートが一面、蛍光グリーンで統一されたモデルです。
写真でも伝わる部分あると思いますが、実機はかなり鮮やかで目を引く蛍光グリーンです。カメラで撮ろうとすると露出や色温度の設定が難しく苦戦したのが正直なところです。(もっと撮影勉強します笑)

ヘッドバンドには大きく「RAZER」のロゴが入っており、俯瞰から見たときのインパクトも十分。

イヤーカップ外側には蛇のロゴが刻印されており、蛍光グリーンの中に黒くさりげなく入るのがおしゃれです。

樹脂素材と金属パーツを組み合わせることで高級感を出しています。
色合い的に仕事用には間違いなく浮きますが、ゲーミング環境には最高に映えます。
なお、フェースプレートはマグネット式で取り外しが可能。今後展開されるデザインプレートへの交換にも対応しています。

付属品

- HyperClear フルバンド 12mmマイク(ウィンドスクリーン付き)
- HyperSpeed Wireless Gen-2 ドングル
- USB-C充電ケーブル(編み込みタイプ)
- 3.5mmケーブル(編み込みタイプ)
- 説明書・ステッカーカード

本機はドングルの形状が独特。一般的なUSBドングルとは異なり、台形に近い独特のシルエットをしています。

初めて箱から取り出したとき、正直これがドングルなのかはすぐには分かりませんでした。裏面を見ると「BS V3 PRO」の刻印とUSB-C端子があり、ようやくドングルだと気づいた次第です。

形状が個性的な分だけ、見慣れていない方はすこし戸惑うかもしれません。
ケーブル2本はいずれも布巻きの編み込みタイプで、取り回しがしやすい質感。ケーブルもブラックで統一されており、カラーの主張がヘッドセット本体に集中する設計です。
Razer BlackShark V3 Proの良いところをレビュー
続いてBlackShark V3 Proの良いところについてレビューしていきます。音質・操作性・マイク性能など、ゲーミングヘッドセットとして重要な要素が気になる方は、こちらをご参照ください。
ゲームジャンルを選ばない音質

BlackShark V3 Proで最初に感じたのは、音の温かみ。音の太さとも言えます。
ゲーミングヘッドセットはサウンドをドライに味付けするものも多いですが、本機は低音域にしっかりした厚みがあり、マイルドで聴き疲れしにくい傾向があります。
FPSで重要な足音の定位感も高水準。フォートナイトやカウンターストライク2で実際に試してみましたが、敵の位置をしっかり把握できました。
そのうえ、ゲームの合間に音楽を流してみても、ワンタッチで音楽モードに切り替えられ音楽鑑賞として十分に楽しめるレベル。マルチ用途で使いやすい一台だと感じます。
あわせてSynapseのEQを使えば、競技向けに深く音をチューニングして絞り込むこともできます。

具体的には、ゲーム・映画・音楽といった用途別プリセットへの切り替えが可能で、さらに自分でEQを細かく調整することが可能です。
足音が聞こえやすい帯域を持ち上げる・銃声の鋭さを調整するといった方向で、ゲームごとに少しずつ詰めていく楽しさを味わえます。
ボタン・ノブ類の質感が高い

Razer BlackShark V3 Proはボタンやノブなど操作系パーツのチープさが一切ありません。
音量コントロールノブは金属製で、回すとコクコクとした節度のある手ごたえ。ゲーム/チャットバランスホイールも同様の素材感で、ゲーム音とボイスチャット音のバランスをゲームプレイ中に素早く調整できます。

このホイールは中央位置でピッと音が鳴る設計になっており、画面を見なくても「今ちょうど中央だ」とわかります。細かいところですが、こういった触覚フィードバックへのこだわりはありがたいと感じました。

マイクミュートボタンやANCボタンも、押し込んだときの感触がしっかりしています。ボタンの数が多く最初は戸惑いますが、配置が左右カップに分散しているため、慣れると直感的に操作できます。
どんな頭型にもフィットする装着感


