闘将(Fight Master)レビュー|アルミ筐体×スイッチ換装で打鍵感を追い込めるレバーレスコントローラー

闘将(Fight Master)は、MOJHONが手がけるレバーレスタイプのアーケードコントローラーです。

レバーレスは方向入力をレバーではなくボタンで行う操作方式で、一般に格闘ゲームでのコマンド速度や精度を高めやすいとされています。

本機はCNCアルミ削り出しの筐体に、全キーがホットスワップに対応したロープロファイルのメカニカルスイッチを搭載しています。打鍵感を自分好みに追い込める1台に仕上がっています。

価格は28,000円(税込)で、PC・Nintendo Switch 1&2・Androidに対応。本記事では、そんなFight Masterの良いところと気になる点についてレビューしていくので、ぜひご参照ください。

本レビューはMOJHON様より製品を提供いただきレビューしています。

目次

Fight Masterの基本的な仕様

Fight Masterの基本的な仕様として、スペック・同梱品・デザイン・重量比較・各種設定・MOJHONについて、順に紹介していきます。

スペックと特徴

Fight Masterの主なスペックと特徴を簡単に紹介します。

項目内容
製品名闘将(Fight Master)
種別レバーレス(オールボタン)アーケードコントローラー
外装材質CNCアルミニウム合金ボディ
本体サイズ299 × 218.5 × 14.75 mm
重量公称1500g(実測1496g)
スイッチKailhカスタムデュアル(Ice Cream Mini/Saker Mini・ロープロファイル・全キーホットスワップ対応)
キーレイアウト5種の役割区分(方向/パンチ攻撃/キック攻撃/特殊スキル/マッピング)
接続方式2.4GHz/Bluetooth/有線の3モード
ポーリングレートワイヤレス1000Hz
対応機種PC・Nintendo Switch 1&2・Android
RGB6種ライトエフェクト(MOJHON APPで調整)
バッテリー2000mAh
価格28,000円(税込・2026年7月時点)
メーカーMOJHON(BIGBIG WON)

Fight Masterの主な特徴は、以下の通りです。

  • CNCアルミ削り出しのメタル超薄型ボディ(厚さ14.75mm)
  • 全キーがKailhロープロファイルスイッチ+ホットスワップ対応
  • GASKET構造(内蔵の緩衝パッド)
  • 2.4G/Bluetooth/有線の3モード接続、ワイヤレス1000Hz
  • ワンタッチで切り替わるトーナメントモード(競技ロック)
  • 6種RGBライトと2000mAhバッテリー
  • 持ち運び用のハンドル付き

Fight Masterで目を引くのは、CNCアルミ削り出しの筐体と、全キーがホットスワップに対応したロープロファイルメカニカルスイッチの組み合わせです。

ホットスワップというのは、はんだ付けなしでスイッチを差し替えられる仕組みのこと。付属の工具でキャップとスイッチを引き抜くだけで、好みの押し心地に交換できます。

搭載スイッチは、初期状態ではすべてのキーにKailh Ice Cream Miniが装着されています。メカニカルキーボードで自作を楽しんできた方なら、手持ちのロープロスイッチを試す土台にもなります。

2万円台後半のレバーレスとして、アルミ筐体の質感とスイッチ換装のしやすさを併せ持つ1台です。

Fight Masterの同梱品は、以下の通りです。

  • 本体 × 1
  • 2.4GHzワイヤレスレシーバー × 1
  • USB-A to USB-C 編組ケーブル × 1
  • スイッチ交換ツール × 1
  • 交換用メカニカルスイッチ(Kailh Saker Mini)× 3
  • 製品マニュアル

交換用として付属するスイッチには、少し変わった構成が採られています。

標準で装着されているのはKailh Ice Cream Miniですが、付属の3個は押し心地の異なるKailh Saker Mini。

予備部品ではなく別系統のスイッチが入っているため、届いてすぐに打鍵感の違いを試せます。

デザイン

天面はオールボタン式で、左手側に方向キー、右手側に攻撃ボタンが並びます。

下段には親指で押すオーバル型のボタンが4つ、左手側の端には左小指で押す縦長のボタンが1つ配置されています。これらは大きめで、多少指がずれても押しやすいサイズです。

中央には持ち運び用のハンドル穴が空いています。

CNCアルミ削り出しの天板は厚さ14.75mmと薄く、フラットな一枚板の構成です。

右手側のフェイスボタンには、X・Y・A・B・RB・RT・LB・LTの文字が刻印されています。書体はMOJHON独自のものです。ボタンキャップは形状が数種類に分かれています。

