VARMILO KASSAI(喝采)は、キーボードメーカーのVARMILOとふもっふのおみせが手がけた、短ストロークの独自ボタンを備えたレバー式アーケードコントローラーです。
格闘ゲームは、1フレーム(1/60秒)を争うシビアな入力の世界。KASSAIのボタンは、その反応の速さを自分で詰められるのが持ち味で、作動点やラピッドトリガーをブラウザから調整すれば、押し心地と反応を好みに追い込めます。
レバーには三和電子製のベースを採用。PC版は3万円台から、9,000円の追加でPS4/PS5などの家庭用ゲーム機にも対応します。
本記事では、そんなKASSAIの良いところと気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
※本記事はふもっふのおみせ様より製品(EVOエディション)をご提供いただき作成しています。
VARMILO KASSAIの基本的な仕様
KASSAIの基本的な仕様として、スペック・同梱品・デザイン・各種設定・VARMILOとふもっふのおみせ・EVOエディションについて、順に紹介していきます。
スペックと特徴

KASSAIの主なスペックと特徴を簡単に紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ケース | 金属(アルミ) |
| レバーベース | 三和電子製(着脱式) |
| ボタン | CHERRY MXI Multipointスイッチ/11個/直径22mm |
| キーキャップ | PBT |
| 初期圧/終圧 | 40gf(±10)/50gf(±10) |
| ストローク | 1.5mm |
| 作動点/RT | 0.1mm単位で調整可(出荷時 作動点0.3mm/RT0.2mm) |
| 寸法 | 318×220×47mm(レバー装着時の高さ110mm) |
| 重量 | 2.48kg(総重量3.59kg) |
| 接続 | 巻き取り式ケーブル2.1m+USB Type-C |
| 応答速度/ポーリングレート | 5ms以下/1000Hz |
| 対応機種 | PC版=PC(Windows)/PS版=PC・PS4・PS5・Switch・Switch 2 |
| 保証 | 1年間 |
KASSAIの主な特徴は、以下の通りです。
- 三和電子製のレバーベースを採用し、レバーを外して本体裏に収納できる
- CHERRY MXI Multipointスイッチによる短ストロークボタンで、作動点とラピッドトリガーをブラウザから調整できる
- フルアルミの筐体で、重量は2.48kg
- 2.1mの巻き取り式ケーブルを内蔵
- 直径22mmのボタンを11個配置
- 肩掛けストラップと折りたたみ式のハンドルを備え、持ち運びやすさに配慮
KASSAIを特徴づけているのが、キーボードメーカーであるVARMILO独自開発のボタンです。
搭載するCHERRY MXI Multipointスイッチはストロークが1.5mmと浅く、軽く触れた分だけ入力が通ります。
入力がONになる深さ、いわゆる作動点は0.1mm単位で調整でき、ボタンを離した距離で入力をOFFにするラピッドトリガーにも対応します。ラピッドトリガーというのは、指を戻した瞬間に入力を切って、次の入力へすばやく移れるようにする仕組みのこと。
こうした作動点の調整やラピッドトリガーは、もともとゲーミングキーボードで広がった機能です。それをレバー式のアケコンに持ち込んでいるのが、KASSAIならではの個性と言えます。
工場出荷時の作動点は0.3mmに設定されており、この状態でも軽快に反応します。
同梱品

EVOエディションには、以下が付属します。
- 本体
- 肩掛け用ストラップ
- リストガード(1組)
- レバーボールトップ(標準・EVO仕様の2種)
- 交換用ボタン・メカクシキャップ
- レバーボール交換用の六角レンチ
- ボタン交換用の工具
- ダストカバー
- 合格証
アケコンの付属品としては、かなり手厚い内容です。
持ち運び用の肩掛けストラップや手首を保護するリストガードに加え、予備の交換用ボタンやメカクシキャップ、ボタン交換用の工具、六角レンチまでそろっています。


標準とEVO仕様の2種類のレバーボールトップも付属し、レバー先の見た目を替えて楽しめます。

キャップの色替えからちょっとしたメンテナンスまで、手元の付属品だけで完結できる構成。持ち運びとカスタムの両面に配慮されているのが伝わってきます。
デザイン

本記事の写真は、EVOエディションのものです。通常モデルとの違いは、後述のEVOエディションの章でまとめます。
天面は、左側にレバー、右側にボタンを配置した、レバーアケコンではおなじみの構図です。攻撃用のボタンに増設ボタンを加えた合計11個で割り当ての変更にも対応しています。

