Razer Kitsuneは、PlayStation 5の公式ライセンスを取得したPS5/PC対応のオールボタン アーケードコントローラーです。
今回レビューするのは『ストリートファイター6』のリュウをあしらったRyu Edition。追加ボタンを持たない標準的な配置のまま、王道のレバーレス操作を突き詰めたい方に向いています。
ボタンレイアウトからスイッチの応答性、筐体の素材まで、Razerのこだわりが細部まで詰め込まれた1台です。
本記事では、そんなRazer Kitsune Ryu Editionの良いところと気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。
本レビューはRazer様より製品を提供いただきレビューしてます。 記載価格は2026年7月時点の価格です。
Razer Kitsune Ryu Editionの基本的な仕様
Kitsuneの基本的な仕様として、スペック・同梱品・デザイン・各種設定・Razerについて、順に紹介していきます
スペックと特徴

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | オールボタン アーケードコントローラー(レバーレス) |
| 対応機種 | PlayStation 5/PC(Windows 10 64ビット以降) |
| 接続方式 | 有線(着脱式USB Type-C/付属ケーブル約3.1m) |
| スイッチ | Razer 薄型リニアオプティカル プッシュボタン(アクチュエーションポイント1.2mm) |
| ボタン数 | 操作用12個+システム用6個(計18個) |
| トッププレート | 取り外し可能なアルミ製 |
| SOCDクリーニング | 5モード |
| ポーリングレート | 250Hz/1,000Hz |
| ライティング | Razer Chroma RGB |
| サイズ・重量 | 約296×210×19.2mm/実測818.5g |
| 価格・保証 | 52,280円(税込)/1年 |
Kitsuneの主な特徴は、以下の通りです。
- 操作ボタン12個のシンプルな構成
- アクチュエーションポイント1.2mmのRazer 薄型リニアオプティカル プッシュボタン
- 取り外し可能なアルミ製トッププレート
- ケーブルの抜けを防ぐセキュリティケーブル固定具
- 大会での誤操作を防ぐトーナメントロックスイッチ
- 5モードから選べるSOCDクリーニング
- ソフトウェアなしでも操作できるRazer Chroma RGBライティング
- PlayStation 5公式ライセンス取得
レバーレスというのは、アーケードコントローラーからレバーを外し、移動もボタンで入力する形式のことです。
ボタンに使われているのは、Razerの薄型リニアオプティカル プッシュボタン。光を使って入力を検知する方式で、反応点は1.2mmです。
天板は取り外せるアルミ製。本体の厚みは約19.2mm、実測重量は818.5gです。
大会での使用を想定した装備も入っています。トーナメントロックスイッチをロック状態にすれば、天板上部のボタンを無効にできる仕組み。上下や左右を同時に押したときにどちらを優先するかは、SOCDクリーニングの5つのモードから選べます。
Kitsuneには今回のRyu Editionのほか、ブラックの標準モデルや2XKO Edition、Esports Green Editionが用意されています。違いはトッププレートのデザインと価格。Ryu Editionは標準モデルの49,880円に2,400円を足した52,280円です。
同梱品

Kitsuneの同梱品は、以下の通りです。
- 本体
- USB Type-C to USB Type-Aケーブル(約3.1m)
- 製品情報ガイド
- Razerウェルカムカード
- Razer Chroma RGBステッカー
本体とケーブル、そして書類だけというシンプルな構成。交換用のボタンキャップやスイッチは同梱されていません。

ケーブルは編組スリーブに包まれた太巻きのタイプ。実際に手に取ってみると見た目よりも柔らかく、取り回しのしやすいケーブルです。
デザイン

Ryu Editionのトッププレートには、『ストリートファイター6』のリュウが墨絵のようなタッチで大きく描かれています。右下には赤いサインがグラフィティ調で入り、白から黒へ流れる背景の上で強いアクセントになっています。

天板の左上には、クリエイトボタンとオプションボタンが配置されています。その右隣の格子状のパネルがタッチパッドで、押し込むボタンとしても機能します。

ボタンの天面は、光沢を抑えたマットな黒。トッププレートも同じくマットな質感で、触るとサラサラしています。

表面を近くで見ると、細かな凹凸のあるザラついた質感になっています。

指を滑らせるとサラサラと乾いた手触りで、ツルツルした塗装面のような安っぽいテカりがありません。指先が吸いつくように止まるので、操作中に手が滑る感覚もありませんでした。

絵柄は天面だけでなく、縁まで回り込んで印刷されています。斜めから見ても柄が途切れません。

Kitsuneには貼り替え用のスキンシールも別売されていますが、このRyu Editionの絵柄はトッププレートに直接プリントされたもの。あとから貼り替えたり剥がしたりするタイプではありません。