天面の上辺には、スクリーンショット・メニュー・ホーム・L3・R3・無線・Fnといった機能ボタンが横一列に並びます。

その右側には、モード切替(X/D/S)、LS/DP/RS、ON/OFF、競技ロックの切替スイッチ(レバー)がまとまっています。競技ロックはオレンジ色のレバーで、色で見分けやすくなっています。

奥側面には、USB-Cポートと、ワイヤレスレシーバー(ドングル)を収納するスロットが設けられています。有線用の端子とドングルの収納場所が、近い位置にまとまっています。

裏面は硬質のラバー素材で、MOJHONのロゴが格子状にエンボス加工されています。

ハンドル周りのアルミ部分には、型番や入力定格、FCC・PSE・CMIITといった各種認証情報が記載されています。

側面は面取りされたアルミのエッジで、削り出しならではの質感が出ています。薄型の一枚板ながら、角はしっかりと面取りされた仕上がりです。

他の主要レバーレスとの重量比較

Fight Masterを、他のレバーレスコントローラーと並べて撮影しました。サイズ感の比較にご覧ください。

続いて、他機種との重量を比べます。

機種重量
Akko FUNBOX858g
Haute42 T16 Pro930g
闘将(Fight Master)実測1496g(公称1500g)

数値だけを見ると、Fight Masterは比較した2機種より500g以上重い部類に入ります。アルミ削り出しの筐体を採用しているぶん、樹脂中心の軽量モデルとは重量差が出ています。

ただ、実際に膝の上に置いてプレイしてみると、数値ほどの重さは感じませんでした。

底面には全面に滑り止めのゴムが貼られ、重心も均一になるよう設計されているため、机上でも膝上でも安定します。重さがそのまま設置の安定感につながっている印象です。

各種設定

Fight Masterの設定は、本体上部の物理スイッチと、専用アプリ「MOJHON APP」の2通りで行います。

本体側には、モード切替(X/D/S)や、方向キーの割り当てを切り替えるLS/DP/RSなどの切替スイッチが並びます。ON/OFFやトーナメントモードの起動も、ソフトを開かずに本体だけで操作できます。

トーナメントモードは、シェア・メニュー・アップロード・L3・R3といった機能ボタンを一時的に無効化する機能です。大会会場などで、意図しないボタンの誤操作や誤発射を防ぎたい場面で役立ちます。

より細かいカスタマイズは、MOJHON APPから行います。アプリで設定できる項目は、以下の通りです。

  • 各ボタンのキーマッピング(リマップ)
  • 連射レートの調整
  • SOCD Rules(左右同時押しなどの処理ルール)
  • RGBライティング(内蔵4種+カスタム2種)
  • ファームウェアのアップデート

SOCDというのは、レバーレスで左右のように相反する方向を同時に押したとき、入力をどう処理するかのルールのこと。Fight MasterではDefaultのほか、上入力を優先するUp Priorityなど複数の方式から選べます。

試合で使う機能は本体側でワンタッチ、細かい調整はアプリ側という役割分担です。

スイッチの交換は、付属の工具でキャップを外し、下のスイッチを引き抜くだけで行えます。全キーがホットスワップに対応しているため、本体を分解せずに押し心地を変えられます。

MOJHONについて

MOJHONは、BIGBIG WONからリブランディングされたゲーミングデバイスメーカーです。

TMRスティックやホールセンサーを採用したコントローラーを展開しており、フラッグシップのStormなどをラインナップしています。コントローラーを中心に手がけてきたメーカーで、Fight Masterではアルミ筐体とホットスワップという、メカニカルキーボードに近い要素を取り入れています。

同社のコントローラーは、別記事でもレビューしています。あわせてご覧ください。

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Fight Masterを使った感想

ここでは、Fight Masterを実際に使ってみて感じた印象を軽く触れていきます。詳細については後の章でレビューするので、まずは全体的な使用感をお伝えします。

箱から取り出してまず伝わってくるのは、アルミ削り出しの筐体からうける高級感です。薄い一枚板ながら手に取るとしっかりとした密度があり、樹脂中心のレバーレスとは質感が異なります。この筐体の質感が、キーを叩いたときの手応えにもつながっているように感じました。

意外だったのが、付属していた交換用スイッチ。てっきり保守用の予備が3つ入っているのかと思っていたら、標準装備とは別系統のスイッチで、良い意味で驚きました。

おかげで、届いてすぐに違う打鍵感を試せます。

実際にボタンを叩いてみると、スイッチのレスポンスは素直で、入力に対する反応が速く感じられました。ロープロファイルスイッチのストロークは浅く、連打してももたつく感覚も少なめです。