天面の奥には、Start・Guide・Fn・Update・Resetの機能ボタンが横一列に並びます。その左隣にはモード切替のスライドスイッチがあり、ゲームパッド・コントローラー・キーボードの3つのアイコンで接続モードを切り替える仕組みです。

筐体はアルミ製で、天面は横方向に細かな筋目のある質感。側面は黒で引き締め、差し色のラインが一本入ってます。

背面には、持ち運び用の金属ハンドルが備わります。その左には巻き取り式ケーブルが配置されており、引っ張ると伸びる仕組みです。

また、巻き取りケーブルの上部には、市販のType-Cケーブルを挿して使えるUSB Type-Cポートもあります。こちらは巻き取りケーブルが使えないときの予備という位置づけです。
ただし普段はキャップがかぶさっていて、一見するとボタンのようにも見えるため、最初はポートだと気づきにくいかもしれません。使うときはキャップを外してから接続してください。

金属ハンドルの内側にも、もう一つUSB Type-Cポートがありますが、こちらは今後登場する可能性のあるオプションパーツ用の端子です。

底面には全体に滑り止めのラバーが貼られています。

中央には収納スペースが設けられ、取り外したレバーや予備のパーツをまとめて収納できます。
各種設定

KASSAIの設定は、PCモードで接続してブラウザから専用サイトにアクセスするだけで行えます。専用ソフトのインストールが不要なので、環境を選ばずに設定を始められるのが便利です。設定画面から扱える項目は、以下の通りです。
- 作動点・ラピッドトリガー(入力ON/OFFの距離の変更)
- ボタン位置変更(ゲームモード)
- ボタン設定(PCモード)
- 動作確認
- SOCDクリーナー設定
作動点の設定では、押し込みで入力がONになる深さと、離して入力がOFFになる距離を、0.1mm単位で調整できます。

全ボタンをまとめて設定する固定設定と、ボタンごとに変える個別設定のどちらにも対応します。SOCDクリーナーというのは、左右や上下の相反する入力が同時に入ったときに、どちらを優先するかを処理する機能のこと。レバーレスで一般的な機能ですが、KASSAIでは設定画面から挙動を選べます。
ボタンの割り当ては、2つのボタンの操作を入れ替えるスワップ方式です。この仕様の細かい注意点は、後述の気になる点でまとめます。

ボタンは、付属のボタン交換用の工具をキャップに引っかけて少し回転させ、そのまま引き上げると外れます。

キャップには工具を差し込む穴が開いており、位置が分かりやすい仕組み。本体を開けずに天面から交換できるので、キャップの色替えやスイッチのメンテナンスを手早く進められます。
VARMILOとふもっふのおみせについて
VARMILOは、高品質なメカニカルキーボードで知られる中国のブランドです。
桜をモチーフにした「Sakura」やパンダ柄の「Panda」など、見た目と打ち心地の両方にこだわったキーボードで人気を集めてきました。
近年は、ラピッドトリガーに対応した磁気スイッチキーボードも手がけています。
KASSAIのボタンに使われるV-Silk(PBT)というキーキャップ素材や、作動点調整・ラピッドトリガーといった機能は、いずれもVARMILOがキーボードで培ってきた技術です。それをレバー式のアーケードコントローラーへ応用したのが、このKASSAIだと言えます。
このKASSAIを企画・展開しているのが、ふもっふのおみせです。
海外のゲーミングデバイスを扱うECショップで、VARMILOの日本正規代理店として長くキーボードを取り扱ってきました。そのつながりから生まれたのが、レバー式アケコンのKASSAIです。
EVOエディションについて

本記事で撮影しているのは、格闘ゲームの大会「EVO」とコラボしたEVOエディション、そのEvo Blueです。
EVOというのは、世界最大級の格闘ゲームの大会のこと。そのビジュアルをVARMILOの技術で製品化したモデルで、KASSAIにはこのEvo Blueと、黒基調のEvo Blackの2色が用意されています。
デザインは、アーケード画面の走査線を思わせるCRT風の横ストライプが全モデル共通のモチーフ。
EVOコラボは、本機のレバー式KASSAIのほか、同じくレバー式のKASSAI X、レバーレスのHA10+の3機種に展開され、それぞれにEvo BlueとEvo Blackが選べます。

EVOエディションと通常モデルの違いは、外装と付属品に集約されます。
透明のレバーボールトップの内部には、ゴールドのEVOロゴとゴールドパウダーをあしらっています。筐体には、金属の上でも鮮やかな発色を可能にする独自の金属印刷技術を採用。