側面にはRazer Chroma RGBのライトが仕込まれていて、本体の周囲がぐるりと発光します。細い側面に沿って、光の帯が走る見え方です。

底面はほぼ全面がラバーで覆われていて、細かなドット状の凹凸が並んでいます。

四隅と中央付近には丸い滑り止めが配置され、上部中央にあるのが、ケーブルの抜けを防ぐセキュリティケーブル固定具です。
各種設定

Kitsuneの設定は、本体だけで完結する操作と、PCのRazer Synapseから行う操作の2通りが用意されています。
本体側で調整できるのはライティングです。トーナメントロックスイッチをロック状態にしたうえで、クリエイトボタンを押しながら各ボタンを操作します。
- 効果の切り替え:クリエイトボタン+↑ボタン(OFF/スタティック/スペクトラムサイクル/ウェーブ/ブリージング/リアクティブ)
- 色の切り替え:クリエイトボタン+R1またはR2(グリーン/ブルー/イエロー/パープル/シアン/オレンジ/ホワイト/レッドの8色)
- 速度の切り替え:クリエイトボタン+L1またはL2(スロー/モデレート/ファスト)
- 明るさの調整:クリエイトボタン+△または○(0%/25%/50%/75%/100%)
本来は大会中の誤操作を防ぐためのロックですが、その状態をライティングのショートカットにも兼ねる設計です。

PCにつないでRazer Synapseを開くと、本体では触れない項目を調整できます。
- 有線ポーリングレート:250Hzまたは1,000Hz
- モードスイッチャー:「再接続が必要」または「インスタントスイッチ」
- SOCD設定:ニュートラル/最初の入力を優先/最後の入力を優先/常に上を優先/SOCDクリーニングなし
- ライティング:輝度、効果、消灯条件(ディスプレイオフ時、アイドル時1〜15分)
モードスイッチャーで「インスタントスイッチ」を選ぶと、ケーブルを抜き差しせずにPCとPS5のモードを切り替えられます。PCとPS5を行き来する環境では、この設定を変えておくと接続のたびに生じる手間が減ります。
SOCDの処理は、参加する大会の規定に合わせてあらかじめ選んでおけます。
Razerについて

Razerは、2005年にMin-Liang TanとRobert Krakoffが立ち上げたゲーミングデバイスブランドです。アーバイン(カリフォルニア州)とシンガポールに本拠地を置き、世界19ヵ所にオフィスを展開しています。
「FOR GAMERS. BY GAMERS.」を掲げ、ゲーミングマウスやキーボードといった周辺機器から、BladeゲーミングノートPC、Razer SynapseやChromaなどのソフトウェアまでを手がけています。三つ首の蛇をかたどったトリプルヘッド・スネークのロゴは、ゲーミング分野で広く知られている意匠です。

格闘ゲーム向けの製品も手がけていて、2016年にはPlayStationライセンスを取得した周辺機器として、コントローラーのRaijuとアーケードスティックのPantheraを発売。翌2017年には、PantheraがCapcom Pro Tourの公式格闘ゲームスティックに採用されています。
Kitsuneは、その流れを汲むレバーレス型のモデル。Razerの公式サイトでも「FGC Controller」という独立したカテゴリに置かれています。
なお、げむぱではRazerのほかのコントローラーもレビューしています。あわせて参考にしてみてください。


Razer Kitsune Ryu Editionの良いところをレビュー
ここまで、Kitsuneの基本的な仕様について紹介してきました。今度は、実際に使い込みながら感じた、良いところについてレビューしていきます。
追加ボタンがない構成だから、基本の入力に集中できる

Kitsuneが備えるのは、レバーレスとして必要最小限のボタンだけです。
押せるボタンが決まっているぶん、どこに何を割り当てるかで迷いません。
親指の横にボタンを足して操作を割り振りたい方には物足りない構成ですが、王道のレバーレス操作をそのまま身につけたい方には、迷いの少ない1台だと感じました。
1.2mmの反応点と程よい押下圧で、静かに速く入力できる

Kitsuneのボタンは、1.2mmと浅い位置で入力が通ります。

Razerは公式に、自社のオプティカルスイッチがメカニカルやSanwaボタンよりも入力遅延が低いと示していて、実際に使っていても入力が遅れて困る場面はありませんでした。