ケーブルレスで使えるぶん、膝の上に置いたときの取り回しにも自由度があります。一方で、後の章で触れますが、上部のボタンだけは素材が異なる点も見えてきました。

Fight Masterの良いところをレビュー

ここまで、Fight Masterの基本的な仕様や全体的な感想について紹介してきました。今度は、実際に使いながら感じた、Fight Masterの良いところについてレビューしていきます。

アルミ削り出し筐体の質感が打鍵感にも効く

Fight Masterの筐体は、CNCアルミニウム合金の削り出しで作られています。厚さ14.75mmの薄い一枚板ですが、手に持つと金属ならではの密度感があります。

内部にはGASKET構造と呼ばれる緩衝パッドが組み込まれ、キーの土台を支える構造です。キーを押し込んだときの底打ちも、この緩衝パッドが受け止める設計になっています。

実際に使っていて感じるのは、この筐体の質感がそのまま打鍵感の満足度につながっている点です。土台がしっかりしているぶん、ボタンを押したときの手応えに安っぽさがありません。

薄さと剛性を両立できるのも、金属筐体ならではの強みです。所有する満足感まで含めて、レバーレスに質感を求める方に応えてくれる1台だと言えます。

ホットスワップのロープロメカで好みのスイッチに換装できる

Fight Masterは、すべてのキーがKailhのロープロファイルスイッチで、ホットスワップに対応しています。標準ではKailh Ice Cream Mini(動作力40±8gf)が装着されています。

付属の交換用には、やや軽いKailh Saker Mini(動作力37±10gf)が3個入っています。動作力の異なる2種を、最初から手元で比べられる構成です。

先述の通り、この付属スイッチが予備ではなく別系統だったのは、嬉しい驚きでした。標準と付属で押し心地が異なるので、届いた時点で2種類の打鍵感を試せます。

交換には付属のキー引き抜き工具を使います。

キャップとスイッチを挟んで引き上げるだけなので、ボタンの取り外しがしやすく、はんだ付けの知識も要りません。メカニカルキーボードでスイッチ交換に慣れている方なら、手持ちのロープロスイッチを試す土台にもなります。

5つのボタンに好きな機能を割り当てられる

Fight Masterには、親指で押すオーバルボタン4つと、左手側の左小指で押すボタン1つ、合わせて5つの割り当て可能なボタンがあります。

設定ソフト上ではM1〜M5として扱われ、専用アプリのMOJHON APPから好きな機能を自由にマッピングできます。よく使う操作や、右手側では押しにくいボタンを、自分の押しやすい指の位置に移せるのが利点です。

連射の設定も組み合わせられるので、繰り返し押す操作を1つのボタンで済ませることもできます。割り当てはゲームのジャンルやプレイスタイルに合わせて変えられるので、遊ぶタイトルが変わっても調整しやすい構成です。

レバーレスは運指がプレイの速さに直結するため、ボタン配置を自分に合わせて組み立てられるのは、操作を突き詰めたい人にとって嬉しいポイントです。

方向キーに上ボタンがあり、キーボードに近い運指ができる

多くのレバーレスは、上入力を親指で押す下段のボタンに割り当てています。格闘ゲームで上を押すとジャンプになるため、キーボードのスペースキーを親指で押す感覚に近い配置です。

一方でFight Masterは、方向キーのエリアに上ボタンを備えています。左・下・右に加えて上も指で押せるので、キーボードの方向キーに近い運指でも操作できます。

上入力を親指ではなく指でまかなえるぶん、親指側のボタンを別の操作に回せるのも使い方の幅につながります。たとえば、上入力を指で行いながら、親指側のボタンには別の操作を割り当てる使い分けもできます。

キーボードで格闘ゲームを操作してきた人にとっては、馴染みやすい配置だと言えます。

ワイヤレスでケーブルレス、膝置きの自由度が高い

Fight Masterは、2.4GHz・Bluetooth・有線の3モード接続に対応しています。付属のレシーバーを使う2.4GHz接続では、ワイヤレスで1000Hzのポーリングレートに対応し、遅延は約10msです。

レバーレスは、膝の上に置いて使う場面も多いデバイスです。

その点、Fight Masterはケーブルにつながれないぶん、膝置き時の姿勢や角度を自由に決められます。ケーブルの取り回しを気にせず、楽な位置で構えられるのは無線ならではの快適さ。有線並みの応答性を保ちながらケーブルから解放される点は、推したいポイントの1つです。