さらに天面には、デザインに合わせた細かな凹凸加工を施すことで、金属特有の滑りやすさや冷たさを抑え、触れたときの質感にも配慮したとしています。

ボタンはブラック、リムはネオンイエローで引き締めています。

本体側面には限定シリアルナンバーが刻印されています。本個体は、006/226と刻印されていました。

付属のストラップやボタンキャップもEVO仕様です。

公式には、EVOエディションの基本性能は通常のKASSAIとほぼ同等と案内されています。
価格はEVOエディションのPC版が49,980円、通常モデルのPC版が31,980円で、差額は主に外装と付属品の特別仕様に対するものです。
EVOエディションは限定生産のため、在庫がなくなり次第の販売終了となります。性能を目的に選ぶなら、同じ操作感を長く手に入れやすい通常モデルという選択肢もあります。
レバーレスが好みの方や、ほかのEVOモデルも見てみたい方は、以下からチェックできます。
そして、EVOと同じ操作感で長く手に入れやすいのが、通常モデルのKASSAIです。
カラー展開が豊富で、定番のObsidian Black(黒)やLunar Silver(銀)に加え、Sea Melody(海の音色)やSakura(桜)といった色も選べます。好みの一台をじっくり選べるのも、通常モデルならではの魅力です。
VARMILO KASSAIを使った感想

ここでは、KASSAIを実際に使ってみて感じた印象を軽く触れていきます。詳細については後の章でレビューするので、まずは全体的な使用感をお伝えします。
箱から取り出してまず伝わってくるのは、アルミ筐体のずっしりとした重みです。2.48kgという数値どおりの手応えで、コンパクトな見た目からは意外に感じるほど。机に置くと、それだけで安定して構えられます。
ボタンに指を置くと、乾いたさらっとした肌ざわり。押し込むとスコスコとした感触で心地よい打鍵感。レバーは返りがやや硬めで、そのぶん狙った位置でしっかり止まる印象です。
このあたりの操作感を、良いところとして順に見ていきます。ボタンの独自規格や割り当ての仕様など、気になる点もあわせて後半で触れていきます。
VARMILO KASSAIの良いところをレビュー
ここまで、KASSAIの基本的な仕様や全体的な感想について紹介してきました。今度は、実際にプレイしながら感じた、KASSAIの良いところについてレビューしていきます。
反応点を0.1mm単位で詰められる短ストロークボタン

KASSAIの持ち味は、反応を自分好みに追い込めるボタンです。
ストロークは1.5mmと浅く、軽く触れた分だけ入力が通ります。実際に押してみると、スコスコとした感触で、指を戻すとすぐ次の入力へ移れます。
押し込みの初期圧は40gfで、軽すぎず重すぎない押下圧。程よい押し加減で打鍵ができます。

作動点は工場出荷時で0.3mmに設定されており、そのうえで、ブラウザの設定から細かく調整できます。浅くすれば軽いタッチで反応し、深めにすれば意図しない入力を抑えられます。
なお、個人的な感想としては初期の0.3mmのままでも誤入力は起きにくく、十分に速いと感じました。
既定のままでも快適に使えて、突き詰めたい人は指の感覚に合わせて追い込める。この二段構えが嬉しいポイントです。
サラサラとした指ざわりのV-Silkボタン

ボタンのキーキャップには、先ほど触れたV-Silkが使われています。表面には若干のざらつきがあり、それでいてサラサラとした指ざわり。長く触れていても、指が汗で滑って困るような感触はありません。
V-Silkの素になっているPBTというのは、長く使っても表面がテカりにくいとされる樹脂のこと。毎日握るデバイスでも、さらっとした質感が保たれやすいのはありがたいところです。
ボタンの直径は22mm、外枠を含めても28mmです。11個がまとまって配置されているため、手の小さい方でも指を大きく広げずに押せます。指を大きく動かさずにテンポよく押したい方に合う仕様です。
レバー操作でも動きづらいアルミ筐体

KASSAIはフルアルミの重量級筐体で、底面には全体に滑り止めのラバーを備えます。
この重さとラバーが効いて、設置の安定感はかなりのもの。実際にレバーを大きく倒しても、本体がずれにくく感じました。机に置いたときはもちろん、膝に載せた状態でも土台がぶれずに構えられます。
力の入る場面でも本体が動きづらいので、操作そのものに集中できるのが頼もしいところです。
レバーを外して収納できる持ち運びやすさ

