Akko FUNBOXは、ゲーミングキーボードやカスタムキーボードで知られるAkkoが手がけた、初のレバーレスアーケードコントローラーです。
本機の持ち味は、ロープロファイルのホールエフェクト磁気スイッチを採用したボタンまわり。作動点を0.1〜2.8mmの範囲で詰められるラピッドトリガーに対応します。
標準のKailh軸は別売り軸へのホットスワップにも対応で、キーボードメーカーらしい作り込みをそのままレバーレスへ持ち込んだ1台です。
本記事では、そんなAkko FUNBOXの良いところと気になる点について、レビューしていくので、ぜひご参照ください。
本レビューはAkko様より製品を提供いただきレビューしてます。
Akko FUNBOXの基本的な仕様

Akko FUNBOXの基本スペック・同梱品・デザイン・各種設定・ブランドについて、順に紹介していきます。
スペックと特徴
Akko FUNBOXの基本スペックを下表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応機種 | PC・PS4・Xbox・Switch・Android(PS5はBrook Wingman FGC2が別途必要) |
| 接続方法 | USB有線(Type-C)/底面に認証用スロット(USB-A・USB-C) |
| スイッチ方式 | ロープロファイル ホールエフェクト磁気式(Kailh Star Mini Magnetic) |
| スイッチタイプ | リニア |
| 押下圧 | 30±10gf |
| キーストローク | 2.8±0.25mm |
| アクチュエーションポイント | 0.1〜2.8mm(調整可能) |
| ラピッドトリガー | 対応(最小0.005mm) |
| ホットスワップ | 対応(別売りKailhロープロファイル軸) |
| ボタン数 | メインボタン17+システムボタン(Home/L3/R3/Startなど) |
| SOCD | 4モード/トーナメントロック対応 |
| ポーリングレート | 最大8000Hz(PC接続時) |
| ディスプレイ | フルカラーLCD(2インチ) |
| ダイヤル | アルミ合金マルチファンクションダイヤル |
| 設定ソフト | Webドライバー(インストール不要・日本語対応) |
| 外形寸法 | 幅305×奥行225×高さ28mm |
| 重量 | 約870g(実測858g) |
| 素材 | 本体・キーキャップともにABS |
| 保証期間 | 2年間 |
| 価格 | ¥22,990(税込) |
主な特徴は、以下の通りです。
- ロープロファイルのホールエフェクト磁気スイッチを搭載し、作動点を0.1〜2.8mmで調整可能
- 最小0.005mm単位で反応点を詰められるラピッドトリガーに対応
- 標準の磁気軸に加え、別売りのリニア/タクタイル/クリッキー軸へ替えられるホットスワップ対応
- 本体左上のフルカラーLCDとアルミダイヤルで、モードや基本の設定を本体だけで切り替え可能
- インストール不要で日本語に対応したWebドライバー
- 幅305×奥行225×高さ28mm・実測858gの薄型軽量ボディ
レバーレスコントローラーというのは、アーケードコントローラーからレバーを取り除き、方向の入力もボタンでまかなう操作スタイルのコントローラーのこと。上下と左右を個別のボタンに割り当て、指先の短い動きだけで方向を切り替えます。レバーを倒して戻す動作がいらないため、方向転換や細かな刻み入力を素早く行いやすく、これが格闘ゲームでレバーレスが使われる理由につながっています。
そのレバーレスの中で、FUNBOXの持ち味はボタンとスイッチにあります。採用しているのは、ロープロファイルのホールエフェクト磁気スイッチ。磁石とセンサーでボタンの位置を読み取る方式で、金属接点がないぶん摩耗に強いのが利点です。どこまで押し込めば入力が成立するか(アクチュエーションポイント)を、0.1〜2.8mmの範囲でソフトから細かく決められ、浅くすれば軽い操作で速く、深くすれば誤入力を抑えやすくなります。
また、押し込んだ深さに反応点が追従するラピッドトリガーにも対応。ボタンを少し戻すだけで入力がオフになるので、連打や素早い押し直しがしやすくなります。
標準のスイッチはホットスワップで別売り軸に交換でき、打鍵感まで自分好みに変えられるのは、キーボードメーカーであるAkkoならではの強み。
対応機種はPC・PS4・Xbox・Switch・Androidと幅広く、PS5で使う場合は、別途Brook Wingman FGC2が必要になります。
同梱品

同梱品は、本体のほかにUSB-Cケーブル・コントローラー認証用の薄型USBアダプター・日本語対応の説明書という構成。

平たいリボン状のアダプターは、片側がUSB-Aオス、もう片側がUSB-Aメスになっています。PS4やXboxで使うときに、純正コントローラーを介した認証で利用するためのものです。