バッテリーは2000mAhで、ライトを点灯していても24時間以上のプレイに対応します。無線でも充電の頻度を気にせず使えるのは、ケーブルレス運用と相性のいい仕様です。

取っ手付きで、重量級でも持ち運びやすい

Fight Masterの中央には、持ち運び用のハンドル穴が設けられています。薄型のアルミ筐体と組み合わさることで、片手で掴んですぐに持ち運べる作りです。

重量は公称1500gと軽くはないものの、ハンドルに指を通せば重さが分散され、持ち運び自体は苦になりません。バッグに入れて外に持ち出すときも、この取っ手があるだけで扱いやすさが変わります。重さのあるアルミ筐体でも、持ち運びのハードルを下げてくれる工夫です。

薄さも持ち運びやすさに効いています。厚み14.75mmはバッグの隙間にも収まりやすく、デスクと外出先を行き来する使い方にも向いています。取っ手と薄型ボディの組み合わせで、自宅用と外出用を分けずに1台で持ち回せる手軽さがあります。

Fight Masterの気になる点をレビュー

ここまで、良いところについてレビューしてきました。質感とカスタマイズ性に見どころのあるFight Masterですが、一部には気になる点もあります。

AP・ラピッドトリガーには非対応

Fight Masterはメカニカルスイッチを採用しているため、アクチュエーションポイント(反応点)の調整やラピッドトリガーには対応していません。

これらは、キーの反応する深さをソフトで細かく変えたり、離した瞬間に入力をリセットしたりする機能です。磁気式スイッチを積んだ一部のキーボードやコントローラーに搭載されています。

格闘ゲームでの入力に関しては、これらの機能がなくても不足を感じる場面は多くありません。ただ、キーボードのような反応点カスタムにこだわりたい方には、物足りなく映る可能性があります。

その用途を重視するなら、磁気式スイッチを採用したデバイスを検討したほうが合っています。

PS5には非対応

対応機種として、PC・Nintendo Switch 1&2・Androidが挙げられている一方で、PS5には対応していません。マルチプラットフォームをうたうコントローラーとしては、PS5でプレイしたい方にとって惜しいポイントです。

サードパーティ製のコントローラーでは、PS5への対応が見送られる例も少なくありません。ストリートファイター6などをPS5でプレイしている方は、事前に手持ちの環境を確認しておくと安心です。

PCやSwitchを主戦場にしている方であれば、対応面で困る場面は少ないと言えます。

上部のスイッチは樹脂素材

高級感のあるアルミ筐体のFight Masterですが、天面上部にあるモード切替や競技ロックなどの切替スイッチは樹脂素材です。ここも金属であれば、全体の質感がさらに引き締まったように感じます。

とはいえ、これらの切替スイッチは設定の切り替えに使うもので、対戦中に頻繁に触れる部分ではありません。

同じ上部バーでも、左側に並ぶ機能ボタンにはラバー系の素材が使われています。操作の中心となる方向キーや攻撃ボタンではないぶん、実用上の影響は小さめ。

素材の作り分けは、コストと質感のトレードオフとも言えるでしょう。

まとめ

本記事では、Fight Masterの良いところと気になる点についてレビューしてきました。

Fight Masterは、アルミ削り出しの筐体と、ホットスワップのロープロメカを組み合わせたレバーレスです。実際に使って印象に残ったのは、筐体の質感と、スイッチを入れ替えて打鍵感を追い込める自由度でした。標準とは別系統のスイッチが付属するので、届いた時点から自分好みの押し心地を探せます。

ワイヤレスなので膝の上でも取り回しやすく、取っ手があるぶん持ち運びも楽です。

そんなFight Masterは、以下のような方におすすめです。

  • スイッチを換装して、打鍵感を自分好みに追い込みたい方
  • レバーレスに、アルミ筐体ならではの質感や所有感を求める方
  • ケーブルレスで、膝置きも含めて自由な姿勢でプレイしたい方
  • 持ち運びやすいレバーレスを探している方

一方で、キーの反応点調整やラピッドトリガーにこだわりたい方、PS5をメインでプレイする方には向きません。その場合は、磁気式スイッチのデバイスやPS5対応モデルを検討したほうが合っています。

質感とカスタマイズ性の両面に見どころがあり、レバーレスを自分好みに育てていきたい方におすすめのアーケードコントローラーだと言えます。

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