レバーは、シャフトを上に引き上げてスライドさせるだけで外せます。外したレバーは、先ほどの本体裏の収納スペースにしまえる仕組み。持ち運ぶときに出っ張りを気にせずに済みます。

収納スペースには予備のボタンや付属の工具もまとめて入るため、イベントや大会に持ち込んで現地でボタンを交換する、といった使い方にも向いています。

付属の肩掛けストラップと折りたたみ式のハンドルもあり、重量のある本体を運びやすくする配慮も見られます。
機材を持ち出してプレイする方には、心強い装備です。
三和電子製ベースによる安定した操作感

レバーには三和電子製のベースが使われています。アケコンでは定番として広く使われているレバーで、慣れた操作感と安心感があります。
実際に動かすと、返りはやや硬め。ただ、その硬さのおかげで狙った方向でしっかり止まり、意図しない斜め入力が起きにくいと感じました。
また、8方向へ入れるたびにカチカチとした操作音が返ってきます。節度のある小気味よい響きで、レバーを動かしているだけでも心地よく感じます。
VARMILO KASSAIの気になる点をレビュー
ここまで、良いところについてレビューしてきました。ボタンの操作感と携行性に強みのある1台ですが、購入前に知っておきたい気になる点もあります。
巻き取り式ケーブルは断線時に単体で交換できない

KASSAIのケーブルは、本体に巻き取って収納できる一体型です。
デスク周りがすっきりする便利な仕組みですが、その構造上、断線してもケーブルの部分だけを交換することができません。内蔵ケーブルならではのトレードオフと言えます。

とはいえ、本体にはUSB Type-Cポートも備わっているため、万一のときは市販のType-Cケーブルに切り替えて使い続けられます。
日常的に手荒く扱わなければ、大きな不安になる部分ではありません。
なお自宅で固定して使う分には、取り巻きケーブルを使用せずに別ケーブルを接続して運用し、外でプレイするときのみは取り巻きケーブルを使用する運用もあります。
※購入後1年間の製品保証期間内の問い合せであれば、ふもっふのおみせにて無償で交換対応をいただけます。
ボタンが独自規格で社外品の選択肢が乏しい

KASSAIのボタンはVARMILO独自の規格で、一般的なアケコン用ボタンとは互換性がありません。
そのため、他社製のボタンに載せ替えて音や感触を変えたり、好みのスイッチに組み替えたりといったカスタムの幅は狭くなります。市販ボタンでの換装を前提に選ぶ機種ではない、という点は押さえておきたいところ。
とはいえ、ボタン自体の完成度は高く、作動点やラピッドトリガーを設定で追い込めるので、純正のままでも十分に自分好みへ寄せられます。
割り当てはスワップ方式で自由度が高くない

ボタンの割り当ては、2つのボタンの操作を入れ替えるスワップ方式です。
ある操作を別のボタンへ移すと、元のボタンは空くか、別の操作と入れ替わります。同じ操作を複数のボタンに重複して割り当てる、といった配置はできません。多ボタンを自由にマッピングしたい方には、物足りなく感じるかもしれません。
ただ、標準的な配置で遊ぶぶんには不便はありません。

私の使い方では、右手小指の操作が苦手なこともあり、スト6ではパリィ用のLTとインパクト用のLBを右手親指で押しやすい位置に割り当てて使っています。
まとめ

本記事では、VARMILO KASSAIの良いところと気になる点についてレビューしてきました。
KASSAIは、キーボードで培った短ストロークのボタンを軸に、三和電子製のレバーとアルミ筐体を組み合わせたレバーアケコンです。工場出荷時のままでも軽快に反応し、作動点やラピッドトリガーを詰めれば、自分の指に合わせて操作感を追い込めます。
2.48kgのアルミ筐体は設置が安定し、レバーを外して収納すれば持ち運びもしやすい構成。
巻き取りケーブルの交換不可やボタンの独自規格といった注意点はあるものの、純正のまま完成度高く使える一台です。
そんなKASSAIは、以下のような方におすすめです。
- ボタンの反応を、自分の指や好みに合わせて追い込みたい方
- 短ストロークで軽いボタンの操作感が好みの方
- 大会やイベントに機材を持ち運ぶ方
- 机置きでも膝置きでも、安定して構えたい方
- 甲高い打鍵音が苦手で、落ち着いた操作音を好む方
ボタンの反応を自分の手に合わせて追い込みたい方には、おすすめのレバーアケコンだと言えます。
レバー式 KASSAI|EVOエディション
レバー式 KASSAI|通常モデル(カラー展開)
レバーレス/別機種|EVOエディション