本体への給電と通信は、底面スロット内のUSB-Cポートで行います。
デザイン

外観は黒を基調に、方向ボタンと一部のボタンだけを紫でまとめた配色です。落ち着いた本体色に差し色が入ることで、シンプルながら単調になりすぎない見た目になっています。

横から見ると、奥から手前に向かってなだらかに低くなるくさび形です。高さは28mmと低く、手を置いたときに手首が自然に下りる角度になっています。この手前を低く抑えた形は、キーボードのリストレストを思わせます。

ボタンは背の低いロープロファイル形状で、天面からの出っ張りが控えめです。指を滑らせて隣のボタンへ移るときも引っかかりが少なく、すばやい横移動が可能です。

本体左上にはフルカラーのLCDがあり、その手前の側面にアルミ製のダイヤルを備えます。ダイヤルはローレット加工で指がかかりやすく、回したときの節度感もしっかりしています。

底面にはカバーで隠れたスロットがあり、開けるとUSB-AとUSB-Cの2つのポートが並びます。USB-Cが本体接続用、USB-AはPS4やXboxの認証アダプターを挿すためのものです。

底面全体には細かなストライプ状のマット加工が施され、机の上で滑りにくくなっています。
各種設定
FUNBOXの設定は、本体のLCDと専用のWebドライバーの2通りで行えます。対戦の合間にモードや基本の設定を切り替えるなら本体のLCD、反応点まで細かく追い込むならWebドライバー、という使い分けです。
本体のLCDでできること

- モード切り替え(PC/PS/Switch/Xbox/キーボード)
- レイヤー切り替え
- SOCD設定
- キーテスト
- 起動アニメーションの表示
- 好みの画像の表示
側面のアルミダイヤルを回して項目を選び、押して決めるだけのシンプルな操作。表示は日本語に対応しているので、PCにソフトを開かなくても、本体だけでモードや設定を切り替えられます。LCDには好みの画像も設定でき、自分だけのアケコンに仕上げられます。
SOCDというのは、左右や上下の反対方向を同時に押したときに、どちらを優先するかを決める機能のこと。

上下の同時入力をニュートラルにする設定など、大会のルールに合わせた動作も選べます。

大会向けにはトーナメントロックも用意されています。オンにすると、上上(↑+↑)の同時入力が↑として処理され、大会規定に沿った動作に固定される仕組み。
あわせてHome・Turbo・Select・Startのシステムボタンも無効になるので、試合中の誤爆を防げます。オン/オフは本体LCDとドライバーのどちらからでも切り替えられます。
Webドライバーでできること

- ラピッドトリガー・アクチュエーションの調整:反応点を細かく設定
- キーのリマップ:各ボタンの役割を変更
- ホットスワップ後のキャリブレーション:軸を替えたあとの個体差を補正
- レイヤーの設定:ボタン配置のセットを切り替え
- ディスプレイの画像設定:LCDに表示する画像を変更
- 誤作動防止・RT安定化:浅く詰めたときの暴発を抑える
こちらはブラウザ上で動くため、ソフトのインストールは不要。日本語表示にも対応しています。反応点の数値やラピッドトリガーといった、LCDではできない細かい調整はこちらから行います。
アクチュエーションとラピッドトリガーを組み合わせれば、反応点を自分の指の動きに合わせて追い込めます。浅く詰めて速さを取るか、少し余裕を持たせて安定を取るかを、好みで調整できます。
Akkoについて

Akkoは、2016年に中国・深センで設立された周辺機器ブランドです。キーボード本体だけでなく、キースイッチやキーキャップ、自作キット、ケーブルまで、キーボードを構成するパーツを幅広く手がけています。
カスタムキーボードの世界では、多彩なレイアウトとスイッチの選択肢で知られた存在。そのスイッチづくりの知見をレバーレスへ持ち込んだのが本機にあたり、標準でKailhのロープロファイル磁気軸を載せ、別売り軸へ交換できるホットスワップに対応する点も、キーボードメーカーらしい設計です。
FUNBOXは、2026年5月に開催された格闘ゲームの大会「EVO Japan 2026」で初公開され、その後の発売に至っています。
また、当ブログでは、8,000円台でラピッドトリガーを搭載したコスパの高いAkkoの75%キーボードAkko TAC75 HEもレビューしていますので、あわせてご覧下さい。