イヤーカップが大きさだけでなく、角度調整に対応しており、着けた瞬間に自然と頭の形に沿ってくれます。「フィットするように調整した」という感覚が少なく、ただ乗せただけで密着するのが嬉しいところです。
イヤーパッドはニット素材のハイブリッドメモリーフォームで、耳全体を包み込む形状。

密閉型ならではの遮音性の高さも相まって、ゲーム中の没入感が上がります。長時間プレイでの疲労については後述しますが、クッション自体の柔らかさは水準以上です。
超低遅延の2.4GHz接続と快適な再接続

HyperSpeed Wireless Gen-2による2.4GHz接続は、使い始めてすぐに安定感を感じられます。
正直なところ「HyperSpeed Gen-2」と「一般的な2.4GHz接続」の差が体感で分かるかと聞かれると判断がつきませんが、接続の安定感や再接続の速さのが、恩恵として感じやすいポイントです。
また、自動シャットダウン後、電源を入れ直してから約3秒で再接続されるのも便利。「接続待ちでゲームが始まってしまった」というトラブルも防げ、ストレスを感じることはありません。
Bluetooth接続と2.4GHzを同時に使用できる「デュアル接続」にも対応しており、PCゲームをしながらスマートフォンに着信が来た場合の挙動などもSynapse上で細かく設定できます。
高水準のマイク性能

12mmという大口径カプセルを採用したHyperClearフルバンドマイクは、ヘッドセット付属マイクとしては高い水準にあります。
可動式のアームで口元から2〜3cmの距離をキープしやすく、声に「近接効果」が乗るため、発音がクリアかつ存在感のある音質になります。

近接効果というのは、マイクカプセルに声が近い距離で当たるほど低音域が強調される特性のことを言います。これにより自分の声が太くしっかり聞こえ、仲間への伝達が明瞭になります。あわせて外部の音が消される効果もあります。
続いてRazer Synapseのマイク設定。
こちらでは、音量・EQ・ノイズキャンセリング・ボイスゲート・音量正規化など詳細な調整が可能です。

マイクモニタリング(自分の声を自分で聞く機能)も搭載しており、しゃべりながら声量をコントロールしやすいのも実用的です。
簡易的なミキサー機能が搭載されていると考えると分かりやすいかもしれません。
最大70時間のバッテリー持続
バッテリー持続時間は最大70時間。
実用面で頼もしい数値で、毎日3〜4時間プレイするスタイルであれば、週1回の充電ペースでもお釣りが来ます。
充電し忘れてもUSB-C急速充電で15分→約6時間分が補えるので、「充電切れでプレイできない」という場面も避けられます。
充電しながらの使用にも対応しており、バッテリー残量を気にしながらプレイする必要がありません。70時間という数値は公称値ではあるものの、日常的な使用にてバッテリーがネックになる場面には、これまで遭遇していません。
Razer BlackShark V3 Proの気になる点をレビュー
ここまで、BlackShark V3 Proの良いところについてレビューしてきました。高い音質と豊富な機能を備えた魅力的なヘッドセットですが、一部には気になる点もあります。
ANCの効きは控えめ

ANCはオン/オフの二択とあわせ、Synapse上で1〜4段階の強度調整が可能です。ただし、強いANC機能を持つノイズキャンセリングイヤホン・ヘッドホンと比べると、効果は控えめだと感じました。
とはいえ、密閉型イヤーカップの遮音性がもともと高いため、ANCなしの状態でも外部音はかなり遮断されます。
「ANCで完全に無音にする」というより、「密閉型の遮音性+ANCで補助する」という使い方が実態に近いイメージです。カフェや電車での使用を想定している場合、期待値を少し調整しておくと良いでしょう。
367gというずっしりとした重量