押すのに必要な力は、軽すぎず程よい重さです。触れただけで反応するタイプではないので、指を置いたときの意図しない誤爆が起きにくく、押し込む途中に引っかかりのない、最後まで一定のリニアな感触が返ってきます。
打鍵音も静かです。静音仕様ではありませんが、カチッというクリック音が鳴る構造ではなく、連打してもボタンの音が気になる場面はありませんでした。夜間や家族のいる部屋でも、音を気にせずプレイできます。
普段は『ストリートファイター6』を舞で遊んでいます。レバーやD-Padからこのレバーレスに持ち替えてから、必殺技コマンドの取りこぼしが大きく減りました。緊張した場面ほどコマンドが乱れて敗因になっていたのが、方向をボタンで押す方式に変えてから安定しています。
斜めの入力も指で正確に押し込めるので、コマンドの精度が上がったと感じます。誤爆の起きにくい程よい押下圧も、こうした安定感を後押ししてくれているように思います。
底面全体のラバーで、膝に載せてもズレない

実際に膝の上へ載せてプレイしてみましたが、滑る感覚はありません。底面のラバーがズボンの生地に食いつくので、本体が動かず安定した姿勢を保てます。

膝の上でズレる製品もありますが、本機については気になりませんでした。
トッププレートを外して、見た目も中身も変えられる

Kitsuneのアルミ製トッププレートは、ネジを外すだけで取り外せます。Razerは貼り替え用のスキンを販売しているほか、公式サイトで自作用のテンプレートも配布しているので、好みのデザインに変えて自分だけの1台に仕立てられます。

トッププレートを外すと、その下のスイッチが現れます。ソケット式なので、はんだ付けなしにスイッチを抜き差しできるホットスワップ対応です。実際に、工具なしで指でつまんで外せました。

ただし、交換用のスイッチは単体では出回っておらず、この点は公式サイトにも明記されていません。いますぐ気軽に換装できる環境が整っているわけではありませんが、長く使ううちに手を入れたくなったとき、それに応えてくれる懐の深さがあります。
約19.2mmの薄さと818.5gの軽さで、持ち出しも収納も軽い

数値だけならこれより軽い機種もありますが、その多くはプラスチック筐体で、質感はそれなり。Kitsuneはアルミ天板を組み込んだうえでこの軽さです。試しに天板だけを外して計ると191.0gあり、本体の2割ほどを金属が占めていました。安さで軽さを稼いだのではなく、質感を保ったまま軽く仕上げた1台だと感じます。

薄くて軽いぶん、棚のすき間や引き出しにも収まりますし、バッグに入れて持ち出すときもかさばりません。ケーブルは着脱式なので、抜いてまとめておけば片付けもすっきりします。
PS5に挿すだけで使える

接続の手順は、天板のアーケードコントローラーモードスイッチをPS側に合わせ、USB Type-Aポートにケーブルを挿し、PSボタンを押すだけです。
なお、付属のマニュアルでは、安全上の理由と使わないときに抜きやすいことを挙げて、PS5本体前面のUSBポートへの接続をすすめています。
専用ソフトを入れる必要もないので、レバーレスを初めて選ぶ方にも扱いやすい1台です。
Ryu Editionの絵柄で、置いてあるだけで気分が上がる

リュウの絵柄と赤いサインが天板いっぱいに広がっていて、使っていないときでもつい目が向きます。側面をぐるりと囲むRazer Chroma RGBの光も、見栄えに一役買っています。
手に取るたびにモチベーションが上がる1台です。
Razer Kitsune Ryu Editionの気になる点をレビュー
ここまで、Kitsuneの良いところについてレビューしてきました。購入前に知っておきたい気になる点もあるので、続けて紹介します。
反応点は1.2mmの固定で、調整できない

Kitsuneのアクチュエーションポイントは1.2mmで、この値を変更する手段は用意されていません。本体のホットキーにもRazer Synapseにも、反応点を動かす項目はない仕様です。
近年は、反応点を自分で決められるレバーレスや、ボタンを離した瞬間に入力が切れるラピッドトリガーに対応した機種も登場しています。設定を細かく詰めて自分好みに追い込みたい方には、この固定仕様は物足りなく映るはずです。
もっとも、あらかじめ用意された1.2mmは、浅すぎず深すぎない扱いやすい設定です。調整の沼にはまらず、目の前の入力に集中できるという見方もできます。反応点を自分でいじりたいかどうかが、選ぶ際の分かれ目になります。
ボタンの間隔が広く、右手の小指が遠い

手元にある他のレバーレスと並べてみると、Kitsuneはボタンとボタンの間隔が広めに取られています。
そのぶん、右手の小指で押すボタンが遠い位置にあります。手を置いた最初の印象では、指を伸ばさないと届かないと感じました。
ただ、30分ほどプレイすると、意識しなくても小指が届くようになりました。
慣れの範囲で収まる程度の広さですが、手が小さめの方は、店頭で触れる機会があれば確かめておくと安心です。
ポーリングレートは最大1000Hzまで