Akko FUNBOXを使った感想をレビュー

ここからは、格闘ゲームを中心に使い込んだうえでの感想をまとめていきます。
箱から出してまず感じたのは、薄さと取り回しのよさです。

高さが28mmと低く、実測858gと軽量です。デスクの上での置き場所に困らず、膝の上に乗せても負担になりにくいサイズ感です。

標準のリニア軸は押下圧30±10gfと軽めで、底まで押し込んだときの止まり方が素直。底打ちの感触も気持ちよく、押した手応えが分かりやすいと感じました。

設定まわりでは、本体だけでモードや設定を切り替えられる点が便利です。

側面のダイヤルを回してLCDを見ながら、モード切り替えやレイヤー変更、SOCDの設定を本体上で行えます。
反応点の細かい調整はWebドライバーからになりますが、普段カスタムキーボードを触っている感覚に近く、PCを開かずに手元で操作を進められる手軽さがありました。
なお、反応点を浅くしてラピッドトリガーをオンにすると、入力の速さがはっきり変わります。今まで間に合わなかった場面で技が差し込めることも増え、選択肢が素直に増えた実感がありました。
使い込むほどに、自分の手に合わせられていく楽しさがあり、スイッチの押し心地、本体での設定、ソフトでの追い込みなど、自分好みの1台に近づいていきます。
Akko FUNBOXの良いところをレビュー
Akko FUNBOXの良いところについて、レビューしていきます。格ゲーでの操作感やカスタマイズ性が気になる方は、チェックしてみてください。
反応点を詰めると、入力が速く軽くなる

ホールエフェクト磁気スイッチは、入力がオンになる反応点をソフトで自由に決められる仕組み。反応点を浅めにしてラピッドトリガーをオンにすると、ボタンを少し押すだけで入力が成立し、押し込みと戻しにかかる時間が短くなります。
実際に反応点を詰めてプレイすると、入力の速さがはっきり上がりました。これまで間に合わなかった場面で技を差し込めるようになり、攻めの選択肢が素直に増えた手応えがあります。
深く押し込む必要がないぶん、力まずに連打やピアノ押しがしやすいのも利点です。長時間プレイでも指が疲れにくく、終盤まで精度を保ちやすいと感じました。
ホットスワップ対応で、打鍵感そのものを変えられる

標準ではKailhのロープロファイル磁気軸を搭載し、別売りのロープロファイルメカニカル軸へ交換できます。リニア・タクタイル・クリッキーと系統の違う4種類が選べ、標準軸を含めた仕様は次のとおり。
| スイッチ | タイプ | 押下圧 | 作動点 |
|---|---|---|---|
| Kailh Star Mini Magnetic(標準) | リニア(磁気) | 30±10gf | 0.1〜2.8mmで調整可 |
| Kailh Cloud | リニア(メカニカル) | 50±10gf | 1.2±0.3mm(固定) |
| Kailh Winter Mini | タクタイル(メカニカル) | 38±10gf | 1.6±0.3mm(固定) |
| Kailh Drift | タクタイル(メカニカル) | 45±10gf | 1.6±0.3mm(固定) |
| Kailh Summer Mini | クリッキー(メカニカル) | 50±10gf | 1.2±0.3mm(固定) |
キーボードでは当たり前のホットスワップを、レバーレスでもそのまま使えるのが面白いところです。
標準の磁気軸は作動点を0.1〜2.8mmで調整でき、ラピッドトリガーで速さを詰められます。メカニカル軸に替えると作動点は固定になり、ラピッドトリガーやAP調整は使えません。そのぶん、タクタイルの節度やクリッキーの打鍵音など、磁気軸にはない感触を選べます。
本体のLCDとアルミダイヤルで、ソフトを開かず基本の設定が完結する

本体左上のフルカラーLCDと側面のアルミダイヤルだけで、モードや基本の設定を切り替えられます。ダイヤルを回して項目を選び、押して決める操作で、モード切り替えやレイヤー変更、SOCD設定まで本体上で完結できる手軽さ。

PCにソフトを立ち上げなくても、対戦の合間にその場で設定を見直せるのが便利です。表示は日本語に対応しているので、項目の意味も分かりやすく感じました。
LCDには好みの画像を表示する機能もあり、自分だけのアケコンに仕上げる遊びの幅もあります。
日本語対応のWebドライバーで、細かく追い込める

細かい数値の調整は、ブラウザで動くWebドライバーから行えます。ソフトのインストールが要らず、対応ブラウザを開くだけで設定画面にアクセスできる手軽さがあります。

反応点の数値調整やラピッドトリガー、ボタンの割り当て、誤作動防止やRT安定化まで、項目は細かく揃っています。日本語表示に対応しているため、英語のソフトに不慣れでも迷いにくいのが嬉しいポイントです。
ザラつきのある天面と軽い押下圧で、扱いやすい