Razer BlackShark V3 Proはカタログスペックは367gあります。実際に計測すると本体単体で370.5gでした。

さらにマイクを装着した状態では385gになります。マイクを使いながらプレイするスタイルであれば、実質385gとして考えておいた方が実態に近いです。
ゲーミングヘッドセットとしては重めの部類で、数時間の長時間プレイでは首・肩への負担を感じる可能性があります。
ただし、大型ドライバーや大口径マイク、バッテリー、ANC用の部品といった多機能を詰め込んだ結果の重さですので、この重さは性能と引き換えに生まれるもの。トレードオフと考えるのが良いでしょう。
重量に敏感な方は注意が必要ですが、装着感そのものは前述の通り優れているので、数字から想像するほどの負担感はありません。
イヤーキャップの交換に対応していない

イヤーカップのフェースプレートはマグネット式で着脱できますが、耳に当たるイヤーキャップ(パッド部分)は現時点で交換用品の販売がありません。
ただ、2〜3年でテクノロジーが陳腐化するサイクルが続くゲーミングデバイスという製品カテゴリーの性格を考えれば、長期運用前提の製品とは異なります。
モニターヘッドホンのように10年使い続けることを想定していなければ、実用上の問題は少ないはずです。
ケースが付属しない

Razer BlackShark V3 Proが4万円台のフラッグシップモデルと考えると、キャリングケースが付属しない点は少し物足りなさを感じます。持ち運びや保管を丁寧にしたい方は、別途ケースを用意する必要があります。
こちらは持ち運び用のケースを付属してくれたらありがたかったかなと感じますね。
とはいえ、余計な付属品をそぎ落としてヘッドセット本体の音質・機能にコストを集中させているとも考えられ、コアな性能で勝負するブランドの姿勢として受け取ることもできます。
Razer BlackShark V3 Proはこんな方におすすめ!

Razer BlackShark V3 Proは、以上のような方々におすすめです。
- FPS・TPSなど競技系ゲームを本格的にプレイしている方
- PC・PS5・Switch・スマートフォンなど複数デバイスを使い分けている方
- ゲームだけでなく音楽鑑賞や映画鑑賞にも使いたい方
- ボイスチャットでクリアな音声を届けたい方
- ボイチャをやりたいが、ミキサーやオーディオインターフェイスを用意するほどにはこだわりたくない方
- Razerグリーンで統一したゲーミング環境を作りたい方
まずFPS・TPSをメインにプレイしている方には、定位感の高さが刺さります。
フォートナイトやカウンターストライク2で実際に使ってみて、足音の方向や距離感がしっかり掴めました。音質がゲーム結果に直結するタイトルほど、この部分の恩恵は大きいです。
また、複数のデバイスを使い分けている方にも向いています。
私の場合、PCゲームをしながらスマートフォンの着信もヘッドセットで受けられる運用がとても便利で、2.4GHzとBluetoothの同時接続の恩恵をしっかりと受けています。
マイク音質もボイチャ用途であれば十分な音質ですし、ミキサーやオーディオインターフェイスを用意しなくても、Synapse上でEQやノイズキャンセリングを細かく調整できるので、手軽にマイク品質を上げたい方にちょうどいい選択肢になります。
配信やオンライン会議でも十分に使える音質ですよ。
まとめ

本記事では、Razer BlackShark V3 Proの良いところと気になる点について、レビューしてきました。
第2世代HyperSpeed Wireless Gen-2による超低遅延接続、TriForceバイオセルロース50mmドライバーの温かみある音質、高水準の12mmマイク、そして最大70時間のバッテリー。それぞれが高い水準にあり、「全部入り」のフラッグシップとして完成度が高い一台です。
ゲーミングヘッドセットとして重めでずっしりしていますが、多機能モデルのトレードオフとして受け入れられる範囲。
競技ゲームにも日常使いにも対応できる、ゲーミングヘッドセットとしてミドルゲーマーからハイレイヤーのゲーマーにおすすめの製品だと言えます。