Kitsuneのポーリングレートは、250Hzと1000Hzの2段階です。近年は2000Hz、4000Hz、8000Hzといった高いレートを掲げるコントローラーも増えているので、数値だけを見ると見劣りします。
もっとも、実際に250Hzと1000Hzを切り替えて使ってみても、筆者には差を感じられませんでした。60fpsで動く格闘ゲームであれば、このあたりの数値を突き詰める必要性は高くない、というのが使ってみての実感です。ここを重視して選ぶ製品ではない、と捉えておくとよさそうです。
対応はPS5とPCのみ、接続は有線のみ

Kitsuneが対応するのは、PS5とPC(Windows)です。PS4やNintendo Switch、Xboxには対応していません。PS5でPS4のゲームをプレイするときは使えますが、対応ハードは絞られています。
接続も有線のみで、無線には対応していません。ケーブルの取り回しが柔らかく、セキュリティケーブル固定具で抜けにくい作りではあるものの、完全にケーブルレスで使いたい方には向きません。
また、ポーリングレートやSOCDの細かい設定はPCのRazer Synapseから行うため、PS5だけで使う場合はこれらの変更ができない点も、あわせて知っておくと安心です。
52,280円は、質の高い1台に払う金額

Kitsune Ryu Editionの価格は52,280円(税込)。レバーレスとしては高い部類に入ります。
ただ、ここまで見てきたとおり、Kitsuneは細部まで作りの丁寧な1台です。アルミ天板の質感と軽さの両立、ザラついた表面の手ざわり、静かな打鍵、スイッチまで手を入れられる構造、そしてPS5に挿すだけで使える公式ライセンス。派手な機能で押す製品ではありませんが、手に取って使うほどに質の高さが伝わってきます。
そこに、リュウの絵柄という、この1台にしかない価値が乗ります。同じ操作性なら安い機種もあるなかで、Kitsuneを選ぶ理由は、性能表に載らない部分の満足度にあります。デスクに置いて所有する喜びまで含めて考えれば、52,280円は十分に納得できる金額です。
もちろん、価格あたりの性能を最優先するなら、ほかにも選択肢はあります。それでもこの1台に惹かれるなら、その気持ちは十分に価格へ見合うものだと思います。
まとめ

本記事では、Razer Kitsune Ryu Editionの良いところと気になる点についてレビューしてきました。
アルミ製のトッププレートを備えながら、約19.2mmの薄さと818.5gの軽さに収めた1台です。ザラついたマットな天板は手にしたときの満足感があり、リュウの絵柄が所有する喜びを高めてくれます。1.2mmで速く、程よい押下圧で誤爆しにくいスイッチは、静かに打てて扱いやすさも十分。トッププレートを外して好みのデザインに交換でき、スイッチにも手を入れられる余地が残されています。PlayStation 5の公式ライセンス品なので、追加の機材なしに挿すだけで使えるのも安心です。
気になるのは、反応点が1.2mmの固定で、あとから詰められない点です。設定を細かく詰めたい方には向きませんが、裏を返せば、迷わずそのまま使い込んでいけるということでもあります。ボタンの間隔がやや広く、手が小さめの方は小指の届きを確かめておきたいところ。ポーリングレートは最大1000Hzまでで、対応はPS5とPCのみ、無線には非対応です。価格も52,280円と安くはありませんが、作りの質と所有する満足まで含めれば、十分に手に取る価値のある1台です。
そんなRazer Kitsune Ryu Editionは、以下のような方におすすめです。
- 増設ボタンに頼らず、標準的な配置で腕を磨きたい方
- PS5でそのまま使えるレバーレスを探している方
- アルミ天板の質感や作りの良さに価値を感じる方
- 応答性の高いオプティカルスイッチを、静かな環境で使いたい方
- 『ストリートファイター6』の世界観ごと手元に置きたい方
逆に、PS5とPC以外の機種で使いたい方や、無線接続を求める方には向きません。増設ボタンで操作を割り振りたい方や、反応点を細かく詰めたい方も、ほかの選択肢と見比べてから決めるのがおすすめです。
とはいえ、王道の配置を質の高い1台でじっくり突き詰めたい方にとっては、長く付き合える相棒になってくれるはず。PS5とPCで本格的に格ゲーへ挑みたい方に、ぜひ手にとってみてほしいレバーレスアーケードコントローラーだと言えます。