本体と天面はマットな仕上げ。表面に細かなザラつきがあり、指が滑りにくくテカリも出にくいので、長く使っても手触りが保たれます。
標準のリニア軸は押下圧30±10gfと軽めで、指を力ませずに押し込めます。指が引っかかるザラつきと軽い押下圧が合わさって、長く触っても扱いやすい手触りにまとまっています。
17ボタンの自由なレイアウトで、WASD配置も組める

メインボタンは17個で、ボタンの割り当てをドライバーから自由に変更できます。フェイスボタンやショルダーに加えてM1〜M4の補助ボタンも並ぶため、よく使う操作を押しやすい位置へ寄せられる自由度。
移動を担うボタンの並びを活かせば、キーボードのWASDに近い感覚で配置を組むこともできます。ボタン数に余裕があるので、自分の指の動きに合わせて操作をまとめやすいのも扱いやすい点です。
Akko FUNBOXの気になる点をレビュー
ここまで、Akko FUNBOXの良いところをレビューしてきました。操作感やカスタマイズ性で完成度の高いレバーレスですが、一部には気になる点もあります。
標準配列だと、一番左のM4ボタンを誤爆しやすい

標準の配列では、一番左にM4という補助ボタンが置かれています。レバーレスに慣れた手の位置からするとやや近く、最初のうちは方向入力のつもりで誤って押してしまうことがありました。
ただ、ボタンの割り当てはドライバーから自由に変えられます。M4を使わない配置にしたり、手の位置が安定したりすれば、慣れで気になりにくくなる範囲。
反応点を攻めすぎると、斜め抜けや暴発が出る

反応点を浅く詰めるほど入力は速くなりますが、その分だけ繊細な操作はシビアになります。指がわずかにずれたり、ボタンを撫でただけでも反応してしまい、意図しないしゃがみやジャンプが出ることがありました。斜め方向の入力も、攻めた設定ほど抜けやすくなります。
とはいえ、これは速さと引き換えのトレードオフ。斜め下の反応点だけ少し深くする、ラピッドトリガーの戻り位置に余裕を持たせる、誤作動防止をオンにするといった調整で、自分の指に合うラインを見つけられます。
個人的には最浅にこだわらず、少しマージンを持たせた設定のほうが、結果として安定しやすいと感じました。
ABS筐体で、高級感は控えめ

筐体はABS樹脂で、金属やアクリル天板の機種と比べると、手に持ったときの高級感は控えめです。質感そのものは悪くありませんが、ずっしりとした重厚さはありません。
ただ、その軽さは持ち運びやすさの裏返し。実測858gと薄型のボディは、膝置きで使うときや別の部屋へ移すときに扱いやすく、軽さを利点と捉えれば気になりにくい部分です。
まとめ

本記事では、Akko FUNBOXの良いところと気になる点について、レビューしてきました。
レバーレスを選ぶうえで、操作感を左右するのはボタンとスイッチ、そして設定の幅です。FUNBOXはロープロファイルのホールエフェクト磁気スイッチを採用し、反応点を細かく詰められるラピッドトリガーに対応します。磁気軸で速さを詰めるか、別売りのメカニカル軸で打鍵感を変えるか。
ホットスワップで2つの性格を選べるのは、キーボードメーカーらしい強みです。無接点の磁気式で摩耗に強く、保証期間も2年と長いのは、長く使ううえで安心できるポイントです。
モードや基本の設定は本体のLCDとアルミダイヤルで切り替えられ、より細かい調整は日本語対応のWebドライバーから行えます。ソフトを開かず本体だけで設定を切り替えられる手軽さと、ブラウザで細かく追い込める自由度の両方を持つのが、本機の扱いやすさ。
一方で、反応点を攻めすぎると斜め抜けや暴発が出やすく、ABS筐体ゆえに重厚な高級感は控えめです。とはいえ、設定の幅で速さと安定のバランスは取れますし、軽さは持ち運びやすさにつながります。税込22,990円という価格も、機能を考えれば手に取りやすい部類です。
そんなAkko FUNBOXは、以下のような方におすすめです。
- ロープロファイルの磁気スイッチで、入力の速さを詰めたい方
- 本体だけでモードや設定を切り替えられるレバーレスを探している方
- 別売り軸へのホットスワップで、打鍵感を変えて楽しみたい方
- カスタムキーボードの感覚で、配置や反応点を追い込みたい方
- 薄型軽量で、膝置きや持ち運びをしやすい1台がほしい方
派手さよりも、スイッチと設定の作り込みで勝負したのが本機。本体のLCDで設定を切り替えられる手軽さとホットスワップ対応は、キーボードメーカーのAkkoならではの強みです。
反応点を自分の指に合わせて詰め、配置まで組み替えて使いたい人にとって、Akko FUNBOXは扱いやすいレバーレスだと言えます。

